森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

森の職人-炭焼き

2005-12-01 17:20:56 | 森林資源

林業関係の職人とは、何になるだろうか。

今度仕事で「匠」、つまり職人の取材先を探さなくてはならない。
どうせなら森林関係はないかと考えるのだが、あまり適切なのが思い浮かばない。

木工職人はもうやった。それなら炭焼きか。
炭焼き職人はたくさん取材したが、あえて匠と選ぶ「何か」を持っている人はいるだろうか。

先日訪れた加賀の蒔絵職人のところで、研ぎ炭を見た。実際使っているところも見せていただいた。
研ぎ炭をご存じだろうか。炭の中でも価格は10倍20倍する。1キロ2万円なんて話も聞く。
使い方は文字通り研ぐ、研磨用。IC基盤やレンズ、日本刀なども研ぐが、一番の用途は漆工芸で、塗った漆を磨くこと。これで余分な漆を剥がし、表面の輝きを出す。その柔らかさが炭でないと出ない。この研ぎ炭がなくなると、日本の伝統工芸が消えるとさえいわれる。

これは面白い。しかし、研ぎ炭をうまく焼ける人は、日本にただ一人。80を超えたおじいちゃんなのである。しかも焼くのは春先だけ。ちょっと取材できない。

誰か面白い炭を焼く人を知らないだろうか。