なぜ文楽を観に行ったのかと実際観た感想、観て初めて気付いたことを書きたいと思います。
卒論を人形浄瑠璃でいくことにしました。あんまり人形浄瑠璃を知らないってなことを先生に言ったら、実際の舞台に親しむことが大事やから、観に行くことをお薦めしますと言われました。私としても、上方文化講座で少し観ただけやったから思い切って観に行くことにしました。
図書館で本かりて話の筋を予習していきました。でも初めてしかも一人で観に行ったので勝手がよく分からなかったけど、面白かった!11時からの部と16時からの部があって演目が違うので、初めてなのに一日かけて両方観ちゃいました。やや疲れました。
初めてだから何もかもが面白くて興味がわくものばかりでした。お客さんは、年配の方がほとんどで、ちらほら外国の人がいて、着物姿のご婦人方も目につきました。
お昼ご飯食べた後はうとうとしてました(汗)拍手のタイミングも分からないので流れに同調。第一部は、『国性爺合戦』でした。席が前の方の端の方だったので、首がやや疲れました。虎と戦うシーンで虎が着ぐるみでした…。予習してなかったら話がよく分からなかったかも…。初めて観たからかもしれないけど、ややとっつきにくかったです。笑う所あり、親子の情にほろりとする所ありで、壮大なストーリーでした。途中から中国に舞台が移るので衣裳が日本の着物じゃなくて変わってました。
第二部は、『七福神宝の入船』、『祇園祭礼信仰記』、『傾城恋飛脚』でした。一部よりも面白く感じました。『七福神~』は、話が面白いから楽しかった!七福神が登場して人形が多くてにぎやかやったし、お正月にぴったりな感じでした。『祇園~』は、セットの仕掛けがすごかった!!金閣寺の段!!上の部屋に移動する時、金閣寺が下に下がってそのまま上の部屋が出てきた。他にも桜が散ってきたりした。そして雪姫が可愛かった~。赤の着物を着てたんやけど、この演目までに若い女の子が登場する話がなくて、目に新鮮でした。『国性爺~』で出てくる子は中国の服着てたからね。最後の演目『傾城~』は、雪が降ってきて、親の子を思う気持ちにぐっときました。雪深い村っていうのがまた悲しさを増させる。そして大夫さんの語りがまた悲しさを滲ませてて一段だけやったけど、印象に残りました。泣いてはる人の姿もちらほら見受けられました。なぜ第一部は、『国性爺~』だけで、第二部は三つの演目をしてるか少し補足すると、人形浄瑠璃は、段で構成されてて、一つの
話の全ての段をやる(通し狂言)っていうのはすごく稀です。人気のある段だけやるのが多いです。第一部では、『国性爺~』の複数の段をして、第二部では、それぞれ一つの段だけか、二つの段をしたからです。
初めて劇場に行って気付いたことは、まずお客さんが私が予想したより多かった。土曜やからかもしれんけど、一部はほぼ満席でした。他に予想と違ったのはセットがすごくしっかりしてた。さらに、大夫さんが語ることばの字幕が出る!第二部は後ろの席だったのでそれを見る余裕がありました。字も大きいし、便利です。他には、お弁当が席で食べれるのにびっくりした。10分、30分などの休憩があるんやけど、30分休憩の時に皆ご飯食べてた。ホールって飲食禁止が普通やと思ってたから意外やった。
文楽そのものについては、大夫さんと三味線さんが一人ずつ出てきて語ると思い込んでたんやけど、何人もの大夫さんと三味線さんがずらっと並んでて、皆で一斉に語りだした時はびっくりした。一人でするもんやとばっかり…。もちろん、大夫さんと三味線さんが一人ずつ出てきて語るのもたくさんあった。当たり前やけど、いろんな大夫さんの語りを聞いて人によって印象が違うなぁって感じた。三味線の音色の違いまでは分からなかったのですが…(汗)人形遣いさんは、じっと止まってるシーンはしんどいんちゃうかなって感じた。3人で一人の人形を遣ってるわけやし…。
体感して感じたことや発見がたくさんありました。なじみがないと敬遠しがちやけど、実際観るとそんなことはないです。話の筋を予習しなくてもプログラムにのってるし、解説してくれるイヤホンガイドの貸し出しもあります。伝統芸能で敷居が高いと思ってる人は、ぜひ観に行ってください!!学生には高いと思うお値段やったけど、その価値ありますっ。