北鎮岳分岐から、中岳(2,113m)を経て、旭岳方面を眺めると、これから向かう旭岳
(2,291m)には雲がかかって、山頂は見えませんでした。
尾根を歩いていると、強風に削られた珍しい岩がありました。大雪山の厳しさを物語るものでしょう。
10時45分頃、中岳分岐で休憩。ガイドさんやリーダーが相談し、予定より大分遅れているので、このまま旭岳に登るグループと旭岳の裾野のお花畑を楽しむグループに分かれることになりました。両グループは旭岳ロープウエイ・姿見駅で合流します。
旭岳に未練はありましたが、皆の足を引っ張ってはいけないと、お花畑コースを選びました。女性でも若い人や日頃鍛えている人は登頂組に入り、お花畑組はやや少ない14人でした。
お花畑組は、ガイドのTさんの先導で、中岳温泉を目指し、どんどん下っていきました。
やがて中岳温泉に到着し、昼食となりました。
温泉といっても建物があるわけでなく、渓流に温泉が湧いていて、岩などでせき止めて湯船をつくり、足湯に浸かるのです。とても気持ちよく、足の疲れがとれました。
中岳温泉からさらに下り、裾合平に到着。
旭岳の裾野にお花畑が広がり、それが延々と続いています。 チングルマ・エゾコザクラなどの群生が広がっていて、木道を歩きながら、別世界の風景を楽しみました。誰かが「スイスまで行かなくても、北海道にもこんなに素晴らしい風景があるんだ!」といっていました。
左上方の旭岳には雲がかかり、登頂組は見晴らしがきかないのではと想像できました。
お花畑コースも旭岳の裾野をぐるりと回って、姿見駅まで上がり下りする、距離の長いルートで、決して楽ではありませんでした。
小さな雪渓をいくつか横切り、そのうちの一つでホシガラスの姿を見ることが出来ました。
姿見ロープウエイ駅にはほとんど同時に両グループが到着しましたが、毎日ランニングで鍛えているベテランのSさんが、旭岳の下山の時にアキレス腱を痛めてしまったそうで、両腕をかかえられ、痛々しい姿で現れたのには驚きました。
旭岳は急登で滑りやすく、ひたすら下ばかり見て歩いたと女性陣が話していました。やはり視界はきかなかったようでした。
15時15分発のロープウエイに乗車。山麓駅で閉校式を行い、ガイドさん達にお礼を言って別れ、旭岳温泉のホテル・ベアモンテで温泉にゆっくり浸かり、汗を流しました。
山酔会のS会長が「富士山に登って山の高さを知り、大雪山に登って山の広さを語れ」という大町桂月の言葉を紹介してくれましたが、その言葉どおり、素晴らしい大雪山でした。
とてもよい写真が撮れていますね。
それにしても、大雪山の魅力とその裏側にある厳しさの両面を知ることのできた
非常に印象に残る山行でした。
またいつかの機会にご一緒したいと思っています。