お二人さまの老後

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平成三十年の初釜

2018-01-16 11:48:42 | 日記・エッセイ・コラム

 1月7日(土)9時半から初釜を行いました。皆さんがお仕事などで忙しくなる前に日を設定しました。

 今回は皆さんの復習にもなるように、詳しく初釜の様子を解説します。

 初釜の設えは華やかです。寄付きには前家元・即中斎宗匠の扇面「福寿」と干支の戌の香合、備前の舟徳利にNさんから頂いた蝋梅をいれました。 

 床の掛物は円覚寺前管長・円覚慈雲老師の「蓬莱五彩雲」。竹の掛花入れに結び柳と紅白の椿を入れて床の間の右上奥に掛けます。柳はおめでたいものとされ一枝を輪にして初日の出を表現しますが、いつも求める花屋さんによると昨年は台風で良い柳が無いとのことで、今年は貧相なものになってしまいました。

 炉縁は輪島塗の扇面の蒔絵、棚は紹鴎棚にブリブリの香合と犬鷲の羽を棚の上右三分の一に飾っておきます。

 ブリブリとは昔宮中で子どもが引きずって遊んだというおもちゃを象ったもので、木製で金色の地に松竹梅や鶴亀などのおめでたい蒔絵が施されています。これはY先生から拝借したものです。

 お客は正客から順に入り口で一礼して席入りし、最初に床の間の前に進み、扇子を膝前に置いて一礼し、掛物や花を拝見します。

 次に炉の前に進み(畳は一畳を6歩で歩きます)、炉縁とお釜を拝見します。

 さらに棚の方に身体を向け、お棚と棚の上に飾ってある香合などを拝見し、席に着きます。

 お客が座る畳には毛氈が敷いてあります。

     

  全員が着座すると茶道口に控えていた亭主は障子を開け、席ににじって入り、客と新年の挨拶をかわします。

  その後、最初に炭点前をします。炭点前は美味しい濃茶を点てるために大事な点前です。

  ここからの炭点前はAさんにお稽古していただきました。

  初釜の炭斗は檜製の「炭台」を用い、奉書を敷いて炭が組んであります。これも初釜独特のものです。

 炭の大きさや形は決まりがあり、並べ方も決まりがあります。

    

 炭台と灰器を運んだら、炉に向かい、羽で炉縁を浄めてから、濡れ灰を撒きます。

 濡れ灰は、篩った炉の灰を夏の間に抹茶を溶かした湯に浸し、自然に程よく乾かして、11月の立冬後に行う炉開きの直前に篩で篩って準備します。篩った灰は密閉して乾かないように保存しておきます。

 濡れ灰を撒いたら、また炉縁や五徳を羽で浄めてから、炭を注ぎます。

 炭は湯が濃茶を点てる直前に頃よく沸くように入れなければなりません。それから香を焚きます。

 お香は現家元・而妙斎宗匠お好みの「松柏」です。香を焚き終わると正客は「お香合の拝見を」と乞います。

 左下の写真はお香を入れているところ、右下の写真は客が香合を拝見しているところです。

     

 本来なら炭点前が終わると懐石が供され、懐石を頂いている間に炭が起こって湯が沸き、美味しい濃茶が点てられるというわけなのですが、我が家では初釜を終わらせてから、近くの「かくれ家 わたなべ」で懐石を頂くことにしていますので、釜には沸かした湯が入れてあり、続いて濃茶点前をNさんにしていただきました。

 茶入れは薩摩焼第15代沈壽官作の黒薩摩を使いました。

 茶碗は初釜の濃茶では内側が銀色の赤楽茶碗に、内側が金色の赤楽茶碗を重ねて(嶋台といいます)を使います。金色の茶碗の高台は五角形、銀色の茶碗の高台は六角形の亀甲になっています。 

 濃茶のお菓子は干支の戌を象ったものにしました。お菓子を入れる喰籠は初釜では縁高を用います。写真のように面取りした四角い重箱を3段重ねにし(人数の多い時は5段重ねも用います)、正客用のお菓子を一番下に一つだけ入れ、今回の場合はお客が6人なので2段目に2個、一番上に3個入れ、蓋をしてその上に黒文字を人数分のせて供します。正客は縁高の上2段を持ちあげて、一番下の縁高にお菓子が一つ入っていることを確認し、黒文字を1本縁高手前に入れ、上の2段を黒文字ののった蓋と共に次客に回します。次客は同じく2段目の縁高に入っているお菓子の数を確認し、お菓子の数と同じ本数の黒文字を取って中に入れ、上の縁高を三客に回します。三客は取り次いで四客に縁高を回します。

  

 今回は金の茶椀で二人分、銀の茶碗で4人分点てて頂きました。濃茶を全員頂いた後には茶碗と出し帛紗を拝見に回し、最後に茶入れ・茶杓・仕覆も拝見します。拝見にも作法があります。

 茶杓は大徳寺の喝堂作「千年翠」、茶入れの仕覆は「二重蔓牡丹金襴」でした。

  

 濃茶の後は、干菓子が出され、薄茶を点てます。お干菓子はNさんが「霜柱」と「吹き寄せ」をお年賀に持ってきていただきました。霜柱は仙台のお菓子で口に入れるとサクっと溶ける上品なお菓子でなかなか手に入れることができません。横浜のデパートでタイミングよく手に入れてくださいました。

 今回はIさんに萩焼の新兵衛さんの筒茶碗(即中斎お箱書きで銘が寿山)で、絞り茶巾のお点前してもらいました。筒茶碗の絞り茶巾の点前は12月から1月の寒い時期にお茶が冷めないようにするための点前です。

 人数が多いので替え茶碗の紅梅白梅の絵の茶碗と交互に点てていただき、後半はM.Aさんにお点前を替わっていただいて全員が薄茶をいただけるようにしました。

       

  

 薄茶の後にはお薄器と茶杓を拝見します。棗は溜塗で蓋の裏に蒔絵のある「柳に舟」(上右の写真)でした。

  初釜を終え、急いで炭の始末と釜の始末をしてから「かくれ家 わたなべ」に向かいました。

 わたなべの懐石料理は期待以上の初釜らしい季節感あふれる美味しいお料理でした。以下の写真はその一部です。下左は海老しんじょうの煮物椀、右は八寸で羽子板の形をしたエビのお寿司に追羽根がのっています。サツマイモは戌の形の飴炊きです。

  

  

    

 2時間近く談笑しながら、懐石料理に舌鼓を打ちました。

 平成三十年の初釜は、残念ながらSさんはご家庭の都合で昨年に引き続き参加できなかったのですが、天候にも恵まれ、とても和やかな初釜でした。

 

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1 コメント

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お道具も華やかで (つか)
2018-01-16 22:05:28
お正月らしかったですね♪

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