5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

稚鮎放流

2020-03-27 21:44:21 | 環境

「若鮎の二手になりて上りけり」

正岡子規の春の句である。若鮎とは海で育った鮎の子が春になって川を遡上することを云う。上り鮎という言い方もするが、清冽な印象を受けることばではないか。

明治の子規の時代には、若鮎はすべて天然ものだったのだろうが、今ではほとんどが養殖ものばかり、コロナウイルスのマスクや消毒アルコールではないが、なんでも際限なく採りつくすのは日本人の悪しき習慣というべきであろう。

今日のNHK三重のニュースに「解禁を前に稚鮎を放流」というものがある。

鮎釣りの解禁は5月16日と決まっているが、それを前にして、大紀町の大内山川では地元漁協の組合員たち20名による稚鮎放流が始まったという。初日の今日は、トラックの水槽で運んできた宮城県産の養殖稚鮎4万匹(400kg)をバケツリレーで川岸に運び、川水に流していった。これから5月11日までの間に都合36万匹を放流する予定だという。

「最近は異常気象もあり、放流後の鮎の成長が気がかりではありますが、解禁の日には大きくておいしい鮎が釣れるようにと願っています」という組合長も内心はやや不安ありといった感じかもしれない。長期予報では今年も暑い夏になりそうだ。温暖化で水温が上がれば、鮎にとっても住みやすい川環境ということにはなるまい。

さて、そんな今年は大きくておいしい鮎がいただけるのやらと、ニュースを読みながら皮算用ならぬ鮎算用をしているところである。おわりに子規の句をもうひとつ。

「見ればただ水の色なる小鮎哉」


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