里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

都市農村交流事業

2024-09-23 04:39:41 | Weblog

昨日9月22日(日) 筑西市と台東区との都市農村交流事業として台東区蔵前小学校PTA・児童が筑西市の里山を舞台に自然体験を楽しんだ。

コロナの発生により中止されていたが、本年5年ぶりの復活となった。筑西市経済部産業戦略課 の主導で行われ、自然体験の部門でノウハウを

持つ、当会が企画・運営を任され、初回から全面協力を行っている。

3か月前より竹沢理事長以下、理事の間で様々なシチュエーションを想定し、いかに都会の親子に自然体験を楽しんでいただくか、議論を重ね、

本番に備えたことは想像に難くない。

私も及ばずながら、当日精いっぱいのお手伝いをさせていただいた。 当日はこれまでの猛暑から一転して雨模様の涼しい空模様となり、雨天時

のメニューに急遽切り替えることとなった。産業戦略課のお三方も早朝よりスタッフの一員として精力的に行動し、台東区の皆さんを迎える準備

に余念がなかった。予定通り9時30分にJA北つくばの選果場に到着。という一報で、戦略課の方々を先頭に会員数名が出迎えと、案内のため選

果場に待機した。 ほどなく最新型の大型バス2台が雨の中、ゆっくりと駐車場に入り、ドアが開かれると続々と笑顔の親子が下りてきた。

総勢110名と伺っていたが、一部、マイカーで来られた方もおられた。

早速、雨具をはおり、会員の先導で雨の中、里山(五郎助山)に向け出発した。約4~5分の道のりである。途中、森の中を抜け、会場を目指し

た。

舗装道路から森の中に入ると保護者から「わおー」という感嘆の声が上がった。里山の自然に驚いた様子だった。

当初、冒険広場でのオープンセレモニーを予定していたが、理事長の英断で急遽ビニールハウス内に変更となった。

約100人が収容できる大型ハウスで、刈払い機講習会、チェーンソー講習会のため設営されたものだが、今回、思わぬ効力を発揮した。

筑西市から菊池副市長、早瀬経済部長がご出席され、歓迎のご挨拶を頂いた。台東区からは津野 澄人、蔵前小校長、同、PTA会長のご挨拶があ

り、最後に竹沢理事長より、本日の日程・注意事項の説明があった。

早速、4班に分かれ、檜のお箸づくり体験、ピザづくり体験、オリエンテーリング(動物探し)、釣り体験、薪割り体験、イナゴ取り、竹とんぼ体験、ターザンロープ等、様々な種目に挑戦した。

檜の箸づくりは県林政課の、菅井さんと園部さん(女性)のお二人がすべての器具を準備し、大人気となった。子供のみならず、保護者もしっかりご自分の箸を製作し、親子で楽しんでいました。

雨をものともせず熱中し、自然の中で思い切り体を動かしていた。子供のみならず、保護者も童心に帰り、子供以上に様々な体験を楽しんでいたようである。

特に釣り体験は、釣竿を垂らすとすぐに小魚がえさに食いつき、初心者でも面白いように釣れ、初めて体験した子供たちは大興奮。記念の写真を

スマホに収め、満面の笑みをこぼしていた。

お昼近くにはすっかり雨も上がり、更に子供たちはエキサイトし、ターザンロープに群がり、おしりを泥だらけにしながら、何度も何度も挑戦していた。 

また、泥だらけにした子供の靴を井戸で洗うお父さんを見かけたが、なぜかニコニコしながら洗っていた顔が印象的だった。

お昼には定番の里山カレーが女性会員によりふるまわれ、私の「愛がも米」もお役に立った。 また筑西市の特産物の梨「あきづき」がデザート

として存分にふるまわれ、もう、おなか一杯というほど食べてくれた。

約5時間の里山での自然体験は瞬く間に終了し、子供たちは次の訪問先、道の駅グランテラスに向け出発した。

約5年ぶりの里山自然体験。子供たちにとっては初めての体験だと思うが、どのように感じたのか興味深い。

帰り際、保護者の方が、「土の上で遊ぶ経験がない私たちの子供にとって、今日の体験はとても貴重だと思います。」と言ってくれました。

良い思い出になることを祈っています。

理事長をはじめ会員、スタッフの皆様、お疲れさまでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これからの農業

2024-09-07 03:49:27 | Weblog

9月になっても30度を超える猛暑が続いている。超ド級の台風11号は中国本土に上陸し、猛威を振るっている。

スーパーには新米が出回り始めたが、昨年の5割増しの値段で並び、それでもあっという間に消えてゆくという。

令和の米騒動がまだ続いている。

今年(令和6年産米)のJA北つくばの買い上げ価格がまだ発表されていないが、おそらく60キロ 18,000円から20,000円の間で決まるのではないかと噂されている。昨年より3割ほどの値上げである。

この値段で農家はやっと息がつける。

米騒動の裏側で、本年、米農家の倒産、廃業の件数が過去最多になるとの報道があった。米価の低下、高額な設備投資、高齢化、そして後継者不在等が主な要因だと指摘されている。

私が稲刈りを依頼している同級生も一昨年コンバインを入れ替えたが2000万円に迫る価格だ。と 嘆きにも聞こえる言葉でつぶやいた。

また昨今の異常気象でコメの品質が落ち、色彩選別機の導入は必須となり、今年これも新たに導入したが諸々の経費を含め400万かかったと更に嘆いていました。

米用コンバインは稼働日数が長くて1シーズン30日です。 後の330日は倉庫の中で眠っています。

「農家で一番稼働率が高いのは軽トラックだよ。」と自嘲気味に笑っていました。

彼には三人の娘さんがおり、長女がお婿さんを迎え、孫を加えて、平和に暮らしています。

しかし、お婿さんはサラリーマンであり、米作りの後継者になってくれるか未定です。 友人としてとても気になっています。

結城に住む野菜農家の友人は温暖化により害虫の繁殖が異常に早く、今まで1週間に1回の農薬散布が3日に1回となり、肥料代よりも農薬代のほうが何倍もかかってしまうとこぼしていました。

梨についても同じで、以前10日に1回の散布が1週間に1回となり10アール当たりの散布量が150リットルから300リットルに倍増しています。

農薬代は肥料の3倍かかるようになっています。

野外の気温が40度に迫る環境で作業をするのは命にもかかわることで、今後、炎天下、農業を続けられるのか、基本的な課題が目前に迫っています。

野菜農家においても倒産、廃業の例が増えていると友人は言います。管理能力を超えた面積拡大が進む背景には、10アール当たりの売り上げが減収し、それを補充するには規模を大きくするほかないのだと言っていました。また、このところの気候変動で、植え付け、収穫の予想が思い通りにならず、保険の意味でも面積を増やしているとも言っていました。

外国研修生には一人毎月20万を超える給料を払わなくてはならず、昔、家族労働だけでやっていた時のほうが精神的にも楽だったような気がするとも言っていました。

日本の農業はいろいろな意味で重大な局面が迫っているとひしひしと感じます。しかし、それは現実に目に見える形にならないとわからないのかもしれません。

自分の食糧は自分で作る時代が来るかもしれません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする