5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

「萬パク」効果

2010-04-22 23:06:56 |  ニュース
2010等你来 世界抱擁在上海
在海的故事中 訴説著不平凡
無論你説什麼語言 
相處時刻處處琉光溢彩

成龍(ジャッキーチェン)や李冰冰が歌う明るいアップテンポの歌。一度聞いたら口ずさめるほど覚えやすい。

この上海万博のPRソングが、日本人の女性シンガーソングライター・岡本真夜の作品、「そのままの君でいて」のコピーではないかというインターネット上の噂が日本のマスコミ上でも取り上げられたのは先週末あたりからだ。

万博オープン直前での余計な面倒は避けたいとばかり、事務局側は(異例のスピードで)盗作の事実を認めこの楽曲の使用を改めて申請、岡本真夜側も「楽曲が公式曲として使われて光栄」と巧みな回答で事情を受け止めたた為、両者手打ちの円満解決だという。

しかし、今日のフジ・東海TVの朝のワイドショー「とくダネ!」では、盗作と疑わしきものはほかにもあるぞということで、いろいろのケースを説明してくれた。

まず、現地では一身に非難を浴びているという中国人作曲家・繆森(ボク・シンと読むらしい)には、こうした楽曲コピーの悪癖?がありそうだといことで、「竹林風」という曲も、韓国人歌手BOBOの歌う「チョンホン」の盗作ではないのかという。

一昔前のレコード時代ならともかく、インターネット上で世界の新曲が自在に聴けるようになった現在、いくら外国の曲だからといって、まるごとコピーをやってのけるというのは、いかにも不用意ではないか。「そのままの君でいて」は1997年の発表だから、忘れられた楽曲ならコピーしても平気だとでも判断したのだろうか。近頃はコピー&ペーストで他者の著作や論文を大胆コピーして自分が書いたとうそぶく学生も多いというから、この若手作曲家の盗作心理も同根なのかもしれない。

「とくダネ!」は次に、上海万博のマスコットの海宝(ハイバオ)は、アメリカのアニメキャラクターのガンビー(Gumby)ではないかと疑う。

漢字の「人」をモチーフにして作られたブルーのキャラクターだが、これは世界中からの募集作品から選ばれた台湾のデザイナーの作品だという。一方、ガンビーは1950年代にアメリカで創られたキャラクター。クレイアニメのパイオニアとも云われるのだとか。ベースイメージをデザインに使ったといえないことはないが、サイズも色も目鼻立ちも違う。基本の「人」型が似るのはいわば当然だとも云えそうだ。

「とくダネ!」はさらに、中国パビリオンのデザインが、1992年のセビリア万博の「日本館」に似ているという。

セビリア万博の日本館は、建築家の安藤忠雄によるもの。「斗組」という逆ピラミッド型の特異な形状からすれば、明らかにこの模倣ではという批評が出ているということだ。たしかに似ている。中国館のデザインは、北京五輪のバドミントン会場や南京の虐殺記念館などを手がけた中国建築家だという。PRソング事件がおこしたトバッチリはあらぬ方向へ飛んでゆく。次は何が出てくるか。

最近のTV出演からは遠のいていた岡本真夜だが、この事件以後、音源ダウンロードのランキングで急上昇中だという。ブログにしろ、ツイッターにしろ、彼女の情報でいっぱいである。

Youtubeには、「そのままの君でいて」も「2010等你来」も、さらにはご丁寧に、左右チャンネルに別々の音源を入れて、二つがどれほど似ているのかを聴かせてくれる「新作」まで出現している。新CDの販売直前だったという彼女、濡れ手で粟で上海万博特需を手に入れたわけだ。これこそ万博ならぬ、ヨロズパクリの「萬パク」効果である。





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