森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

林業で食えない、からこそ

2005-12-13 01:31:09 | 政策・行政関係

現在は、「林業では食えない」時代だと言われる。
だから所有者は森林に興味を失い、山を下り、別の仕事に就く。山は荒れる。改革意欲もない。……これが悪循環しているのだ。

しかし、これをプラスに見ることはできないか。

山は持っているけど、仕事は別にあって、食い扶持はそちらで稼いでいる。
森林から無理して利益を上げる必要がない。損さえしなければよい。

こうした山主は、現代の森林管理の仕事(植林、下刈り、間伐など)の経費は、8割以上が補助金で行われることを知らないことが多い。だから、森林に手を出したら莫大な金がかかって自腹を切らないといけないと思っている。
しかし、自己負担は約2割。それくらいなら間伐材収入で埋め合わせることも可能な場合もある。間伐後に残った木の価格が上がることで相殺する手もある。もちろん施業を工夫して低コストにする努力も必要だし、間伐材を高く売る方法も考えるべきだ。

そんな山主を口説いて管理を請け負えばよいのだ。そして山主の負担はゼロに近くしたら満足してもらう。そして、請け負い側は仕事をするわけだから、当然収入になる。

「林業で食えない山主」は、林業事業体から見れば、カモ、いや宝の山だ。所有者に還元せずに自分たちの仕事を得られるのだから。