うさぎの耳

大学卒業→社会人→看護学校→6年目ナース
読書の記録と日々の出来事。

映画『神様のカルテ2』

2014年05月06日 13時45分00秒 | catch
公開前から観たくって、連休に一人で観てきました。

原作のファンなのと、宮崎あおいちゃんのファンなので、観たかった!!
そして、前回も映画館で観てて、長野の美しい山も観たくってねー。


心洗われました。

尊敬する先生が病に侵されて亡くなるっていう主人公の一止にとって辛い別れがあるんだけど、死の捉え方を一変させる場面がありました。
「死にゆくのではない、我々に繋いでいくのだ」というようなことを一止が言う。はっとした。終末期にある患者さんを死にゆく者としてしか見られなくなってる、もう治療法がないことに悔しさをにじませる同僚医師に向かって言います。

また、治療法がないからもうやることはないだろうという事務長に対して、ガツンと「医師の話をしているのではない人間の話をしてるのだ」と言う場面が、良いです!かっこいい!


家庭と仕事、どっちを大切にするのか、家庭が仕事の犠牲になっているんじゃないのか?ってことを旧友でもある医師から言われる。
両方のバランスをとるのは難しくて、昼も夜もなく慢性的な人手不足から超過勤務が当たり前になってる働き方が良いとは言い切れないけど、そうしないと回らない現実…。
家庭がある人には刺さるテーマだったんじゃないかなと思います。
きっちり勤務時間だけで残業もなくすぐに帰れる仕事の方が少ないよね。


御嶽荘の面々は出演場面が少なかったけど、いい味出してました。

なんといっても貫田先生夫婦がとっても良かったです。
そして、臨終のあと、一人ずつ日常業務に戻っていく3人の場面も印象的でした。現実にはいつまでも悲しみを引きずることは出来ないんだろうね。


エンディングのサラ・ブライトマンの歌声っっっ!澄みきっててとても清らかで映し出される自然ともマッチ。

分娩室に向かうイチさんの嬉しさを抑えきれないニヤケ顔がラスト間際にあるんだけど、人間らしくて良かったです!幹に桜が咲いてる場面がぱっと映って、新しい命、春、いろんな希望が連想されていいエンディングでした。

しばらくはサラ・ブライトマンの曲をダウンロードしたので、癒されながら勉強します。

2014年4月公演『菅原伝授手習鑑』

2014年05月04日 13時30分00秒 | catch
先月26日、大阪国立文楽劇場で観劇してきました!一人で。周りに文楽観る人もこの感動を共有してくれる人もいないので書きます!


通し狂言といって、一作まるまる1日かけて上演します。
観る側も体力いります。

いつも体力に余裕を持って行こうと思いつつ、疲れた状態で行ってしまいます。始めたばかりの塾の講師バイトの4連勤の疲れを引きずりながらGO。

途中、うとうとしました。舞台の上の人形さんがほぼ動きがない場面は睡魔との戦いです。
隣の人が軽く寝息をたてていて、私も多少寝てたけど少々いらいらしました。

7時半に家を出て、帰宅は23時まわりました。

住大夫さんの引退公演ということもあり、開場前から長蛇の列!っていうか行列できてるのも初めて見た。幕見席も並んでた。


ぬかりなく電話でチケットをおさえていたので、るんるん。
学割きくし、るんるん。


公演は、1部と2部に分かれてて、1部はまあまあ前の席だったので途中まで字幕見てたけど、首が痛くなったので、手元に床本持って見てました。

2部はもう少し後でまん中あたりでした。首に負担なく字幕見れたし、ななめ前が空席で見やすかったです。

あらすじは、うまく説明できません。たいてい親子関係や主従関係が複雑なんだけど、例にもれず入り組んでました。
超ざっくり言うと、三つ子(桜丸、松王、梅王)の男たちがそれぞれ別の主人に仕えて敵味方に分かれてしまう。そのうちの一人が菅原道真に仕えてて、藤原時平の策略で流される。時平に仕えてる三つ子もいる。
主人に忠義をつくしたり恩に報いるために親子の別れや切腹、身代わりがあります。

お姫様の登場があると、着物が華やかで私は好きなんだけど、出番少な目でした。
刈屋姫、赤い着物で髪飾りがきらきらしてて、やっぱり赤い着物かわいいなぁと思いました。
男性の登場人物が主なので、三つ子の奥さんが出てる場面は舞台に色があって良かったです。三つ子が揃う場面では、おそろいの着物を着てて、面白かったです。三つ子だからおそろいって笑える。着物は同じでも、顔が違うので、そこは違うのねと思いつつ、私の視力では見分けられません。むしろ人形遣いさん見る方がこっちが梅王ねと分かりました。

菅原道真が雷神?雷になる場面が一番見た目的に面白かったです。演出がこっていたのと、人ならぬものになっていく鬼気迫る雰囲気が良かったです。花火?

動物キャラにもわりと興味があるんだけど、鶏が出てました。初めて見た。羽ばたいてました。そして、ちゃんと鳴いてました!
牛も出てたけど、こちらはいまいちでした。貴人の乗る車をひく黒い牛。

何回か、語りや三味線がなくて人形の動きだけでみせる場面があって良かったです。ダイナミックな動きにおおっと思いました。

太宰府に道真が流されて、梅が主人を慕って飛んできた、雷となって云々は、歴史?というか逸話として残ってて、知ってるからそういう点でも面白かったです。

ストーリー的には、「寺子屋の段」
がやっぱ一番好きです。学校で習ってたからちょっと観ると話の筋が思い出せたし笑いあり、涙ありでした。
お客さんも涙流してる方ちらほらいました。私が親になったら松王夫婦の気持ちをもっと理解出来るのかも。道真の恩に報いるために、自分達の息子を道真の息子の身代わりにさしだして、殺されてしまう。殺されるって分かってて身代わりにする。
松王丸が頭に白いお札みたいなの二つさしててあれは何?病気平癒を祈るお札なのかなぁ。紫のは病気のしるしって知ってるんだけど、気になりました。

住大夫さんは「桜丸切腹の段」に出られてました。親子の別れ、夫婦の別れが描かれてて、語りが聴かせるなぁって感じでした。やっぱり悲しい場面が印象的。
もう住大夫さんの語りが聴けないのはやっぱり残念。何がどう良いのか言語化できないけど、他の人と違う。響き?みたいな感じ。

普段はあんまり何も考えないで聴いてるけど、語りっていうより歌ってるっていう方が近いのかなと思いました。
浄瑠璃ってもともと音楽とかそっちよりだったよね…?最初は人形なしだったんだし…。


誰が語るかによって個性も声の高さや大きさが違って、この人の語りいいなぁと感じるのは、だいたい毎回同じ大夫さんです。

作品が好きか嫌いかで観劇するか、しないか決めてるけど、この人が語る浄瑠璃が聴きたいって人が住大夫さんにはたくさんいたんだろうなぁと感じました。満員の客席がそれを感じさせました。

あたたかい一際大きな拍手、席もほぼ埋まってたし、嬉しくなりました。

住大夫さんの引退に気をとられてたら、劇場が30周年ということに行ってから気づきました。緞帳が新調されてて素敵でした。企業の寄付らしいんだけど、緞帳ってお値段どのくらいするんだろうと思いました。


着物で観劇されてる方もちらほらいて、私もいつか着物で観劇したいなぁといつもながら思いました。
やっぱり素敵。


また面白い演目の時は足を運びたいです!