5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

宇宙キムチ

2008-03-01 21:34:20 | たべもの
スペースシャトル「エンデバー」は3月11日の打上げ決定とNASAが発表した。いよいよ日本の国際宇宙ステーションの組み立て開始である。土井さんガンバレであるが、お隣の韓国でも、同じタイミングで、初めての飛行士がロシアのソユーズで宇宙に飛び上がるようだ。打ち上げは4月8日らしい。

これに関してNYタイムズに面白い記事が出ている。「キムチを宇宙船に載せて飛ぶ」というのだ。

NYTによれば、旧くは、アメリカに呼応してヴェトナムに派兵した韓国軍兵へのキムチの提供を、「キムチ親書」でジョンソン米大統領に依頼した全斗煥韓国大統領のいるお国柄であるから、政府研究機関主導で、数年をかけ、数百万ドルを費やし開発した、宇宙線に曝されても大丈夫で、同僚飛行士の迷惑にならない特別仕様のキムチを載せこもうというのも充分ありうる話である。

世界が驚いた急速な経済成長はキムチパワーのおかげだとはよく聞く喩。実に力の沸きそうで、美味しいキムチは今や日本の食卓にも欠かせない。東アジアの経済大国を自認するようになった韓国だが、宇宙飛行士についてはヴェトナムやモンゴルやアフガニスタンの後塵を拝するかたち。ようやく2004年に韓国人科学者を宇宙へ送る決定がなされたようで、成功すれば遅まき35番目の国となる。

近頃の宇宙食は、無重力でも普通のメニューに近いものが出せるまで進化しているようで、たとえば、昨年飛んだゲスト飛行士、マイクロソフトのシャルル・シモーニなぞは、アラン・デュカスのフランス料理コースを持参することも出来たらしい。

今回も、即席めん、練り唐辛子、味噌汁、ごはんなどは、さほどの問題なく搭載が決まったようだが、味・色・食感をそのままにしたバクテリアのない無菌のキムチをつくることはかなり困難だったようである。それでも、放射線照射で殺菌し、嫌われるキツイ臭いも半分に抑え、発酵速度を遅くさせる技術で賞味期間を延ばすことも可能にした。

バンザイ、宇宙船キムチの誕生である。飛行中の4月12日は1961年にガガーリンが初飛行して47回目の記念日であり、ちゃんと「キムチパーティ」も計画されているのだそうだ。

なにごとも「なせばなる」スタイルの彼の国らしいではないか。さらにちゃっかりと、この新しい処理技術でキムチのグローバル化も目指すということらしい。さしずめトップセールスは李明博大統領、売り先はアメリカか、はたまたロシアだろうか。

Starship Kimchi (NYT:2008/2/24)

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