森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

国有林野事業特別会計

2005-12-16 00:19:53 | 政策・行政関係

自民党は、「特別会計整理合理化計画」の一環で、国有林野事業特別会計を5年後に一般会計との統合と独立行政法人化を検討することを決めたらしい。

最近話題にならないけど、この国有林関係の特別会計、3兆8000億円を超える赤字を抱えていた。数年前にそのうち2兆8000億円を税金で面倒見ることになった。残り1兆円も、たしか50年くらいかけて返すはずだけど、返せるかどうかわからない……という状態だったと記憶している。今回の計画も、借入金の処理等を考えつつ決めなくてはならない。

もともと国有林の特別会計は、森林で稼いだ金は(政府に取られないよう)森林に返すことを趣旨として作られたはずである。事実、戦後の木材景気の頃は、非常によく儲かっていて、膨大な黒字をため込んでいた。そのため林野庁は湯水のごとく使ったのだが……、時は移り変わり、どんどん赤字を垂れ流すようになってしまった。

もっとも記録を見ると、結構いい加減である。黒字のときは一般会計に貸し出しているし、赤字になると何かと一般会計へつけをまわしている。たとえば保安林の造林や管理費とかマツクイムシ防除、国立公園内の森林管理などだ。これでどこが独立採算だ、と言いたくなる。

今回も「検討する」とあやふやな言い回し。それに一般会計にしたから赤字が減るとも思えない。むしろ拡大する恐れだってなしとは言えない。
どうせなら、公務員が直接金のやりとりする林業から手を引けばよいのに。


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2 コメント

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国有林行政は破綻 (木曽太郎)
2005-12-18 11:19:57
>公務員が直接金のやりとりする林業から手を引けばよいのに。





大賛成です。国有林行政は破綻してます、木材収入より、資産である土地を売って給料を払ってます。
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国のお仕事 (田中淳夫)
2005-12-19 12:03:59
国家公務員が金に頭を悩まさなくても、森林学や政策の研究とか、普及とか、コーディネイトなど国益を考えてやるべき仕事はいっぱいあると思うんてすが。



なぜ自分たちで山を抱え込み、自分たちの給料を得るために売り飛ばしているのだろう。
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