蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

ウィッチブレイド

2006-08-27 03:55:59 | アニメ 感想
ひっそりと、けれども実はしっかりと見続けていた「ウィッチブレイド」なんですが、本編はそろそろクライマックス突入と言った感じで、結構楽しみになってきました。

ウィッチブレイド自体も大幅パワーアップ!!で、おお、待ってました!!みたいな感じなんですが、これがまた破滅と背中合わせの諸刃の剣、という感じでラストへ向けたカタルシスの予感、みたいな。

シリーズ自体はやっぱり大きく分けて前半戦と後半戦、そして終局フェーズと3つに分けて考えても良いかもしれないですね。

■前半戦

前半戦は玲奈が実は主役だったのではないか?と思わせるほど、リコを通じて母性に目覚めていく玲奈を隠れたメインテーマとして、育ての親と生みの親という大きなテーマを扱いつつも、まりあというこれまた親を渇望する子供を登場させることで、(親の身として感じるのは)実は結構切実な問題を扱っていたわけですね。

前半戦のクライマックスはやはり玲奈の最期のシーンで、母性に目覚めて子供を守り散っていく、そしてその散り際は美しくも、実は後半戦への大きな布石になっていて、ウィッチブレイド自体も崩壊の可能性を秘めている、というのを暗示したシーンになっているわけですね。

この辺はクライマックスをのぞいて、結構あっさり目に描かれてきていたので、僕個人としてはもっと演出過剰とまでは言わないまでも、もっと感動的に演出していっても良かったのかな、とも思いますね。
難しいところですが、(脚本的に)女性として訴えたい部分を強調しすぎないような配慮なのかもしれず、また演出過剰にすることで嘘っぽくなる(イロモノっぽくなる)ことを嫌ったのかもしれない、なんて思ったりもしましたが、個人的にはもっと泣かせていなんて思ってました(笑)。

■後半戦

後半戦は、玲奈の死が残した布石としてウィッチブレイドの崩壊=真の適合者=リコという図式を前面に出して雅音の焦りを表現して、実はその裏で親離れ、子離れをしないといけない、愛情の一方通行から双方向への転換・気付き、みたいなのがポイントなんですよね。

それをまた同じくシングルマザーの女性編集長を登場させて、(シングルマザーの)先輩としてのさりげない一言で徐々に子離れしていく、というところが後半戦の意味というか、やりたかったことなんでしょうね。

で、後半戦最大のクライマックスがリコにずっと隠してきた事実=自分がウィッチブレイドであるということを明かすシーンなんですが、そこで子離れプロセスを踏んでいる=愛情の双方向化が実現されたからこそ、あのシーンで抱き合うことができた、そういうシーンだったんじゃないかな。

その一役として鷹山との関係性も買っているわけで、ここで一つのテーマがまた終結、と。
母親として、女性として、雅音も成長していくプロセスが一つここで収斂された、という感じ。

愛情の双方向化と娘を任せられるもう一人の存在=父親=鷹山というキーポイントを押さえて、懸案事項がある程度収束したということは、残る問題こそがクライマックスへと駆り立てるわけで、その残る問題とはまさに愛する娘がウィッチブレイドの真の継承者である、という点ですね。

■終局フェーズ

リコに隠していた事実を公開したこと、そして任せられる父親=鷹山との関係性をリコを含めて築けたことで、雅音としてはある意味死亡フラグ的なものが立ったも同然、みたいな感じで(そういう意味では鷹山もそうなんですけど)、終局フェーズへ突入することになりますね。

三色の髪をやめて(たぶんあれは子供心の象徴なのかもね)、黒い髪になったまりあ(こっちのが個人的には良いです)という最強の敵と、こちらもカッコよくパワーアップを決めてくれたウィッチブレイドとの対決、というのが表向きのクライマックスで、本質的なクライマックスとしては、この戦いを通じて、破壊衝動と母性本能の対決、みたいな形が描かれるんじゃないかと予想。

パワーアップしたウィッチブレイドは破壊衝動・暴力と、それに比例した自己崩壊の象徴みたいな描かれ方をしているので、その力を愛する娘であるリコ=真の継承者にそんな思いをさせたくない、という母性が破壊を上回るか?と言うカタルシスを是非見せて頂きたい。

エンディングのカットでみせた、崩壊した東京(戸沢がいつか写した大災害の中に見えた光のような光景)をバックに変身が解けかけた雅音とリコが抱き合っている、この二人が光の中で納まっている、そういう写真を是非戸沢ちゃんには写して頂きたいところ。

ここはやはり、脚本を殆どが女性で担当されているわけで、男性では描ききれないテーマ、女性ならではの想いというのをラストへ向けて描ききって欲しいところです。

ということで、残り話数も見えてきていよいよクライマックス。
期待しております。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (エッジ)
2006-08-29 00:45:17
Gyaoでちょっと見ただけなので、この文章を全部読んでませんがコメントを。

派手なバトルが目に付きますが親子関係がメインテーマっぽいのが、子の親である燕。さん好みの作品なんですかね。

僕は、うのまことさんのキャラデザで特に梨穂子が可愛いので注目しております(笑)

それに、しっかりものの娘とだらしない母親という構図がたまりません。

ニヤニヤしてしまう話も多いですが、基本はシリアスなんでしょうか。

まだ見ぬ話に期待がかかります。
返信する
そこは弱いのです (燕。(管理人))
2006-08-31 03:03:04
■エッジさんへ

そうそう、そうなんですよ。親子ものには滅法弱いです(笑)。

ウィッチブレイドは前半戦、というか全体的におとなしく話しが進んでいるので、多少もったいない感があるんですよね。

でも前半戦では玲奈が、後半戦ではウィッチブレイドが進化するあたりなんかは熱くて良いですよ。

このまま一気に突っ走ってくれると個人的には楽しみですね。



返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。