日本の誇る世界遺産の一つ、岐阜県の白川郷。実は今年の8月に友人と出かけたのである。合掌造りが特徴の、雪深い山の中にある集落がそうだ。 そしてここには泊まれる合掌造りの宿があって「伊三郎」という宿にお世話になった。気さくな女将さん、美味しい食事、耳に心地よいせせらぎ。何をとっても都会ではお目にかかることのできないリラックスした空間がそこにあった。白川郷とお世話になった「伊三郎」についてはいずれ幸たんくで紹介することになるので、普段はお目にかかれないが心に残ったことに触れたいと思う。幸たんくの月別挨拶でも扱ったことがあるが、ここ伝えたんくでもあらためて取り上げたいと思う。
白川郷というと高台から見た集落の並びの美しさや、夜に雪中で三角屋根に明るく光る窓といった風情が一般的な情景として皆さんの頭の中にあると思う。もちろんゆきたんくもその風景を求めて(夏の旅行だから雪はないが)いたことは確かである。ところがそんな期待を上回るものに出会ってしまったのである。
ゆきたんくが旅行に出かける時には、必ず朝の散歩というメニューがある。例えばツアー旅行であっても、同行客に迷惑をかけることなく、自由に行動できる時間帯だからである。今回は仲間内の自由な旅行であったので、前の晩からウキウキしていた。お世話になった「伊三郎」さんは合掌集落のある荻町中心部ではなく、城山展望台(合掌集落全体を見渡せる場所…旧荻城址に当たる)近くの高い所にある。展望台にまっすぐに行けばいいのに、わき道があると入っていってしまうのはゆきたんく習性なので仕方がない。さすがねずみ年の男である。この辺りは基本的には稲作地帯。しかし土地の落差があるので棚田で稲を育てている。その棚田の途中にあったのが写真の農機具庫である。
さすが白川郷。農機具庫も合掌造りである。まぁ、当たり前のことなのだが旅行誌に載ることがないであろう合掌造り。ゆきたんくにはスポットライトを浴びているものよりも、このように陰に隠れている物の方が強い思い入れを持てるのである。みなさんも昔、そう小学生や中学生だった頃に大人しいんだけれども、何か気になる人がいたのではないだろうか?そんな初心な頃の気持ちを思い出させてくれた農機具庫であった。