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天元突破 グレンラガン 第27話(最終話)『天の光はすべて星』 感想

2007-10-02 02:23:28 | グレンラガン
熱かった、本当に熱かった物語もこれにて終幕。
切ない余韻を残しつつ、最後は静かにその幕を閉じる。

すっごい良かったです。

これは個人的に近年稀に見る傑作の一つだったんじゃないかと思います。
ここ最近でこんなに毎週、毎週続きが気になって仕方ない作品ってたぶん無かったんじゃない?というくらい。
最後の最後まで熱いドリル=魂を見せつけてくれた監督はじめ全ての制作スタッフの皆様に拍手を。

そして何より最も熱い魂=ドリルを見せ付けてくれたグレン団に拍手を。

* * *

この最終回が気になって仕方がない、でもこれを観たらこの物語は終わっちゃうってことだよな、なんて矛盾した想いを感覚で見始めましたよ。

前回の不確定な未来の中から自分の進むべき道を選んで行く、それが現実であり、自分達の現在である、というテーマを熱く昇華してくれたこの物語の先に、あとどんなことが待っているのか?もう実質前回が最終回だったんじゃないの?とか思ったこともありました。

でも、全然違った。

更にダメ押しのように、これでもかと言わんばかりに言いたいことが詰まってました。

これを言わずに終われるか!!くらいの勢いで。

そのハジマリがこれだ。



因果の輪廻に囚われようと

残した想いが扉を開く

無限の宇宙が阻もうと

この血のたぎりが定めを決める

天も次元も突破して

掴んでみせるぜ 己の道を

天元突破 グレンラガン!!

たちを誰だと思っていやがる





大グレン団全員での大口上。
「俺を」じゃない、「俺たちを」誰だと思っていやがる!!
ですよ。

このアバンタイトル。
既に涙腺ウルウルでした。


* * *


そして迎えるアンチスパイラルとの最後の激突。
男と男のバトルってのはこうやるんだぜ!!くらいの勢いのど突き合い。
もうやりたいことは全部やってやるぜ、くらいの。

そこで明かされる一つの真実。

アンチスパイラルも実は元は螺旋族だった!!みたいな。

これは何となく予想していたんですよ。
ロージェノムがかつてそうであったように、きっとアンチスパイラルも何かをせき止めるために、止まってしまったんだろうな、と。
それがスパイラル・ネメシスという言葉が明らかになった時点で何となくそういう気がしたんですよね。

でもね。

というか、だから、か。

ここでの戦いっていうのは、前回の不確定な未来でも、自分の決めた道を進むことが現在であり、現実である、という答えを出したシモンたちに対する最終確認になっているんですよね。

アンチスパイラルは元同族。

それが自分達の螺旋力を危惧して、進化することを、否、前に進むことをやめてしまった存在。

人類が進んだかもしれない、可能性の未来の一つ。

つまりここでの戦いは、


究極の自己否定であり、究極の自問自答


なんですよね。


だから戦う価値がある。
倒す価値がある。
前に進む価値がある。


今回のしびれたポイントはココ。


自分たちがもしかしたら陥ったかもしれない、進むことを諦めたらそうなってしまうかもしれない、アンチスパイラルも一つの答えかもしれない。

この戦いはそういう自分との戦いってことなんだよね。

それって先週やった自分の可能性の未来という自分ベースのミクロ視点から、もうちょい進めて、人間ってのはなぁ!!くらいの勢いのマクロ視点での戦いになっていて、それが最終回で突きつける究極の自己否定であり、自問自答になってるんですよね。

だからこそ価値がある。

だからここから始まる反撃に意味がある。
#「俺の嫁は宇宙一スウィング!!」(笑)


俺たちが 俺たち自身が

無限の宇宙から選び出した

俺達の明日だ

俺たちは戦い抜く

戦い抜いて この宇宙を守る

スパイラルネメシスも止めてみせる



その答えがこれ。

ずっと一貫してきた答え。
それをこれでもか、と伝える。
それが最終回。

でも、そこで終わらないのも最終回。
ピンチの連続はグレンラガンの十八番。
絶体絶命のピンチ。


空を、宇宙を見上げるみんなの視線


まだだ まだやれる


ここでかかる曲と言えば


『空色デイズ』


。・゜・(ノД`)・゜・。
。・゜・(ノД`)・゜・。
。・゜・(ノД`)・゜・。


分かってるね。・゜・(ノД`)・゜・。


そして畳み掛けるように、


シモン!!ここは任せてもらおうか


ロージェノムとラゼンガン・オーバロード!!


。・゜・(ノД`)・゜・。


仮初の体が螺旋の命の明日を創るなら本望だ


この瞬間光るニアちゃんの体。・゜・(ノД`)・゜・。
そういうことなのね。・゜・(ノД`)・゜・。
しかもその意味をシモンも理解してたのね。・゜・(ノД`)・゜・。



そんなシモンが、ノーガードの打ち合いの最中、放つ言葉



俺たちは

1分前の俺たちよりも進化する

1回転すれば ほんの少しだが前に進む

それがドリルなんだよ




それこそが滅びへの道

螺旋族の限界

何故気付かぬ!!




それは貴様の限界だ!!

この閉ざされた宇宙で

王様気分で他の生命を封じ込めた

貴様自身の限界に過ぎない!!




そう 人間にだってもっともっと大きな奴がいたわ

その人のためにも 私たちは前に進む!!



その心は無限!!

その大きさに私も賭けた



。・゜・(ノД`)・゜・。


覚えておけ

このドリルは この宇宙に風穴を開ける

その穴は 後から続く者の道となる

倒れて行った者の願いと

後から続く者の希望

二つの想いを二重螺旋に織り込んで

明日へと続く道を掘る

それが 天元突破

それが グレンラガン

俺のドリルは

天を創るドリルだ!!




そしてラガンインパクト!!


カタルシスMAXだよ!!


ここだけでもかなりのカタルシスなんだけれども、最後にアンチスパイラルが


ならば この宇宙 守れよ


と言うのも渋い。
それは自分たちが出来なかったこと。
自分たちが諦めたこと。
自分たちで天井を作ってしまったこと。

だから、天を創ると言ったシモンに賭けた。

そんなラスト。

いやー、しびれた。

つか、中島かずきさんの口上に何度となくしびれた。
この人、凄いわ。


* * *



。・゜・(ノД`)・゜・。
。・゜・(ノД`)・゜・。
。・゜・(ノД`)・゜・。


ニア お前のことは忘れない

この宇宙が滅んでも



バカね 滅びないわ

そのためにみんな頑張ったんじゃない



ああ そうだったな


愛してるわ シモン


ああ 俺もだ

愛してる



。・゜・(ノД`)・゜・。
。・゜・(ノД`)・゜・。
。・゜・(ノД`)・゜・。


なんという頑張り屋さん。・゜・(ノД`)・゜・。

なんという

なんという……。・゜・(ノД`)・゜・。

。・゜・(ノД`)・゜・。
。・゜・(ノД`)・゜・。

切ねーーーー。・゜・(ノД`)・゜・。


* * *


更に泣かせる20年後。

この物語は足掛け27年。

男の成長の物語は27年の歳月を要した。


天の光は全て星だ


。・゜・(ノД`)・゜・。


これはワンショットを切り取った少年の成長の物語じゃなく、男の成長の物語としてそのカッコよさを描いた、そういう作品でした。

最後は、男の引き際ってのはこんな感じだぜ。
でも、悪くないだろう?
みたいな。


このグレンラガンという物語の面白さについては、これまでの感想でずっと積み重ねて書いてきたので、最後にまとめて、なんてことは出来もしないんだけれども、本当に熱くて、そして面白かったです。
最後の最後まで前向きで、そして上を向いて歩く、そういう物語でした。

今みたいなこういう時代だからこそ、こういうバカがつくほど熱く、そしてまっすぐに、ベタだけれども、それを真剣にやっちゃう、何よりどんなにかっこ悪くても、粘って粘って諦めずにちょっとでも前に進む、そういう姿勢が実は一番カッコいいぜ!!みたいなところは、僕個人としても非常に共感するところだし、それを全編を通じて伝えてくれた制作スタッフの皆さんには本当に感謝です。

ニアとのラストは、ニア大好きの僕にとっては非常に切ないことこの上無かったんですが、これもグレンラガンを作った人たちが、無数の可能性の未来の中から選んだ現在であり、現実だったわけで、これまで僕らを魅了してくれたこの作品であり、それがテーマの一つだったのだから、何も言えるはずもありません。
#でもやっぱ切ねー。・゜・(ノД`)・゜・。今、DVD4巻のニアちゃん見たら確実に泣けるね。・゜・(ノД`)・゜・。


だからこそ、ラストの満点の星空が静かに沁みるのかもしれませんね。


素晴らしい作品でした。

本当にありがとう。
#再放送決定です。おめでとうございます。
#グレンラガンを見逃した皆様、是非見てください。
#この熱さ、絶対クセになりますよ。


元突破グレンラガン3

カミナの勇姿をその目に焼き付ける。・゜・(ノД`)・゜・。
第1部最大のクライマックス!!
アニキーー!!

元突破グレンラガン4

ジャケットはニア!!
第2部はニアによって光が差したといっても過言ではないです。
つか、第11話は必見。超・鳥肌ものの感動が!!
いや、ほんと第11話は良かったなー(涙)。
だからこそ、この最終回がまた泣ける。ニアちゃん。・゜・(ノД`)・゜・。

天元突破グレンラガン BEST SOUND(DVD付)

これが出るのをずっと待っていた!!
グレンラガンは音楽もかなり良いのでほんとに待ってました、という感じ。
今回も出だしから最後まで音楽最高!!グレンラガンは音楽も世界観の一つだよね。
それだけじゃなく、OP/ED、挿入歌だけじゃなく、キャラソンまで収録の大ボリューム。
これを聞いてグレンラガンの世界にもう少しだけ浸ります。


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
空色デイズ (xavi)
2007-10-02 21:47:03
ダウンロードして聞きまくってる矢先に最終回。
気になってダビングしてみてみたら・・・

熱い・・・二回しか見たことないのでこの熱さに
ついてけるか?と思ったけれどまず音楽がよい!
話しが面白かった→再放送。
って事で見てみようかなと思います。
しかし熱いですねこれ(笑)絵が。内容が。
でも最終話での空色~の使い方に鳥肌たってしまいましたw
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大満足でも・・・。・゜・(ノД`)・゜・。 (ありゅう)
2007-10-03 12:40:37
近年希に見る・・・
最高に感動と熱さとくれた作品でした。


最終回は切なさが際立ってしまいましたが、


だが、最高の作品でした!


サイト管理人さんと同じようにDVD買ってますw
何度見てもおもしろいっす!


4巻の11話が私もとてもとても好きです、
録画した番組もDVDに保存してるぐらい好きです。


本日(10/3)
天元突破グレンラガン BEST SOUND届きました~♪
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有難うございます! (the path)
2007-10-03 13:58:04
初めまして、エウレカ大好きオヤジです。このブログでグレンラガンを知り見始めました。有難うございました! エウレカ以来です、こんな気持ちは。見れなかった前半はyou tubeで何とかクリアー。でも構成の中島さん自らが殆んどの脚本を手がけている3部以降の展開が特に好きです。
・・・ニアの最後って、エウレカセブンの小説版と漫画版、そして幻の「ニューオーダー」を思い出させますね。
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Unknown (つららっこ)
2007-10-03 21:13:30
はじめまして!!
実はエウレカや種運命の時から見させていただいていたのですが、コメントするのは初めてです。
いつも「こういう考えもあるんだなぁ」と思いながら読ませていただいています。
グレンラガンもただ「熱いぜ!最高だぜ!」という気持ちでしか見ていなかったので、ここをを見ていると自分が恥ずかしいです。

自分は一話の冒頭のシーンで「天の光は全て敵か・・・」とブータ擬人化?が言っていたのが、この最終回の対比になっているのかな~と、DVDを見ていて思いました。あれも未来の可能性の一つだったのかな~と。

長文スイマセン汗
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Unknown (ボブJr)
2007-10-04 00:35:32
天の光は全て星


書きながら上でつららっこさんが言っていたのに気付いたっつーかまあ俺もまあいいかと繰り返し。第一話のカテドラル・テラ内の副官の台詞は「天の光は全て敵」だというのが面白いです。
これも完全に平行世界の可能性の一つなんでしょうね
副官は明らかにブータの成長型っぽいですし、格好はいいが戦って戦って滅びへの道を突き進む一つの可能性っぽく。


個人的にダヤッカの必殺技台詞とアンチスパイラルの最後の台詞は今回のMVPでした。
声優でなくても上手い人が声を当てるのは全然いいというか、素晴らしいですね。
声の上川さんも公式インタビューで「仕事の話が来る前からファンとして毎週楽しみにしていた」と言ってくれてるのは好印象と言うことで。

そういえば最終4話はDVD一枚にはいるそうですが、一気に見たら燃え尽きて死ぬかもしれませんね……。
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浸りっぱなし (燕。(管理人))
2007-10-06 00:45:18
■xaviさんへ
再放送、これ絶対みてくださいませ!!
特にね、第1話~第3話のつくりは秀逸だから(中島さんの脚本の回は絶対チェックした方が良いですよ)。
音楽はサントラ聴くと分かるんだけど、めっちゃ良いですよ。
『空色デイズ』はね、本当にこの作品のための曲だから、ストーリーが進むにつれて泣いちゃうくらい良い曲になっていきますよ。
是非、再放送!!

■ありゅうさんへ
初めまして&コメントありがとうございます。
ほんとにすっばらしい作品でしたね~。
こんなに毎週、毎週楽しみにしていた作品ってのはここしばらく無かったですよ。
今石監督がインタビューで仰ってましたが、グレンラガンではカタルシス=解放感を大事にしていきたい、という言葉通り、僕らはそれに魅了されまくったなって感じですね。
特にそれは11話にも込められていて、すっごい感動しましたもん。
あれは本当に素晴らしかった。
BESTSOUNDの出来も良くって、僕は最終回後もずっと浸りっぱなしです(笑)。
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天の光は (燕。(管理人))
2007-10-06 00:53:57
■the pathさんへ
初めまして&コメントありがとうございます。
いやー、これは嬉しいコメントありがとうございます。
エウレカセブン好きな方からグレンラガン面白かった!と言っていただけると、何故か妙に嬉しいですねー。
僕もこんなに面白かったのはエウレカセブン以来ですよ、ほんとに。
素晴らしかったですね。
そして僕も全く同じ感想なのが、中島さんが全話執筆している第3部以降の展開、これは本当に素晴らしいと思いましたね。
第3部は本当に大好きです。つか、全部中島さん書いてください!!くらいのファンになりました。
ニアのラスト、仰るとおりかもしれませんね。
特に小説版のイメージなんか近いかも。
切なさMAX、分かっていても切ないですよねー。
いやー、ほんと良い作品でした。

■つららっこさんへ
初めまして&コメントありがとうございます。
いやー、こちらも嬉しいですね。そんなに前から見て頂いているとは。
うちのブログはコメントで成り立っているブログですので(笑)、大歓迎です。
熱いぜ!!最高だぜ!!の気持ちが一番大事だと思うので、それが良い&それがグレンラガンの最大の魅力だと思いますよ。
何より「天の光は全て敵」と「天の光は全て星」の対比、これは仰るとおり!!
素晴らしいご指摘!!
これだけでもグレンラガンっていかにぶっ飛んだ展開をしようとも、実はその裏で緻密で丁寧な展開をさせていたかが分かるってもんですね。
いやー、素晴らしい。
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条件付じゃない面白さ (燕。(管理人))
2007-10-10 00:05:07
■ボブJrさんへ
そうなんですよね、「天の光はすべて敵」で始まりと「天の光はすべて星」で終わる美しさ。
これってグレンラガンの面白さの一つを象徴してるんじゃないかと思っていて、今石監督はこの作品で一番重要視したのは「解放感」であり、条件付じゃない面白さだ、と仰っていて、それをやるためにはいかに破天荒に思えても、実はそれってすっごい緻密に計算された、丁寧に積み上げられたものの集積だからこそ、僕らは「なんじゃこの面白さは!!」と素直に、それこそ「~だから面白い」とか「~が出てるから面白い」というような条件付きじゃない、純粋な面白さを感じられたんだろうな、と思います。
上川さんのインタビューは僕も読んだのですが、あれは好印象でしたね(笑)。
そりゃ僕もイチファンとして、ずっと毎週楽しみにしてきたのに、脚本とか設定資料とか渡されて先が分かっちゃうと、ある種そんな感じになるよな~、みたいな。
最終の4話はDVD1枚ですか。ぐはぁ。
燃え尽きてしまいそうだ(笑)。
最終巻は永久保存版になりそうです。
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