5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

温泉接待の効果は

2016-12-16 22:09:44 |  経済・政治・国際
今朝の最低気温は1度とちょっと。名古屋や岐阜では初雪が観測された。

ほんのちらつきという様子だったようだが、名古屋では平年より4日、去年より33日も早かったという。昼過ぎに街にでたが、ビル風が結構あって体感はかなり冷たい。コンビニコーヒーで小休止をして体を温めてから歩いた。

この寒さは西日本に大陸から真冬並みの強い寒気が下がってきたためだそうだ。昨夜のTVが伝えた山口長門の湯本温泉でも車列が白くけぶっていた。

車列というのはロシアのプーチン大統領一行のもの。温泉旅館で待つ安倍首相との首脳会談を目指すのだ。

日露平和交渉と北方領土の返還、その見返りとしての経済協力というなんとも耳聞こえのよい内容だ。

プーチンが長門に来るというニュースが最初に発表されたときも、いかにも自己宣伝好きの安倍首相のやり方だなと思ったのだ。

遅刻常習犯のプーチンは今回も遅れたが、これで「巌流島」を持ち出すTV評論家が出てきたのには笑った。それでも会談は数時間に亘ったというから余程話材が多かったのだろう。

長門の夜は冷えたのだろうが、会議を終えた二人はゆっくりと風呂に浸かれたのだろうか。「温泉で疲れが取れるのは保証する」と首相は云って「疲れないのが一番だ」と逆に切り返された。

これもTVのコメンテータは「疲れるほどの会議内容」と勝手に尾ひれを付けて説明した。

今日は東京での再会合。二日間の警備担当に駆り出される警察関係者は延べで1万人近かったらしい。

普通の首脳会談なら目的地1箇所で終わりのはずだが、山口と東京の二か所にしたのは何故なのだろう。長門は首相の希望、東京はプーチンの希望だったのだろうか。これはTVの解説にはなかった。

今夜の首相発表を聞いて「がっかりしたという人が多かった」というマスコミの記事が一番端的に今回の成果を言い表している。

北方領土は帰ってこず、経済的支援をたっぷり約束させられた。カジノ法でも同じだが、これで利益を受けるのは一部の御用企業だけだろう。

アメリカでは大統領選挙にハッキングをかけた張本人はプーチンその人だとCIAが疑っている。シリアのアレッポではロシアの攻撃で市民たちの犠牲が多く出ている。世界のニュースはこの二点に注目して、彼の日本訪問について詳しくフォローをしたメディアはなかった。

忙しい筈のラブロフ外相が随伴してきているのも、何かあるのかと考えさせる。

中国の新華社は「プーチンが日露の領土問題は短期間で解決するものではないと云った」という見出しの英文記事をツイートした。ロシアがそう云うのなら、中国は尖閣諸島でもおなじことを云うつもりだとほのめかしたのは間違いはない。

自分のレガシーを作りたい安倍首相の思惑と「会談の流れ」とは必ずしも一致を見なかったようだ。せっかく仕掛けた「温泉効果」が、この先「水に流す」なんてことにならぬようにと願うばかりだ。




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