5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

哈爾浜の氷まつり

2010-01-12 22:23:45 |  旅行・地域
「アジアにも記録的な降雪」というロイターの配信記事がタイムのWEB版に載っている。1951年来の大雪を記録した中国・北京、半島全部が凍りついた韓国、12月から降り続く山形県庄内、多くの凍死者を出したインド北東部など、年明け早々の寒波はそれこそ北アジアの広域を白く塗り替えた。

他のほとんどの地域が降雪に冷たく閉ざされる中で、ほぼ唯一熱く盛り上がる氷の街、黒竜江省・哈爾浜の「アイス・フェスティバル」を取材したコラムが、この記事の隣に載っている。今日のUSAトゥディにもこの「氷まつり」の記事があるのは、中国側の巧みなPRのせいだからだろうか。

今年61回目の札幌「雪まつり」は2月5日からだが、哈爾浜「氷まつり」は大雪だった1月5日にオープンし、ほぼ1ヶ月続く。タイムの記事によると、1963年に始まったこの氷と雪のフェスティバルは、途中文化大革命で中断され、1985年に再開して以来、今年で26回目の開催ということになるという。

世界の氷彫刻のプロが集まって、ローマのコロッセオ、万里の長城、NYの摩天楼など世界の有名建築物を氷で作り上げるのは札幌と同じだが、多色のLEDを氷ブロックの中に埋め込んだ「氷のランタン」を巧に使うのが、ここの彫像の特徴のようだ。

タイムの記事につけられた写真を見ても、平板な日本のクリスマスイルミネーションを、さらに大きく立体的に作り上げた様子は見事である。外部からの反射光に照らされる札幌の雪像よりも、彫刻が自ら輝く哈爾浜の方が、派手で目を引く分、効果的かもしれない。

松花江から切り出された氷ブロックには、非イオン化水を使って氷の表面にガラスエフェクトを出すテクニックも使うのだという。今年は16万立方米の氷が使われたそうだ。

氷彫展示に飽きれば、彫像の中を抜けてゆく橇すべりのオマケもありとタイムは書いているが、中国観光地の常で、順番待ちに一苦労だろうことは間違いない。それに「中国式我先ノーマナー」が健在だろうから下手な遠慮をしていたのでは、橇の順番はいつまでたっても廻ってこないだろう。

その他にも、展覧会、コンサート、冬のスポーツ競技など、哈爾浜市の観光イベントもこの時期に合わせて開催されるというし、近隣にはリゾートやスキー場もあるのだそうだ。

こうしてWEB上でのPRがあるほどだから、遠い北京から、さらに一苦労しないと到着できない、中国・東北部の地方都市にも、結構にたくさんの「物好き?外国人」が出かけるのだろう。観光客誘致にはいまや「英語によるWEB・PR」が不可欠となっているようだ。





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