「男の隠れ家ー陶酔庵」日記

いろいろあってまだ生きてます。世捨て人を気取りながら、その高みにはほど遠い俗世の世迷い人生、命だけが通り過ぎてゆきます。

「高田 渡」的なるものへの憧れ

2006年10月08日 | 「放浪」への憧れ

今回投稿の記事はほぼ別ネタで決定していたのですが、急遽、差し替えです。
と言うのも4月17日付け、朝日新聞の朝刊の社会面にある人の訃報が載った。

フォークの神様、岡林信康氏らとともに世相を風刺し、
常に批判のメッセージを送り続けた高田渡さんの訃報であった。

知らない人も多いと思うが、僕らの世代の人なら
「自衛隊へ入ろう」と言う逆説的メッセージの曲は知っているだろう。
実は私もその類で、昨年、NHK-BSで放送された、
ETV特集「フォークであること」~高田渡と高石ともや~を見てから、
その後、数本のドキュッメンタリーをあさるように見た一人だ。

TBSで放送された筑紫哲也さんとの対談で、「高田 渡さんが年下です」
と言うユーモラスなテロップが流れるほど、その風貌は享年56歳とは
思えないほどふけて見え、対談の途中で酒のため寝込んでしまうほどの
酒好きで世間の目を意識しない生き様は私の心に深く刻み込まれ、
その風貌、言葉、酒、それらからかもし出される雰囲気のとりこになった。
気ままで旅が日常の風景であると言う高田渡。

このブログのタイトルに影響を与えた一人であり、そのタイトルを
地で生きた人である。その意味でも強い憧れを抱いた人であった。

残念である。種類は異なるが、開高 健氏を亡くした日以来の哀しみを覚えた。

高田 渡さんが亡くなる直前のコンサートで最後に唄ったといわれる曲、
「生活の柄」の歌詞を紹介して、ご冥福を祈りたい。出来れば本人の風貌とともに
曲を味わって聴いて欲しい・・・・・・

「生活の柄」 作詞、作曲  高田 渡

「歩き疲れては 夜空と陸との、
隙間にもぐりこんで
草に埋もれては寝たのです
ところかまわず 寝たのです

歩き疲れては
草に埋もれて 寝たのです
歩きつかれ 寝たのですが
眠れないのです

近ごろは眠れない
陸をひいては眠れない
夜空の下では 眠れない
ゆり起こされては 眠れない
  
歩き疲れては
草に埋もれて 寝たのです
歩き疲れ 寝たのですが
眠れないのです

そんなボクの 生活の柄が
夏向きなのでしょうか
寝たかと思うと 寝たかと思うと
またも冷気に からかわれて

秋は 秋からは
浮浪者のままでは眠れない
秋は 秋からは
浮浪者のままでは眠れない

歩き疲れては 夜空と陸との
隙間にもぐり込んで
草に埋もれては寝たのです
ところかまわず 寝たのです

歩き疲れては
草に埋もれて 寝たのです
歩き疲れ 寝たのですが
眠れないのです   」

現代の吟遊詩人、放浪の唄い人に乾杯!


2005年4月18日掲載


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「旅先三日目」

2006年10月07日 | 「放浪」への憧れ

先日放送されたテレビ番組、「情熱大陸」で作家・角田みつよ氏をとりあげ、
その中でひとつのエッセイが紹介されました。
わたしの五感をチクリと刺激されましたので、すでにご存知の方もいるかと思いますが紹介します。

 角田みつよ 「旅先三日目」

旅に出る。見知らぬ町に着く。
幾度も迷いながらあるきまわり、だいたい三日目に、
自分が、まるごとその町に溶けこんでしまったような錯覚を抱く。
体が急に軽くなる。
仕事も名前も年齢も、私はなんにも、持ち得ない、
持っていたとしてもここではまったくの無用だと気づく。
それはちっともさみしいことではなくて、むしろすがすがしい気分である。

旅から帰ってくると、つい、何か持っているような気になってしまう。
仕事、家、友、約束、銀行口座、名前、年齢。
実際私たちはそうしたものを背負って日々よろよろと暮らしていて、
ひとつでも失うとなんとはなしに不安になる。
けれど実際のところ、本当には、私はなんにも持っていないんじゃないか。
持っている気になっているものすべては、思い込みとか、
一時的に預かっている何かなんじゃないか。
そのことを忘れそうになると、私はいつも、あわてて旅に出る。
旅先三日目のあの空っぽな気分を思い出すために。



2005年4月5日掲載


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サウダーデ     

2006年10月06日 | 「放浪」への憧れ



   
       サンタクルスの浜辺                    サンタクルスの夕陽


先日の福岡沖地震の翌日の朝日新聞、「天声人語」に
「玄界灘を望む能古島では作家・壇一雄が晩年を過ごした。・・」
と書いてあるのを見て、
ふとポルトガルの小さな村、サンタクルスを思い出した。

そう、放浪の作家・壇一雄が 晩年、一年半とう留して
小説「火宅の人」を書き上げたポルトガルの小さな漁村、サンタクルス。
そこには「落日を拾いに行かむ海の果て」と刻まれた石碑があり、
壇一雄が愛した酒場では今もポルトガルの民謡、ファドの哀愁を帯びたメロディと共にあの「ダン」と呼ばれるワインが飲まれている。

あのファドの女王、アマリア・ロドリゲスが映画「過去を持つ愛情」の中で
「暗いはしけ」を唄い、日本中で一躍有名になったファド。

そのファドの心を表す言葉が「サウダーデ」ー哀愁とか郷愁などと訳されますがー
何か言葉で言い尽くせない、深い哀しみを背負っているようです。
そのもの哀しいメロディーは、
私の心をポルトガルの小さな浜辺の漁師の村サンタクルスへと誘います。

2005年4月4日掲載


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コーヒーカップとなぜか関係のないお知らせ!

2006年10月05日 | 陶芸作品

Data:粘土・信楽白土、釉薬・青白磁、酸化焼成

お知らせだけでは、ちと大げさに思えて照れ隠しにコーヒーカップの写真を掲載します。

実は私は昨年4月に開設して数記事で完結したもう一つのブログを手付かずのままほったらかしにしております。

全く陶芸と関係のない胸の内の小さな思いを書いた恥ずかしいブログですが、
この際このブログに転居させ閉鎖しようと考えました。
そういう訳で、ここ数日、雰囲気の違う記事が掲載されることになりますが、
よろしくお願いします。

タイトル:「放浪」への憧れ-Photo Diary
紹介文 :芭蕉の辞世の句 「旅に病んで 夢は枯野をかけ廻る」に今の自分の人生
     を重ね合わせて、放浪への憧れを書きたいと思います。

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これ、けっこういけまっせ!・・・秘密兵器登場

2006年10月04日 | 陶芸小道具

読者  「なにがやー?」
ansyu 「なにがやって、これでんがなー」
    「なにすんねん?」 
    「こんで、ぷしゅーっとかけまんのやー」
    「何を?」
    「釉薬でんがなー」
    「おま、アホちゃうかー、そんなんこうたらええがなー」
    「何をー?」
    「きりふっきゃー」
    「そない、ゆうたかて、3000円しまんのやでー、わて貧乏症でっしゃろー」
    「そない金おしんどったら、名人にゃならへんでー」
    「そーでっしゃろかー?」
    「おま、ほんまなる気かいなー?」
    「・・・・・・・・・・・」 


陶芸教室にはエアーコンプレッサーのスプレーガンがあった。
カップに釉薬を入れて吹き付ければそれで出来た。
自宅にはそんな高いもんは無い。

釉薬を霧状に吹きかける霧吹きが欲しくて探してみた。
今頃、フマキラーの殺虫剤を持っている人もさすがに無く、
ファブリーズの容器では水でも出が悪い。
購入すると霧吹き(口で吹く)タイプが3,000円、フマキラーの噴霧器が2,200円、
妻は「買えばいいじゃない!」と言う。しかし貧乏症の私は何か代用できるものが無いかと考えた。

倉庫をあせくっていたら、昔、イングリッシュガーデンとやらに憧れガーデニングに凝っていた時期があって、
バラに虫がついた時、木酢液を薄めて噴霧していた蓄圧式噴霧機が出てきた。

なんとも大仰な装置だが、とにかく理屈は同じ。
こんなに大きいのにたったの980円。それにしてはフマキラー、高すぎる。

さっそく石灰透明釉を入れて、試してみた。
ポンプのハンドルを5回も押したら、プシューといい音が

最初こそ透明な水分だけが出てきたが、すぐに真っ白な石灰透明釉が
手元のレバーで操作も出来る。よし、これで行こう。

    「よっしやー、これ、背中にかろたろーかー」
    「保健所の消毒のおばちゃんやー」



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3ヶ月ぶりの素焼きでガッカリ!!

2006年10月02日 | 焼成

実に7月以来3ヶ月ぶりの素焼きである。
これまで窯の中がガラガラの素焼きが続いたので、電動ロクロでの練習を兼ねた小さな作品を貯め込んで、
いつもよりは窯の中は埋まった。

しかし、そのことが裏目に出たのだろうか。



9月22日の記事「初めての赤土で粉引きに挑む!」に書いた期待のタタラ扁平丸皿長径30cm2枚と
右下の五斗蒔白土の半切りタタラ角皿長径32.5cm1枚の写真手前3枚になんとヒビが







両方ともに、初めての粘土での作品で、大きさも大きく、ショックも大きかった。

しかし、まー、気を取り直して、初めての粘土なのでテストの意味でも本焼きをしてみようと決めた。

窯詰めの写真で何かお気づきの点がありましたらご教示ください!!

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自家製天然藁灰作りのその後とセッカチ親父

2006年10月01日 | 釉薬
9月24日の記事「自家製天然藁灰作りに挑む!」に、天然藁灰作りに挑戦を始めたこと、
それから水に浸しアク抜きに数ヶ月かかる(虎の巻によると)事を書いた。

しかし、やはりこのセッカチ親父がそんな呑気な、気の長ーい話しに付き合えない事はわかっていた。
junさんのアドバイスが同記事にあったとはいえ、その後の動きは早かった。

アク抜きのために水を交換することたった3回、まだヌルヌルも残る状態で、とうとう100均で買った
何メッシュか分からないメッシュで濾し乾燥に入ってしまった。
この親父、セッカチなだけでなく実にいい加減でオオザッパである。







何マイクログラムどころか結構見たところ取れそう。うれしいーー!!
と言うことで今はテルテル坊主です。





その濾した灰の一部を再び水に溶き単体でテスト皿に塗ってみました。
これが第1段階のテスト。うまくいけばいいなー、なぞと願いつつ・・・

数ヶ月と書きながらたった一週間も我慢できないこらえ性の無い自分につくづくあきれました。とさ・・・

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