12月に入ると、新蕎麦の季節だ。
実は、生駒には今年になって次々と蕎麦屋がオープンした。
それも手打ちの看板を掲げた店である。価格は安くはないが、蕎麦にはマニアがいるから、一定の客はつくようである。
最近、各地で蕎麦による地域起こしが行われている。山村で、蕎麦の栽培が盛んになってきたからだろう。蕎麦は基本的に手入れがいらない。種子を播いて、数カ月後には収穫できる。
もともとは焼き畑の作物だった。
山を焼いて、粟、稗などを播き、2年目、3年目は蕎麦という過程が多い。よりやせた土地でも育つからだろう。蕎麦の後は、いよいよ放棄…と思われがちたが、実はそこで木の苗を植えた。すると20年後にはそこそこの太さの木が収穫できる。木を収穫(伐採)して、また火を入れる。
これが焼き畑の周期だ。 つまり木材も焼き畑の産物であり、粟や蕎麦と同列だったのである。 つまり森林の産物である。
ちなみに福島で訪れた山都町の宮古そばは絶品だった。あそこにかなう蕎麦や山の幸はそうないのではないかと思わせた。やはり東北の奥深い食文化が背後にある。
付け刃の蕎麦の産地は、よほど頑張らないと一過性で終わってしまうように思う。
さて、生駒の蕎麦屋巡りをするか。