昨日、松竹座で「七月大歌舞伎関西・歌舞伎を愛する会第二十五回」の昼の部を見てまいりました。夜の部を二週間前に見ているのですが、何かいまいち書く気が起こらず“放置”しております。そのうち、とは思っているのですが。
昼の部の演目と配役です。
「小さん金五郎」は大阪に実在した歌舞伎役者金屋金五郎と籠屋町の湯女で後に島之内の綿屋の抱え遊女となった小さんの悲恋物語だったそうですが、その話を浄瑠璃や歌舞伎に仕立てられると、髪結い金五郎と芸妓小さんという設定になり、もとは悲話だったのが喜劇風の味わいの濃い世話物になったそうです。これらをさらに昭和9年に大森痴雪が初世實川延若の追善興行の際に一幕ものとして上演されたのがこの作品です。
「世話物」とありますが、それらしき筋があるような、ないような、よくわからないまま終わりました。女髪結お鶴の吉弥さんが「お笑い」担当で、一人で全部持ってったような感じです。吉弥さんっていつもきちんとしてる印象があるので、あそこまで弾けたはるのはちょっと新鮮でした。“やっぱりあなたも関西人”って思いました。
タカタロさんと児太郎さんが姉妹芸者で登場しましたが、確か2年前?3年前?の松竹座の夏歌舞伎で勝海舟のお芝居の時にも、同じような設定でしたが、児太郎さん、本当に上手くなりましたね。色っぽいお姐さんになってました。玉ちゃんのご指導の賜物なんでしょうか。
吉太朗クンが仲居の役でご出演で、もう大人のお役をなさるようになったんですね。来月の上方歌舞伎会でも若旦那のお役で、いよいよ歌舞伎役者としてがんばるんやね、と親戚のおばちゃんの気分になりました。
「夕霧名残の正月 由縁の月」は藤十郎さんがご自分の襲名披露の時に新しく作られた舞踊劇で、前回夕霧のお役を先代の雀右衛門丈がお勤めになったご縁で、今回新雀右衛門さんが夕霧を勤められました。新雀右衛門さんに合わせて新たに作り直されたそうです。雀右衛門さんのお兄様の大谷友右衛門さん、甥御の廣太郎さん廣松さんが出演され、襲名を寿ぐって感じですね。30分弱の演目で、休憩しようかしらと思っているうちに終わりました。
昼の部のキリはお待ちかね、孝夫さんの与三郎です。今回、相手役が雀右衛門さんだったので、3階でいいかと思って3階にしましたが、やっぱり1階で見ればよかったとちょっと後悔しました。だって、孝夫さんオンステージなんですもの。客席のご婦人方は孝夫さんしか見ていない、オペラグラスの方向はみんな同じです。「孝夫さん、ゴメン」って思いました。
公開稽古で素でも十分与三郎だった孝夫さんですが、拵えをされると与三郎そのもの、前回も書きましたが、どこをどう切っても与三郎でした。「声よし、顔よし、姿よし」の孝夫さんしかできない与三郎でございます。見染めの場面のマジックのような羽織落としも、客席中、タメイキものです。っていうか、孝夫さんの一挙手一投足に客席がふわぁとします。
源氏店の場面は悪ぶってるんだけど、育ちの良さは隠せなくて、品のいいゴロツキ(←日本語、ちょっとおかしいですが)です。着物を裾を持ち上げたり、裾絡げにしたりと太腿があらわになるたびに「萌え~」って感じで、ここでも客席がふわぁとします。
昨日はまた大向こうさんがよくて、例の与三郎の名台詞の前に、「待ってました!」がそれはそれは気持ちよくかかり、舞台の上の孝夫さんもさぞやりやすかったのではないかと勝手に想像しています。孝夫さんの台詞、あのちょっと高い声もいいし、流れるような台詞回しもいいし、キュンキュンしました。
玉ちゃんのお富さんで見たいですね。赤間別荘付きで。絶対1階で見ますから。
お弁当は高島屋まで行けなくて、とん蝶です。
帰りに高島屋によって、仙太郎のくず桜を買って帰りました。この季節にぴったりでした。
昼の部の演目と配役です。
一、小さん金五郎
金屋橋の金五郎 鴈治郎
芸妓額の小さん 孝太郎
太鼓持六ツ八実は木津屋六三郎 亀 鶴
芸妓大村屋のお糸 児太郎
奈良屋権左衛門 松之助
千草屋女房お縫 寿治郎
千草屋娘お崎 廣 松
女髪結お鶴 吉 弥
広瀬屋新十郎 錦之助
二、夕霧名残の正月
由縁の月
藤屋伊左衛門 藤十郎
扇屋夕霧 芝雀改め雀右衛門
太鼓持鶴七 廣太郎
同 亀八 廣 松
扇屋三郎兵衛 友右衛門
扇屋女房おふさ 秀太郎
三、与話情浮名横櫛
木更津海岸見染の場
赤間別荘の場
源氏店の場
伊豆屋与三郎 仁左衛門
お富 芝雀改め雀右衛門
鳶頭金五郎 橋之助
番頭藤八 松之助
赤間源左衛門 團 蔵
蝙蝠安 歌 六
和泉屋多左衛門 梅 玉
金屋橋の金五郎 鴈治郎
芸妓額の小さん 孝太郎
太鼓持六ツ八実は木津屋六三郎 亀 鶴
芸妓大村屋のお糸 児太郎
奈良屋権左衛門 松之助
千草屋女房お縫 寿治郎
千草屋娘お崎 廣 松
女髪結お鶴 吉 弥
広瀬屋新十郎 錦之助
二、夕霧名残の正月
由縁の月
藤屋伊左衛門 藤十郎
扇屋夕霧 芝雀改め雀右衛門
太鼓持鶴七 廣太郎
同 亀八 廣 松
扇屋三郎兵衛 友右衛門
扇屋女房おふさ 秀太郎
三、与話情浮名横櫛
木更津海岸見染の場
赤間別荘の場
源氏店の場
伊豆屋与三郎 仁左衛門
お富 芝雀改め雀右衛門
鳶頭金五郎 橋之助
番頭藤八 松之助
赤間源左衛門 團 蔵
蝙蝠安 歌 六
和泉屋多左衛門 梅 玉
「小さん金五郎」は大阪に実在した歌舞伎役者金屋金五郎と籠屋町の湯女で後に島之内の綿屋の抱え遊女となった小さんの悲恋物語だったそうですが、その話を浄瑠璃や歌舞伎に仕立てられると、髪結い金五郎と芸妓小さんという設定になり、もとは悲話だったのが喜劇風の味わいの濃い世話物になったそうです。これらをさらに昭和9年に大森痴雪が初世實川延若の追善興行の際に一幕ものとして上演されたのがこの作品です。
「世話物」とありますが、それらしき筋があるような、ないような、よくわからないまま終わりました。女髪結お鶴の吉弥さんが「お笑い」担当で、一人で全部持ってったような感じです。吉弥さんっていつもきちんとしてる印象があるので、あそこまで弾けたはるのはちょっと新鮮でした。“やっぱりあなたも関西人”って思いました。
タカタロさんと児太郎さんが姉妹芸者で登場しましたが、確か2年前?3年前?の松竹座の夏歌舞伎で勝海舟のお芝居の時にも、同じような設定でしたが、児太郎さん、本当に上手くなりましたね。色っぽいお姐さんになってました。玉ちゃんのご指導の賜物なんでしょうか。
吉太朗クンが仲居の役でご出演で、もう大人のお役をなさるようになったんですね。来月の上方歌舞伎会でも若旦那のお役で、いよいよ歌舞伎役者としてがんばるんやね、と親戚のおばちゃんの気分になりました。
「夕霧名残の正月 由縁の月」は藤十郎さんがご自分の襲名披露の時に新しく作られた舞踊劇で、前回夕霧のお役を先代の雀右衛門丈がお勤めになったご縁で、今回新雀右衛門さんが夕霧を勤められました。新雀右衛門さんに合わせて新たに作り直されたそうです。雀右衛門さんのお兄様の大谷友右衛門さん、甥御の廣太郎さん廣松さんが出演され、襲名を寿ぐって感じですね。30分弱の演目で、休憩しようかしらと思っているうちに終わりました。
昼の部のキリはお待ちかね、孝夫さんの与三郎です。今回、相手役が雀右衛門さんだったので、3階でいいかと思って3階にしましたが、やっぱり1階で見ればよかったとちょっと後悔しました。だって、孝夫さんオンステージなんですもの。客席のご婦人方は孝夫さんしか見ていない、オペラグラスの方向はみんな同じです。「孝夫さん、ゴメン」って思いました。
公開稽古で素でも十分与三郎だった孝夫さんですが、拵えをされると与三郎そのもの、前回も書きましたが、どこをどう切っても与三郎でした。「声よし、顔よし、姿よし」の孝夫さんしかできない与三郎でございます。見染めの場面のマジックのような羽織落としも、客席中、タメイキものです。っていうか、孝夫さんの一挙手一投足に客席がふわぁとします。
源氏店の場面は悪ぶってるんだけど、育ちの良さは隠せなくて、品のいいゴロツキ(←日本語、ちょっとおかしいですが)です。着物を裾を持ち上げたり、裾絡げにしたりと太腿があらわになるたびに「萌え~」って感じで、ここでも客席がふわぁとします。
昨日はまた大向こうさんがよくて、例の与三郎の名台詞の前に、「待ってました!」がそれはそれは気持ちよくかかり、舞台の上の孝夫さんもさぞやりやすかったのではないかと勝手に想像しています。孝夫さんの台詞、あのちょっと高い声もいいし、流れるような台詞回しもいいし、キュンキュンしました。
玉ちゃんのお富さんで見たいですね。赤間別荘付きで。絶対1階で見ますから。
お弁当は高島屋まで行けなくて、とん蝶です。
帰りに高島屋によって、仙太郎のくず桜を買って帰りました。この季節にぴったりでした。