おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

田辺聖子さん

2019-06-11 00:36:52 | 訃報
 小説家の田辺聖子さんがお亡くなりになりました。91歳でした。

 わ~~~~ん、めっちゃショックです。大好きな小説家さんでした。最初に読んだのは小学校5年生ぐらいだったと思います。当時、朝のラジオ番組で「おはようパーソナリティ中村鋭一です」というのがありました。ウチの母が鋭ちゃんの大ファンで、毎日「鋭ちゃんがこんなん言うたはった。あんなん言うたはった」と聞かされていたのですが、その中で田辺聖子さんのエッセイ「女の長風呂」のことがちょいちょい話題に上っていました。断片的に聞かされていたら、一度ちゃんと読みたくなって、単行本を買いました。「女の長風呂」は週刊文春に連載されていたエッセイで、そういう?雑誌ですので、小学校5年生が読むには「どうよ?」ってところもあったかと思いますが、ウチの両親はそういうのは全く無頓着で、特に注意もされずサクサクと読んでおりました。なかなかませたガキでした。際どい話題もさることながら、お聖さんとそのパートナーの「かもかのおっちゃん」って“人生を達観”したはるところがあって、そっちに影響を受けたような気がします。現に、中学生の時に先生に「人生を達観したような顔をしている」と言われましたから。

 その後、興味はエッセイから小説に移り、いわゆる“ハイミス”を主人公にした小説は、ちょうど自分も“ハイミス”だったので、共感できるところも多く、ほとんど制覇したと思います。大阪の街中が舞台で、地名とかお店とか「あぁ、あそこね」とわかるところが多くて、より感情移入して読みました。ただ、自分が“ハイミス”の時期が過ぎてしまうと、読んでも「主人公ってワタシより若いのよね」ってなり、さらに、お聖さんも時代小説を書かれるようになって、そのへんはあまり関心がなく、また、ここ10年ぐらいは、ご病気だったのか、新刊も出ることなく、なんとなく遠ざかっておりました。ただ、昨年、何の拍子か、芥川賞受賞作の「感傷旅行」を読んでいないことに気づき、ちょうど復刻版も出ていたので手に取りました。久しぶりのお聖さんの小説、「らしいなぁ」と思いながら読んでました。他にも読みたいと思ったのですが、お聖さんの小説って売れるから、いろいろな文庫がとっかえひっかえ出版していて、既に読んだのかどうかわからなくて、結局読まずじまいでした。

 そうそう、最初は芥川賞だったんですね。直木賞だとばかり思っていました。「中間小説の旗手」みたいな言われ方をされていたように記憶しています。イマドキは、中間小説っていう言葉自体が死語になっているんでしょうか。

 大阪の賢くておしゃれで可愛らしい“女の子”が書ける小説家さんだったと思います。ご冥福をお祈りいたします。
コメント (4)
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