1年生の時の数学の時間のことである。
ゆきたんくはいつものようにうつらうつらとしていた。
ビシッと音がした。
1mの竹尺で机を叩いた音だった。
「ムーミンやくざ、なめているのかよぅ。」
数学の先生は言った。
確かに顔の輪郭はムーミンぽい。
表情の造りはやくざというよりも怒りっぽい人の顔だった。
「せっかく高校に通わせてくれている親に申し訳が立たないだろ。」
「親の住んでいる方向を向いて謝れ!」
と言う。
教室のベランダに出て、自宅の方を向いて大きな声で叫ぶ。
「お父さん、お母さん、ごめんなさい。これからは一生懸命頑張ります!」
他の教室も授業をやっているだろうに・・・
他の教科の授業の時にも聞こえてくる。その時にゆきたんくは目が覚めるのだ(笑)
「お父さん、お母さん、ご・・・」
おぉ、やってるやってる。
懺悔というのは、目が覚めるものなのであった。