蒼穹のぺうげおっと

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機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディション完結編『鳴動の宇宙(そら)』 感想

2004-10-24 22:30:00 | ガンダムSEED DESTINY
機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディション完結編『鳴動の宇宙(そら)』の出来が僕個人としてはかなりイイと思っているんですが、ぼちぼち他の感想サイトさんでも公開しているようなので、うちでも改めて感想です。
#今回は完全にネタバレ含んじゃうので、ネタバレNGな人は以下ご注意を。

今回は新カットも確かにあるし、一部アフレコし直したかなと思うところもあるのですが、今回の注目、そしてそれがあるからこそ満足度が高かったのは「新シーン」として追加された以下の3点だと思います。

■アズラエルの過去
「何で僕をコーディネーターにしてくれなかったの!?」
これは強烈な言葉ですね。
ブルーコスモス盟主のバックグラウンドはここにあったわけです。
彼はもともと富豪の生まれのようだし、矜持も人並み以上に高かったはず。
それを幼少期にコーディネーターとの能力の違いを見せ付けられ、かつ「本気でケンカしたら僕にかなうわけないだろ」とサイ・キラと同じ言葉を投げかけられてしまう。
これが彼の憎悪の原点だったわけです。

この辺、『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 小説版第2巻』のエリカ・シモンズのテーマと照らし合わせるとまた面白いです。
彼女は連合国の生まれで、オーブに来てからもコーディネーターであることを隠していたのですが、何故彼女はそのことを隠していたのか?
この辺の背景はナチュラルがいかにコーディネーターを妬んでいるか、そして差別しているかにかかっていて、この戦争の根が如何に深いか、というのをこのアズラエルの過去と同様示しています。

DESTINYでも語られたように、戦争がしたいのではなく、殲滅したいわけです。
これを乗り越えていかなければならないDESTINY、1年を通じてどのような展開を見せるのか今から楽しみです。

■ラウ・ル・クルーゼの素顔
これはある意味、か・な・り衝撃的でした。
レイ・ザ・バレルそっくりじゃないですか(えーーーーーってな感じで)。
見えたのは右目だけでしたが、成人したレイ・ザ・バレルそのものでした。
これはつまり・・・。

そして隠された左目、恐らくこちらが老化を食い止められなかった老人のような顔になっていると思われます。
小説第5巻読んでいない人には何でキラとムウが驚いていたのか理解できないかもしれませんが、老人の皮膚という表現がされていました(でも小説の設定とか無視されたりしますけどね)。
左目を隠していたのはそういう描写だったと思うんですが、それよりも演出としてはレイ・ザ・バレルに似ていることをアピールする必要があったため、インパクトのある皺は見せなかったと理解。

あまりの衝撃に何度も一時停止してしまいましたよ。
そんなのアリ?

■ラクスの告白シーン
今回僕がこの『鳴動の宇宙(そら)』を購入して最も満足している点はこのラクスがキラに告白をするシーンが追加されているからに他ありません。

「昔、母に言われました。世界はあなたのもので、そしてまた、あなたは世界のものなのだと。生まれ出てこの世界にあるからには・・・と。あなたを見つけて、私は幸せになりました。」
「あなたにいて欲しい・・・、私は・・・。」

このときのキラには、戦争の道具としてではなく、ただシンプルに「その存在が必要とされること」が必要で、この言葉が何よりも必要だったと思うのです。
そして、このラクスの台詞があるからこそ、最終出撃直前のシーン(正確にはフレイでもう一回ですが)でラクスがキラに指輪を渡すシーンが自然と盛り上がる。

このシーンを追加してくれてほんとうに嬉しい。感涙です。
#僕はCHAPTER 5、何度も観てしまいますよ。

新シーンは以上ですが、何度見ても泣けるシーンは
■フレイ・・・(泣)
前述のラクスとともに、キラの存在を理解した人がもう一人、それはフレイ・・・。
ドミニオンの脱出艇から重なるキラとフレイの視線。
#しかし、サントラ持っている人は分かると思いますが、この視線が重なる時点で既にBGMは「フレイの死」がかかっているのがまた切ない・・・。
そして・・・(涙)。

この後のフレイの魂の独白がまた切ない・・・。
そしてそれはキラには届かない、それが更に切なくて・・・。
このシーン何度見ても泣いてしまう・・・。

■この完結編によって
僕の中のガンダムSEEDは完全に消化(昇華)されたわけですが、機会があれば過去のSEED感想も時折DESTINY感想に合わせて公開していこうと思います。
ああ、満足。