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須賀敦子書評集 「本に読まれて」

2019-06-29 17:38:30 | 読書
一時帰国時に入手する本のほとんどは丸善か銀座の教文館で購入するのですが、この本は銀座のMUJIの書籍コーナーで偶然見つけました。


須賀さんの書評を集めたこの本に目を通したかったのは池澤夏樹の小説「スティル・ライフ」の解説を読みたかったからです。

「須賀敦子の本棚」で池澤さんが、「スティル・ライフ」を文庫にする時に須賀さんに解説を書いていただいたこと、とても立派な書評でありがたかったことなどと述べていました。


でも電子書籍版ではその解説は掲載されていませんでした。


今回「本に読まれて」でようやく読むことができました。
立派な書評であることはもちろんですが、最後の文章が特に印象に残りました。
「---いま、私は現代の日本がこのように明晰で心優しい作家をもっていることを、ほこらしく思う」

ここで紹介されている本のほとんどを私は読んでいないのですが、未読の本にいつか目を通したいと思わせるような含蓄のある言葉で各書籍の魅力が綴られています。

例えば書評の一部が文庫本のカバーに記載されているアナイス・ニンの小説「コラージュ」もいつか読んでみたいです。
「---言葉がほとんど絵画のような種類の慰めを持ってきてくれる、画家がくれるような休息を書物からもらうことがある」

そういえば今日(6月29日)は盛岡市の画廊で「一日だけの須賀敦子展」が開かれるということを先日偶然に知りました。
この本の解説を書かれている大竹昭子さんが撮影した須賀敦子と関わりの深いミラノ、ヴェネツィア、ローマの写真作品を展示、末盛千枝子さんとのトークイベントもあるのだそうで、参加できないのが残念です。
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