森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

里山バイオマス

2006-07-06 23:17:03 | 森林資源

またまたバイオマスの視察。
今度は大阪の万博記念公園に出かけた。

 

昨年も少し記したと思うが、ここにはガシファイヤーというバイオマス・ボイラーが設置されている。里山倶楽部というNPOがNEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)と組んで始めた事業である。実は私も出資者の一人であった。

眼目は、里山から出るバイオマスの利用だ。林業地の残材や廃材、樹皮などではなく、里山の雑多な木々を間伐・剪定した幹や枝の利用を行うために、ドイツ製のボイラーを導入している。これは薪そのものをガス化して効率80%以上という熱を取り出せる。里山のバイオマスというのは、意外と忘れられているのではないか。もっと利用しないともったいない。
ここでの実験では、スターリングエンジンも扱っているが、私が注目しているのは、燃料とするバイオマスに加工の必要がないことだ(薪にするという加工はあるが)。これなら誰でも扱える。

 

先に紹介した「農林バイオマス3号」も優れものだったが、アチラはやはり粉末に加工する必要があったし、安くなったと言えども、約七千万円のイニシャルコストがかかる。ところがガシファイヤーは、装置だけなら200万円、多少大型でも数百万円のレベルに納まる。これなら山間の小さな施設や、NPOでも納入できるだろう。

 

ある意味、バイオマスエネルギーはニッチ産業である。巨大エネルギーの隙間を埋めて小型分散型の展開を考えないといけない。すると、何億円もするプラントでは無理だ。
今回の二つのタイプは、それぞれの規模の需要に応えられないかと期待している。