伝えたんく

日々の何気ないできごとに感じた幸せ

旅の楽しみ⑭

2008-09-19 23:20:36 | 

 旅行を考えると、「あっちに行きたい、こっちに行きたい。」と行き先の候補がたくさん出てくる。計画を考えるうちに、休暇の日数や費用という常識とフィルターを潜り、自然淘汰されて行く。

 旅を重ねるうちにそれらが繋がっているのではないかと思えることも出てくる。
時は10年前の1998年5月。初めて中国地方を訪れた。場所は山口県だ。まだ旅行の楽しみ方を知らなかったゆきたんくが、奥方ののりたんに連れて行ってもらったのである。

 山口県出身の詩人「金子みすゞ」の故郷、長門市に行ったのだ。この時に、ゆきたんくのたびにつきものの朝の散歩が始まったと言ってもいい。その時は長門市内の地図を用意していなかったので、山口駅で借りたレンタカーで、「ちょっと遠出」をすることにした。長門市の北には「青海島(おうみじま)」という島がある。その島に渡り、未知の世界を覗くわくわく感を味わうことにした。

 ところが青海島入り口に当たる青海大橋から、終点の通(かよい)小学校までは、往復で20km足らず、早朝のドライブだったので30分もかからなかったのだ。

 宿泊先の青海島観光ホテルに戻り、のりたんとのりたんの友達、おーちゃんとつっくんもようやく起きたので、ゆっくりと朝食を食べ、どこに行こうと話をしていた。

 のりたん「青海島ってあるけれど、なんにもないよね。」、
 のりたんの友達「知らない所は、あんまり行かないほうが良いね。」 
 常識的な会話だ。しかしゆきたんくは
 ゆきたんく「朝行ってみたけれど、変な所ではなかったよ。」
 の「じゃあ、行ってみようか。」

 これは画期的な出来事である。のりたんがこのように言うのはめったにないからだ。

 そして青海島には見所がたくさん。ゆきたんくのはったりが良いほうに出たようだ。
 皇子島公園からの風景。長門の町がすっぽりと視界に入る。金子みすゞがこの風景を見て竜宮城と言ったという。


竜宮城の長門市

 現在、日本で夏みかんと言われている果物の原樹である、「大日比夏みかん原樹」という。びっくりしたのが鯨墓(くじらはか)だ。鯨は寒い所にしかいないと思っていたからだ。中国地方の山口と言えば九州の隣で暖かいという認識であった。
 そこに鯨の墓があるという。解説を見ると、ここ山口は捕鯨も産業のひとつだったという。そして捕らえた鯨の中には、胎に子を宿しているものもあったという。当然死んでしまう訳だが、生きて外の世界を見ることなく逝った子鯨の魂を慰めようと作られたのが鯨墓だというのだ。


青海島のくじら墓の前で

 6年の歳月が過ぎ、2004年におーちゃんの高校の選手がインターハイに出場するので応援に行くことにいた。もちろん家族旅行を兼ねてである。島根インターハイを見るとと同時に松江から出雲にかけて、そして隣の鳥取県にも足を伸ばした。

 鳥取では砂丘はもちろんのこと、境港の水木しげる氏関連の施設も見逃さなかった。つっくんのリクエストで「海とくらしの史料館」に行くことにした。のりたんとおーちゃんは車の中でダウンである。


「海とくらしの史料館」入り口にて

 かつてこの町が漁業で成り立っていた町であることが良く分る造りになっている。様々な魚類の剥製が並べられている。これでもかと並べられている。その奥には当時の漁師達の暮らしが分るように、当時の日用品の紹介がされている。

 中庭のような所があったので行ってみた。(もちろん、つっくんの後を追ってである。)そこには近隣の収集家から寄贈されたたくさんの蝶の標本があったり、市民のギャラリーがあったりした。

 そして、漁に使われた船もあった。
 びっくりしたのは、冒頭にある写真だ。
 何だと思います?
 体長30mを超える、世界最大の哺乳類の「シロナガスクジラ」の頭蓋骨がおいてあったのだ。当時中学2年生のつっくんがいるので大きさが想像できると思う。

 そこで「はっ」と思ったのが山口県の旅行のことだ。
 中国地方で捕鯨なんてしていたんだという認識。
 そして同じ日本海沿岸の地方。漁業が生業であったこと。

 今、世界的に捕鯨を認める雰囲気はないし、様々な問題も起きている。
 これだけ詳しく、地元の産業について分るようにできている史料館でさえ、訪れる人によっては見逃してしまうのではないかという所に、大した解説もなくシロナガスクジラの頭蓋骨が展示されている。

 さて、検証中の物件を1つ。
 中国地方の隣、四国地方(今夏、初めて訪れた)は高知県の桂浜を一望できる、坂本龍馬記念館南にある展望台でのこと。桂浜の写真を撮っていた時に、目に入ったのは。シロナガスクジラの水飲みである。


坂本龍馬記念館の駐車場傍にある鯨の水飲み

 中国・四国地方の水産業には何かのつながりがあるかも。

コメント (4)
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