去る10月14日から16日まで自然栽培農産物の開拓、販売をされているナチュラル・ハーモニー主催の自然栽培産地ツアー(秋田、青森で自然農法を実践している農家・産地に訪問し研修するツアー)があったので参加した。偶然に、このツアーをインターネットで知り、先着40名、しかも締め切りが迫っていたので、妻に内緒で申し込んでしまった。
私も4、5年前、弘前のりんご農家、木村秋則さんの圃場を尋ねたことがあリ、それから自然農業に歩み出した。有機農業はすでにアイガモ農法を取り入れ、20年目になるが、自然農法は、肥料も農薬も使わず、文字通り自然エネルギーだけで農産物を栽培する技術である。夢のような農業であるが、木村秋則さんの無農薬りんごはまさに自然栽培から生まれたりんごなのである。
それには大変な努力と研究、いままでの常識を捨て、誹謗中傷を覚悟の上で取り組まなくてはならない。当日12:50分秋田駅に集合とあったのでそれに間に合う新幹線で小山駅から出発した。妻には出発一週間前に事情を話し、どうしても俺はこの農業をやりたいので行かせてほしいと頼んだ。あきれたのかあきらめたのかわからないが、ともかくも納得をして駅まで送ってくれた。
何人参加するのかまったくわからず、不安と期待を抱きながら秋田駅に到着した。すでにホームで自然栽培ツアーと書いたプラカードを手にした若い方がいたので近づいたら、すでにこのツアー客と思われる方が何人か到着していた。プラカードを持った主催者側の方が地下足袋姿だったのには驚いた。(結局彼は三日間、地下足袋で通した。)
近くにいた方が優しそうだったので、「どちらからですか?」と尋ねると、「宮城から来ました。サラリーマンだったのですが、退職を機に農業をするつもりでした。どうせやるなら自然農法をやりたいと思いまして・・・・・・」と言う。私も茨城から参加した旨をお話した。そのうち参加者全員が揃ったと言うことで駅からバスが待っている駐車場に移動した。いよいよ自然栽培のお米を作っている大潟村の石山さんのところへ向かうのである。先着40名と言うことだったが結局10名の参加だった。ちょっとがっかり。
内訳は、女性の方が2名(東京・主婦)男性7名(農業者5名、サラリーマン3名)、講師1名(農学博士)スタッフ6名である。。一番遠い方は広島県そして福井県からはるばる参加された。それぞれ自己紹介となったが、どの方も安全でおいしい農産物を作ること、あるいは食べることに興味がある方ばかりで、なんだか変人ぞろいのおもしろいツアーだなあと思った。
最初に訪問した大潟村の石山さんは自然栽培のお米作りでは有名な人である。約15ヘクタールの田んぼを自然栽培に切り替え、今年で8年目を迎えたと言う。現在大潟村ではお米の自然栽培をしている農家が8人いると言う。石山さんはそのリーダー格だ。肥料、農薬、除草剤をまったく使わず、毎年収穫した種を更新しながら栽培する農法である。収穫は6表から6表半だそうだ。一般の栽培より2表近く収穫は劣るが、安全で、健康に良い米であることは間違いない。このお米を作ることに誇りを持っていることが良くわかった。ナチュラルハーモニーはこうした農産物を消費者に届け、農家と消費者の仲立ちをしている会社である。
石山さん他、自然栽培のグループ
ナチュラルハーモニー代表の河名秀郎氏(左) 自然栽培農家 石山範夫氏(右)
自然栽培は除草剤を使わないので、なんといっても雑草をいかに抑えるかがポイントで機械で5回から6回、人海戦術で1回~二回除草作業をするそうだ。アイガモを使えばきれいになるのにと思ったが、自然栽培は無肥料ということなので、糞をするアイガモは使えないということである。ふーん。
除草器具の一部
この後、宿泊先のホテルにおいて大規模自然栽培農家8人の方とさまざまな意見交換を行い、自然栽培に取り組む意義、難しさ、課題を率直に意見交換した。私は不耕起の自然栽培を目指すつもりであるが、アイガモを使わないとすると、やはり雑草対策が重要との認識を改めて感じた。
この後自然栽培のお米で作ったお酒、そして自然栽培のビール、自然栽培のワインで酒盛りとなり、〆は当然自然栽培ササニシキの7分づきのご飯で満腹、満腹となった。
次回はりんご農園にて。
肥料も使わないんですね。
有機農法と混同していました。
我が家では夫の知人(養蚕地区)から
お米を買っていますが,
無農薬,有機肥料,
カブトエビに雑草を食べてもらっているそうです。
ご飯がピカピカ光ってとてもおいしいです。
これは,有機農法?
自然栽培については
あまりにも無知ですが,
自然栽培でできたお米を
いつか,食べてみたいです。