久しぶりにまったり読んだ。読書、ほんとに久しぶり。
面白かったー。胸キュンとかドラマチックなことは起こらないんだけど、微妙な言語化しにくい感情や自分の中で扱いきれない、もて余してしまうような感情が書かれてると思う。
将来、私が母親の面倒見るのかなぁと漠然と思った。
この話の主人公は、兄が家を出てから母親と二人で暮らす28歳で、母親がこうあるべきっていう娘像に抗えない。
兄が異動でこちらに帰ってくるのと同時に母親と同居するタイミングで初めて家を出て一人暮らしをする。
兄は結婚していてもうすぐ赤ちゃんが生まれる。
母親をかわいそうだと思う感情から自分は母親の味方でいなければいけないと思って、母親と争うことを避けて過ごしてきた。みっともないって注意されながら、母親の世間から見られて恥ずかしくないようにっていうのに縛られてる。
「かわいそう」って何?って考えさせられた。他の人から主人公はかわいそうって言われて、私、かわいそうなの?ってなる場面があった。自分が母親をかわいそうだと思ってるのに、その自分が他人からかわいそうと言われる。
どんな立場から見るかによって、かわいそうなのか、かわいそうじゃないのか変わる。そして、「かわいそう」
に続く言葉を持ち合わせていないと主人公が思っている場面があって、何だかそうなのかもと思った。かわいそうだから、助けてあげるよ。というのは上から目線過ぎる、傲慢な気がしてきた。
大学生の年下のバイト君と付き合うことになって、その辺は少しキュンとくるポイント。主人公は、ドラッグストアの店長です。でも、その付き合いも甘いという空気とは少し異なる。二人が距離を置いて、亀裂が入ってしまった場面あって、このまま別れちゃうの?それはちょっと痛いなと思いながら読んでたら、その危機は乗り越えられて、良かったと、一読者として思った。
大学生のバイト君も、心に苦しいというか扱いきれない思いを抱いてて、主人公の母親も兄もお嫁さんも、皆それぞれに抱えてるものがある。何かが欠落しているとまではいかないけど、埋めれない、もしくは逃れられない何か。
一人暮らしをする中で、少しずつ母親のこうあるべきっていう所からは踏み外していけるんだけど、緋色のさざんかは夢から出ていかない。
主人公がこれまた心に問題がありそうなドラッグストアのお客さんと最後には通じあえて、思いが届いて一歩踏み出せた、殻を突き破れたところで終わっていて読後感は良いです。年下の彼とも関係修復というか一段上の関係を築けるようになる場面もあって、恋愛の方もすっきり。
全て解決したという訳ではなく、少し良い方向へ物事が運び出したという印象。
主人公の抱える母親との関係に関するどうしようもできない、自分でも何にからめとられているのか分からないような思いって多かれ少なかれ娘と母親の間には存在するんじゃなかろうか。
友達みたいに何でも話せる仲良し親子がいるのも事実だろうけど、母親を嫌悪したり、離れたい、距離を置きたいって思うことあるんじゃないかなぁ。
私は、母親を軽蔑してた自覚がある。今ではないけど、一時期すごく母親を軽蔑してたと思う。母親のありがたみを今では少しは分かるようになってるけど。
今の関係は言いたいことは言ってるし、母親も私に言いたいことを言ってるけど、私は母親を見下してる。多分、そうすることで自分を保ってる部分があるんだと思う。それと同時に私が母親を守ってあげなくちゃという所まではいかないけど、そんな感じのことを思ってるんだと思う。
うまく感想を書けた自信はないけど、面白い小説です。言葉にするのが難しい部分をすくいとって見せてくれてる。明るい小説ではないけど、暗くもなくて、彩
瀬まるさんの小説初めてだけど、他の作品も読みたい。
面白かったー。胸キュンとかドラマチックなことは起こらないんだけど、微妙な言語化しにくい感情や自分の中で扱いきれない、もて余してしまうような感情が書かれてると思う。
将来、私が母親の面倒見るのかなぁと漠然と思った。
この話の主人公は、兄が家を出てから母親と二人で暮らす28歳で、母親がこうあるべきっていう娘像に抗えない。
兄が異動でこちらに帰ってくるのと同時に母親と同居するタイミングで初めて家を出て一人暮らしをする。
兄は結婚していてもうすぐ赤ちゃんが生まれる。
母親をかわいそうだと思う感情から自分は母親の味方でいなければいけないと思って、母親と争うことを避けて過ごしてきた。みっともないって注意されながら、母親の世間から見られて恥ずかしくないようにっていうのに縛られてる。
「かわいそう」って何?って考えさせられた。他の人から主人公はかわいそうって言われて、私、かわいそうなの?ってなる場面があった。自分が母親をかわいそうだと思ってるのに、その自分が他人からかわいそうと言われる。
どんな立場から見るかによって、かわいそうなのか、かわいそうじゃないのか変わる。そして、「かわいそう」
に続く言葉を持ち合わせていないと主人公が思っている場面があって、何だかそうなのかもと思った。かわいそうだから、助けてあげるよ。というのは上から目線過ぎる、傲慢な気がしてきた。
大学生の年下のバイト君と付き合うことになって、その辺は少しキュンとくるポイント。主人公は、ドラッグストアの店長です。でも、その付き合いも甘いという空気とは少し異なる。二人が距離を置いて、亀裂が入ってしまった場面あって、このまま別れちゃうの?それはちょっと痛いなと思いながら読んでたら、その危機は乗り越えられて、良かったと、一読者として思った。
大学生のバイト君も、心に苦しいというか扱いきれない思いを抱いてて、主人公の母親も兄もお嫁さんも、皆それぞれに抱えてるものがある。何かが欠落しているとまではいかないけど、埋めれない、もしくは逃れられない何か。
一人暮らしをする中で、少しずつ母親のこうあるべきっていう所からは踏み外していけるんだけど、緋色のさざんかは夢から出ていかない。
主人公がこれまた心に問題がありそうなドラッグストアのお客さんと最後には通じあえて、思いが届いて一歩踏み出せた、殻を突き破れたところで終わっていて読後感は良いです。年下の彼とも関係修復というか一段上の関係を築けるようになる場面もあって、恋愛の方もすっきり。
全て解決したという訳ではなく、少し良い方向へ物事が運び出したという印象。
主人公の抱える母親との関係に関するどうしようもできない、自分でも何にからめとられているのか分からないような思いって多かれ少なかれ娘と母親の間には存在するんじゃなかろうか。
友達みたいに何でも話せる仲良し親子がいるのも事実だろうけど、母親を嫌悪したり、離れたい、距離を置きたいって思うことあるんじゃないかなぁ。
私は、母親を軽蔑してた自覚がある。今ではないけど、一時期すごく母親を軽蔑してたと思う。母親のありがたみを今では少しは分かるようになってるけど。
今の関係は言いたいことは言ってるし、母親も私に言いたいことを言ってるけど、私は母親を見下してる。多分、そうすることで自分を保ってる部分があるんだと思う。それと同時に私が母親を守ってあげなくちゃという所まではいかないけど、そんな感じのことを思ってるんだと思う。
うまく感想を書けた自信はないけど、面白い小説です。言葉にするのが難しい部分をすくいとって見せてくれてる。明るい小説ではないけど、暗くもなくて、彩
瀬まるさんの小説初めてだけど、他の作品も読みたい。