Harumichi Yuasa's Blog

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授・湯淺墾道のウェブサイトです

2010年イギリス総選挙のインターネット選挙運動 10の教訓

2010年06月19日 | 選挙制度
「これはインターネット選挙ではなかった。インターネットなしにはあり得なかった選挙だったということだ。」という論評があった。

http://hansardsociety.org.uk/blogs/edemocracy/archive/2010/06/02/online-campaigning-10-lessons-from-the-general-election.aspx

今回のインターネット選挙運動からは10の教訓が得られたという。おもしろいので訳出してみる。

1 集中について。ブログを印刷すること、オンラインの討論を伴うテレビ、ツイッターがメディアの主流になった。これをコントロールすることは不可能であるから、コントロールしようとするのはやめたほうがよい。
2 効果的なツールほど魅力がない。データベースと電子メールのことを考えてみるとよい。
3 ツイッターは、メッセージを受け取るだけである。
4 広告の意義はさほどでもない。ソーシャルメディアからメッセージを受け取り、ツイッターで、ときに賢く、ときに活発で、ときに愚かな公衆の目に触れさせなければならない。
5 ウェッブサイトは選挙に非常に有用というわけではない。政策文書類の公開責任を果たす上では有用だが、ほとんどの人はそれを読まない。
6 支持者を得ようというなら、すでに支持者がいるところに行くべきだ。新たに作られた「選挙運動」スペースはソーシャル・キャピタルを欠いているし、選挙運動期間が延長されたとしても必要なレベルの信頼を得ることには十分ではない。
7 人々に自分を支持して欲しいなら、たっぷりと彼らの話を聞くこと。そして、彼らの会話をコントロールしようとするのではなく、彼ら自身にアジェンダを設定させること。
8 地元について。ソーシャルメディアは、継続的で幅広い戦略の一環として使うのなら適切であるが、地元民の集会やリーフレットを配ることの代用にしてはならない。
9 デジタルメディアは、成人イギリス人の生活の中に社会化、発見、議論をするためのものとして普及している。であるから、選挙のときには、彼らはインターネットを社会化、発見、議論をするために使うだけの話である。
10 これは、今回の選挙はインターネット選挙ではなかったということである。インターネットなしにはあり得なかった選挙だったということである。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする