5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

青梅雨

2019-05-30 21:19:00 | Twitter

令和最初の〈皐月〉もあと一日。列島の南方洋上には前線が見える。まだ海の上だが、これが南から押し上げられて列島に近づくと、令和最初の〈梅雨〉ということになる。

気象庁の頁で見ると、沖縄奄美に続いて九州南部が梅雨入りするのが5月末の予報。我が東海地方はそれより一週間遅れの6月8日頃らしい。去年は5日だったから、大気の動きによってはもう少し早まるかもしれない。

「青梅雨」とあるから、東京の青梅市あたりに降る雨のことかと思ったら、「あおつゆ」と読ませた梅雨の別名だ。旧暦五月に降る「五月雨」黴が増えるから「黴雨」栗の花が落ちる頃だから「墜栗花雨」と書いて「ついりあめ」など、別名はいろいろあるとは、坪内稔典先生の「季語集」の一頁。

緑の葉々に雨をためている梅雨時の森は、うっそうとした感じがまさに海だとして、先生は松永典子のこの句を挙げている。

「素潜りに似て青梅雨の森を行く」

森の小径を行けば、おのずと心身が濡れてきて、あたかも素潜りをしているようだという句である。

四半世紀前の1995年、俳人がまとまって吟行をした植物園、ほかの連中が、時計草や睡蓮、ねむの花に見とれているにに、松永だけは梢から雨のしずくを垂らす林に佇んでいたという。

「青梅雨の欅まっさき濡れる役」

明日のわが町の天気予報を見ると「曇時々雨で最高気温は25度、降水確率50%、湿度64%。風速4m」とある。「青梅雨」はゆっくりとやってきている。アメリカの5月は、竜巻が異常発生しているという。日本も空梅雨で豪雨などということにならぬように願いたい。






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