先代薔薇さま方が去り、新キャラを迎えた最初の巻ですが、作者あとがきにもあるように賛否両論あったのではないでしょうか。
私も読んでいる途中なんかは「かなり雰囲気変えてきたなー」なんて多少困惑気味なところもありましたが、今では立派な?賛成派になった次第。
■先代薔薇さまの
影響はかなり大きかったと思いますし、それを引きずらないためには一度壊したほうが良いなと。
で、二条乃梨子・松平瞳子の登場となるわけですが、とりわけ二条乃梨子は得がたいキャラだと感じましたね。
■まずは銀杏の中の桜から
二条乃梨子が得がたいキャラだと感じたのは、「解放」「突っ込み」「繋ぎとめ」というキーワードが今回ピタリとはまったから。
それはもちろん志摩子さんに対するキーワードでもあり、乃梨子本人に対するキーワードでもあるわけですが、
周りとのバランスを取る選択が多い志摩子さん、乃梨子という解放のキー(鍵)を得て、乃梨子という護るべきもののために自らの殻を破る行動を取れるようになるというプロセスはほんと、「志摩子さん・・・(涙)」って感じなわけです。
志摩子さんが自分を主張するためのキーを手に入れたわけで、これからの発展プロセスがまた非常に楽しみなのです。
#自己主張をする志摩子さんは恐らく蟹名静さまの「わたくしのお姉さまは佐藤聖さま唯一人です」以来だと思うのです。
#そういう意味で静さまも得がたいキャラでした(かなり個人的に)。
■鍵という意味では
乃梨子に対する志摩子さんもまた鍵であり、これまで負い目を以って自分に鍵をかけていた扉を志摩子さんを通じて開放していくプロセスが志摩子さん自身のプロセスと並行して描かれるあたり、ほんとうにこの作者の構成力に感服いたします。
■志摩子さん・乃梨子が互いに
「解放への鍵」であり、つかみ所が難しい二人に対してお互いが「突っ込み」になり、学園に対して愛着を「繋ぎとめる」役割を相互補完しあう。なんて白薔薇姉妹は素敵なんだろう・・・(涙)。
■だからもう一人で悩まないで
この台詞は「ロザリオか数珠か」のワンシーンで乃梨子が志摩子さんに言いかけて言えなかった言葉ですが、これがやっぱり銀杏の中の桜の核だったのではないかと思うのです。
この言葉に対する答え・賛辞が、ラストにおける互いの
「アリア像を観に教会巡りするものいいな」
「今度一緒に仏像でも観に行きましょうか」
になるわけで、このシンクロ部分は感じ入るところがありました。
相手を思い遣って自分の殻だけに閉じこもらない考え方を始める二人に拍手を送りたいところです。
■BGNは2つの視点
・志摩子さん、乃梨子を見守る山百合会のメンバーとしての祐巳の視点
・姉妹の関係を考える祐巳の視点
まず親友である志摩子さんが何故気にかけるのか?を確かめに行く祐巳。
「この子のどこが特別なのか」
この直後に祐巳は納得するわけですが、遠くから志摩子さんを見つけられるほど強く想っていて、それを志摩子さんも受け入れているのなら自分達には見守るしかない、と。
それは自分達(姉妹)にも重なるところがあるから・・・。
後は彼女たちを受け入れてあげれば良い。
そんな祐巳たちの距離感が羨ましい・・・。
こういう温かい視点がマリみてを読んで行くうえで自分の心を掴んでいるのだなぁ、と妙に納得した次第。
■そして松平瞳子
これまで祐巳の関心事は、祥子さまとの距離感や想い(だけ)だったわけですが、松平瞳子という強烈なキャラを加えて半ば強制的に世界を広げて行かざるを得ない状況に追い込まれるというのはすごいなぁ。
でもこれも相互依存ではなく、相互理解のためのステップなわけで避けては通れない。
この辺からレイニーブルーの伏線が貼られていくわけですね。
最新刊として読まれた方は、心の片隅にちりちりと残る火種のような気分が残って、レイニーブルーで爆発したのではないでしょうか。
まさに火種。
次は自分の中でかなり好きなシリーズになるレイニーブルーとパラソルです。
そういう意味でこのチェリーブロッサムの意義って結構深いな、と今頃思ったりするわけです。
私も読んでいる途中なんかは「かなり雰囲気変えてきたなー」なんて多少困惑気味なところもありましたが、今では立派な?賛成派になった次第。
■先代薔薇さまの
影響はかなり大きかったと思いますし、それを引きずらないためには一度壊したほうが良いなと。
で、二条乃梨子・松平瞳子の登場となるわけですが、とりわけ二条乃梨子は得がたいキャラだと感じましたね。
■まずは銀杏の中の桜から
二条乃梨子が得がたいキャラだと感じたのは、「解放」「突っ込み」「繋ぎとめ」というキーワードが今回ピタリとはまったから。
それはもちろん志摩子さんに対するキーワードでもあり、乃梨子本人に対するキーワードでもあるわけですが、
周りとのバランスを取る選択が多い志摩子さん、乃梨子という解放のキー(鍵)を得て、乃梨子という護るべきもののために自らの殻を破る行動を取れるようになるというプロセスはほんと、「志摩子さん・・・(涙)」って感じなわけです。
志摩子さんが自分を主張するためのキーを手に入れたわけで、これからの発展プロセスがまた非常に楽しみなのです。
#自己主張をする志摩子さんは恐らく蟹名静さまの「わたくしのお姉さまは佐藤聖さま唯一人です」以来だと思うのです。
#そういう意味で静さまも得がたいキャラでした(かなり個人的に)。
■鍵という意味では
乃梨子に対する志摩子さんもまた鍵であり、これまで負い目を以って自分に鍵をかけていた扉を志摩子さんを通じて開放していくプロセスが志摩子さん自身のプロセスと並行して描かれるあたり、ほんとうにこの作者の構成力に感服いたします。
■志摩子さん・乃梨子が互いに
「解放への鍵」であり、つかみ所が難しい二人に対してお互いが「突っ込み」になり、学園に対して愛着を「繋ぎとめる」役割を相互補完しあう。なんて白薔薇姉妹は素敵なんだろう・・・(涙)。
■だからもう一人で悩まないで
この台詞は「ロザリオか数珠か」のワンシーンで乃梨子が志摩子さんに言いかけて言えなかった言葉ですが、これがやっぱり銀杏の中の桜の核だったのではないかと思うのです。
この言葉に対する答え・賛辞が、ラストにおける互いの
「アリア像を観に教会巡りするものいいな」
「今度一緒に仏像でも観に行きましょうか」
になるわけで、このシンクロ部分は感じ入るところがありました。
相手を思い遣って自分の殻だけに閉じこもらない考え方を始める二人に拍手を送りたいところです。
■BGNは2つの視点
・志摩子さん、乃梨子を見守る山百合会のメンバーとしての祐巳の視点
・姉妹の関係を考える祐巳の視点
まず親友である志摩子さんが何故気にかけるのか?を確かめに行く祐巳。
「この子のどこが特別なのか」
この直後に祐巳は納得するわけですが、遠くから志摩子さんを見つけられるほど強く想っていて、それを志摩子さんも受け入れているのなら自分達には見守るしかない、と。
それは自分達(姉妹)にも重なるところがあるから・・・。
後は彼女たちを受け入れてあげれば良い。
そんな祐巳たちの距離感が羨ましい・・・。
こういう温かい視点がマリみてを読んで行くうえで自分の心を掴んでいるのだなぁ、と妙に納得した次第。
■そして松平瞳子
これまで祐巳の関心事は、祥子さまとの距離感や想い(だけ)だったわけですが、松平瞳子という強烈なキャラを加えて半ば強制的に世界を広げて行かざるを得ない状況に追い込まれるというのはすごいなぁ。
でもこれも相互依存ではなく、相互理解のためのステップなわけで避けては通れない。
この辺からレイニーブルーの伏線が貼られていくわけですね。
最新刊として読まれた方は、心の片隅にちりちりと残る火種のような気分が残って、レイニーブルーで爆発したのではないでしょうか。
まさに火種。
次は自分の中でかなり好きなシリーズになるレイニーブルーとパラソルです。
そういう意味でこのチェリーブロッサムの意義って結構深いな、と今頃思ったりするわけです。