5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

金花糖とおこしもの

2015-01-29 22:07:05 | たべもの
金沢には「金花糖」という江戸時代からの伝統の砂糖菓子があるらしい。NHK金沢局、今日のローカルニュースにその金花糖の話題が載っている。

三宝に乗った鯛や野菜や花がTV映像になっているが、これは雛祭りの供え物として使われるものらしい。その菓子作りが創業390年の老舗和菓子店で最盛期を迎えているという。

金花糖は煮詰めた砂糖を鯛や野菜果物のカタチの木型に流し込んで固めたもの。白い砂糖の上から食紅を溶かした水あめを刷毛で塗り、赤黄緑とさまざまな色彩をつけて仕上げる。金花糖は中が空洞のため、罅が入ったり割れたりしやすいのが作業員の苦労。着色後は一日乾燥させ、籠や木台に載せて飾られ商品として売られてゆく。

木型に流し込むといえば、愛知県には「おこしもの」と呼ばれる湯で捏ねた米粉を木型で成型して蒸し、食紅で着色する和菓子がある。節句用の祝い菓子だが、子供の間食でもあったから、自分が子供のころには母親がよく作ってくれた。めでたい鯛はもちろんあったが、金花糖の鯛ほど大きくはなかった。砂糖醤油をつけて焼く時のこげる香ばしい匂いは今でもしっかり覚えている。

干菓子の落雁も木型を使う。米粉を使うのはおこしものと同じだが、こちらは先に蒸して乾燥した米粉に砂糖と食紅を混ぜて型に入れて乾燥させたものだ。WIKIによると、落雁も商品づくりを奨励した加賀藩を中心に広まっていったとある。

縁起物といえば、婚礼の引出物もある。鯛の格好に形成した砂糖というだけだが、セロファンなどの透明なフィルムでラップし、その上から彩色したもので、昔は一般的な引き出物だった。砂糖がまだ貴重だった時代のことだ。

菓子ではないが富山県の細工かまぼこにはやはり鯛のかたちをしたものもあるようだ。TV映像でしか見たことはないのだが、この手作りの鯛細工は結構大きくて見栄えがありそうだ。

縁起物の鯛型細工、金花糖も落雁も細工かまぼこもみな北陸の産である。歴史と伝統の食文化と云うが、同じ鯛でも尾張三河のおこしものとはだいぶ様子が違う。こんなものにも江戸の暮らしが垣間見れるのは面白い。








最新の画像もっと見る

コメントを投稿