うさぎの耳

大学卒業→社会人→看護学校→6年目ナース
読書の記録と日々の出来事。

『鹿の王 上 ー生き残った者ー』上橋菜穂子

2015年06月21日 23時34分00秒 | book
ゴールデンウィークに買ったものの、最初の数ページで読みにくいというか、ちゃんと頭を働かせて読まないとついていけないなと軽く挫折。

ようやく読みました。読みにくさの原因は、登場人物が多くて、名前にもクセがあったから。さらに、国同士の争いなどファンタジーで世界の設定も違うしね。

上橋さんの本は初めてです。しかし、本屋大賞第1位作品なら絶対面白いはず!と上下巻を買いました!


ミステリー的なストーリー展開でびっくりです。事件が起こって犯人を探すミステリーではなく、致死率の高い病気の原因を探るミステリー的な展開です。ちょっぴり学校で医学的な知識を習っているので理解しやすかったかも。弱毒化するとか、抗体の話とか。

上巻のラストに新キャラが出てきて、すぐにでも下巻を読みたくなります。

上巻しか読んでないので、感想が言いにくいんだけど、動物や植物、自然の描写がとてもリアルで見たことなくても想像することが出来て楽しいです。生活についても詳しく描かれていて、放牧して移動しながら暮らす遊牧民や、食べ物も食べたことないけど、美味しそうで、楽しいです。
キャラクターは、男性キャラが多くて、しかも主人公は暗めな性格であまり好きな登場人物はいません(笑)一人くらいお気に入りキャラが出来てもよさそうなのに、いない。
やっぱり、この病の原因は何なのか人為的なものか、偶然か、そして主人公はその病にかかったのに生き残った者なんだけど、なぜ生き残ることが出来たのか、そこがどうなっていくかのストーリーが気になって仕方ありません。動物が関連してる病気なんだけど、その動物の正体など病気に関するストーリーと、主人公たちの行く末とどう病気とが交差していくのか楽しみです。



国同士の勢力や歴史など整理して理解するのが難しいけど、病気だけではなく、命そのものや、魂、生きるということについても考えることが出来る骨太な物語です。

下巻が楽しみです。