5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

名鉄の築港線

2015-11-13 22:33:17 |  旅行・地域
中日夕刊に「テツ道のすすめ」という連載の記事がある。これまで注意して読むということはしなかった(理由はない)のだが、今日は初めてその文を読んだ。

連載29回目の今日の題は「都会の小さな終着駅」とあって名鉄の東名古屋港駅が取材の対象だ。

寄稿は野田隆。鉄道のことを書くのだから鉄道作家というのだろうが、この人のことはまったく知らない。WIKIを覗くと、名古屋出身の旅行作家で鉄道紀行を手掛け、欧州と日本が主たる対象。最近は鉄道マニアの生態をエッセイにまとめて好評だとあった。1952年生まれだから、ポスト団塊世代というのだろう。

さて、彼の記事によれば、名鉄築港線にある唯一の駅が東名古屋港駅。名古屋南部の工業地帯を走る短い路線は、そこに勤める人たち専用の通勤路線だ。だから朝夕の通勤時間にしか電車は走らない。昼間は貨物列車の専用線化する都会の過疎ダイヤである。

発駅は常滑線大江駅で、ここには「東名古屋港駅の出場用」という構内改札口がある。途中駅はないのだから、乘った客は必ず東名古屋港で降りるわけで、大江で運賃清算を済ませれば東名古屋には改札は不要だ。改札機も駅員も大江に置けばコスト削減になるというのは、いかにも名古屋の名鉄らしい。

大江を出た電車は3分で東名古屋港に着く。途中で臨界鉄道と平面交差があるのは今となっては珍しい。ほとんど空で来た電車は仕事を終えた大勢の労働者たちを乗せて大江駅に折り返す。

「用もないのにわざわざ乘りに行くのは鉄道ファンだけだろうがら、一般には知られていないが、興味深い路線と駅である」と野田はまとめている。

昔は常滑線直行の電車があったと記憶する。名古屋駅では「東名古屋港」というアナウンスも聞かれたのだ。だからこの駅に対する意識は当時の方が一般的だっただろう。今では名古屋人でもこの盲腸ラインのことなど知る人は少ない。

20年ほど前、名鉄がまだモノレールにコミットしていたころ、その実験線がこの築港線と並行して走っていた。異業種交流の一環で載せてもらったのが、磁気浮上のHSSTモノレールである。完成したHSSTは2005年の愛知万博の脚として使われ、東部丘陵線「リニモ」として現役活躍中だ。

こちらの築港線イメージはHSSTの上から見た線路と工場の壁のつくる夕景でしかない。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿