Harumichi Yuasa's Blog

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授・湯淺墾道のウェブサイトです

台湾の電子投票導入検討

2011年08月01日 | 選挙制度
台湾で、電子投票を導入すべきかどうかの検討が行われている。
今年の5月12日には模擬投票が実施された。このことは以前にブログでも触れたが、中央選挙管理委員会は、国立政治大学に対して電子投票導入の意義についての調査研究の実施を委託している。その調査研究メンバーの一員である愉振華教授が7月7日に情報セキュリティ大学院大学を来訪され、林紘一郎学長を表敬訪問された。



愉振華教授から日本における電子投票導入の実情と問題点についてのヒアリングを受けたが、逆に私が質問したのは、なぜ台湾が電子投票導入を検討しているのかという点であった。
台湾で導入が検討されているのは、どうやら第2段階の電子投票(投票所間をネットワークで接続する方式)であるらしい。台湾では、実際に住んでいる場所と住民登録を行っている場所が一致しないという人が非常に多いのだという。実際には台北に住んでいるのに、住民票は地方にあるという人が多いらしい。
その理由はいろいろとあるようだが、税金逃れのためというのがユニークである。台北の高級マンションなどに住民票を移すと、なぜそのように家賃が高い、又は購入価格が高いマンションに済むことができるのかということになって、収入を低く申告していることがばれる恐れがあるので、自営業者や会社経営者は現在の居住地を正しく申告したがらない傾向があるのだそうだ。

ヒアリング終了後に夕食に行き、日本と台湾の研究環境の違いや、大学を取り巻く環境などについて歓談した。
近年、研究成果の発信が強く求められているのは、台湾でも事情は同じらしい。

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