A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

このアルバムのミステリー・・・というか詐欺じゃないの?

2012-02-12 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Village Vanguard live session 3 / Thad Jones & Mel Lewis big band

サドメルの良さはライブで一層引き立つというのは、そのライブを実際に聴いた人の大方の感想だ。それも、大きなホールよりも目と鼻の先で聴ける小さなクラブでの演奏で。その意味では、サドメルの発祥の場であるビレッジバンガードはサドメルを聴く場としては最高の舞台である。ファーストレコーディングは、まさにこのビレッジバンガードへの初登場のライブであったが、その後も2枚のアルバムを通じてサド・メルのライブの良さが分かった。メルルイスオーケストラ、そしてVJOになってもその歴史は引き継がれていて、ビレッジバンガードでのライブアルバムは多い。

‘90年代になって”VILLAGE VANGUARD 3”とタイトルされた、このサド・メルのアルバムがリリースされた。録音日をディスコグラフィーで見ると70年11月。70年代に入るとヨーロッパツアーの各地でのライブアルバムが出ているが、丁度その頃のビレッジバンガードでのライブというのは今までリリースされていなかった。期待をして購入したのだが。

まずは、聴いてみてあまり最初のライブアルバムと感じが何も変わらない。ライブだと日によってもプレー内容が変るのに、3年経っても変らないとは・・・そんなオーケストラではなかったのではと、少し違和感を覚えたのを覚えている。そして、聴き返す事も無くこのアルバムはそのままお蔵入りをしていた。

今回棚卸しをしていることもあって、このアルバムを再び手にして色々調べてみた。
ライナーノーツには何の記述も無い。プロデューサーのソニーレスターの一言のみ。あとは曲名とパーソネルだけだ。曲も同じデビュー直後のレパートリーと同じ。70年というと、2枚目のスタジオ録音の”Central Park North”がすでに発売されていたので、当然このアルバムからの曲がライブにあっても不思議ではないのだが。

さらに、メンバーもよくよく見ると67年当時のメンバーだ。ボブブルックマイヤーの名前もある。ブルックマイヤーは68年に退団して西海岸へ移っているので、70年の録音で彼の名前がクレジットされているのが決定的におかしい。トランペットセクションを見ると、普段はサドジョーンズ以外に4人のトランペットがいるがクレジットには3人のみ。これもおかしい。’67年のライブ録音と同じとなると、トランペットセクションにはこの3人に、ビルベイリーと、マービンスタムが加わった5本編成になっている。

という訳で、このアルバムが’70年11月15-17日というのは誤りで、多分メンバーを見ると67年の最初のライブアルバム‘67年4月27-28日と同じではないだろうか。この週は毎週月曜日の定期出演とは別に24日~29日まで連続出演しているので、他の日のセッションの別テイクとも思ったが、さらに不思議なことがある。ジャケットにはSecond Raceの演奏時間が14:45とあるが、実際には10:32しかないいい加減さ。他の曲も前のアルバムと較べて時間の違いはサドジョーンズの喋りの時間の長短だけ。曲の中身も実はLIVE at VillageVanguardとひょっとしたら同じかもしれない。どうりでソロのフレーズも似すぎていると思った。

そもそもこのアルバムは、プロデューサーのソニーレスターが後になって、自分がプロデュースしたアルバムを再発した時に、ビレッジバンガードでのライブを集めた3枚組のアルバムを作った。それをバラしてNo.3をサドメルのアルバムにしたもの。サドメルのライブのNo.3という訳ではない様だ。サドメルファンとしてはタイトルを見れば当然サドメルの3枚目と誤解してしまう。ちゃんとしたディスコグラフィーにも、'70年録音の別アルバムとして紹介されているが、果たして真実の程は・・・?

いずれにしても、最初のLive at Village Vanguardを持っていれば、手にする必要の無いアルバムなので参考まで。棚卸しをしてみて聴いてあまり感動しなかった謎が解けた。
最近は再発物に未発表曲をボーナストラックで入れているのが多く食指が動くが、中身を吟味するのに一苦労する。

1. Don't Git Sassy       8:40
2. Little Pixie         10:35
3. The Second Race      14:45
4. Willow Tree         5:00
5. Ah' That's Freedom     9:23
6. Quietude          5:00
7. Bachafillen         8:50

Thad Jones (flh)
Jerome Richardson (as)
Jerry Dodgion (as)
Eddie Daniels (ts)
Joe Farrell (ts)
Pepper Adams (bs)
Snooky Young (tp)
Jimmy Nottingham (tp)
Richard Williams (tp)
Bob Brookmeyer (vtb)
Garnett Brown (tb)
Tom Mcintosh (tb)
Cliff Heather (btb)
Roland Hanna (p)
Richard Davis (b)
Mel Lewis (ds)

Recorded live at The Viillaeg Vanguard on November.15-17, 1970 (とはなっているが?)
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プレー振りが「様」になるビッグバンドのリーダーは・・・

2012-02-10 | MY FAVORITE ALBUM
Gil Fuller & The Monterey Jazz Festival Orchestra featuring Dizzy Gillespie

トランペットを吹くビッグバンドリーダーはバックにバンドを従えたプレー振りが様になる。ハリージェームス、メイナードファーガソン、そして御大ディジーガレスピーも。
ガレスピーはどんな編成でも自分のプレーをアピールできるが、ビッグバンド好きなのかいつの時代にも話題になるビッグバンドを編成してアルバムを残したり、コンサードをしたりしていた。そのビッグバンドでのプレーは一段と熱が入る。
レギュラーバンドを持つと、どうしてもバンドのイメージ自体が固定してしまうが、ガレスピーは「BOPの夜明け」から、「フュージョン全盛期」まで時代に合わせて、またアレンジに合わせて変幻自在なプレーを聴かせてくれる。また、ニューポートのライブのように聴衆を目の前にするとノリが一段と増してくるのが伝わってくる。

このアルバムもガレスピーをフィーチャーしたビッグバンドだが、色々背景が面白い。せっかくなので紹介しておこう。
まず、このオーケストラは1965年のモンタレージャズフェスティバルに特別編成されたオーケストラ。その点では、先日紹介した“JAZZ GARA BIG BAND”とも似たような経緯だ。この‘65年のモンタレーは、ルイアームストロングの生誕65周年を記念してトランペットを賞賛するテーマが設定された。ガレスピー自身は、今回だけでなくこのモンタレーのフェスティバルには色々尽力をしてきたそうだが、この年も裏方だけではなくトランペットプレーヤーとしても当然舞台に立った。そのバックをこの特別編成のオーケストラが務めた訳だが、そのアレンジと指揮を一手に引き受けたのがギルフラー。ガレスピー自身のビッグバンドは、それまでの色々なアレンジャーを起用したが、バップスタイルの演奏といえばこのギルフラーとの付き合いは長かった。その点では、テーマの趣旨に合わせるには最適な組み合わせだったのかもしれない。

このような流れになると、昔を懐かしみバップオーケストラの再現になるのが世の常だが、中身を聴いてみると実にモダンなサウンドでびっくりする。十八番の“Groovin’ High”や”Things To Come”を捩った“Things Are Here”は確かにバップスタイルの影響は受けているが、他は曲の選定を含めて新しい時代を反映している。またメンバーもウェストコーストのメンバーが集っていて、また、編成自体も通常の編成にフレンチホルンを4本も加えたのもサウンドが新鮮に聞こえる一因かもしれない。

さらには、普通であればモンタレーの舞台での演奏のライブを記録に残すのだが、このアルバムは本番を前に3日間かけてじっくり作られた。したがって、ぶっつけ本番のライブとは違って特別編成のオーケストラとはいってもどの曲も完成度が高い。
これだけ念入りに下準備ができたフェスティバル用の編成だったので、本番の舞台もさぞかし素晴らしい演奏だったと思うが、オーケストラをバックにしたガレスピーの演奏している姿も一段と様になっていたと思う。



1. Man from Monterey         Moore, Moore, Webster
2. Angel City             Fuller
3. Love Theme from "The Sandpiper"  Mandel, Mandell, Webster
4. Groovin' High           Coburn, Gillespie, Paparelli, Parker…
5. Be's That Way           Burns, Fuller, Fuller
6. Big Sur              Fuller
7. Moontide              Fuller
8. Things Are Here          Gillespie

Dizzy Gillespie       Composer, Trumpet
Gil Fuller          Arranger, Conductor

Harry "Sweets" Edison   Trumpet
John Audino        Trumpet
Freddie Hill        Trumpet
Melvin Moore        Trumpet
Jim Amlotte        Trombone
Lester Robinson      Trombone
Francis Fitzpatrick    Trombone
Buddy Collette       Reeds
Gabe Baltazar       Reeds
Jack Nimitz        Reeds
Carrington Visor, Jr.   Reeds
Bill Green         Reeds
Sam Cassano        French Horn
Alan Robinson       French Horn
Herman Lebow        French Horn
David Duke         French Horn
Phil Moore         Piano
Jimmy Bond         Bass
Dennis Budimir       Guitar
Earl Palmer         Drums

Richard Bock Producer
Recorded at Pacific Jazz Studios Los Angels on October 1965

Monterey Jazz Festival Orchestra
Gil Fuller & Dizzy Gillespie/td>
Blue Note Records
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ブルックマイヤーにとってはこのアルバムへの参加も将来に向けての布石だった・・・・

2012-02-09 | MY FAVORITE ALBUM
Gerry Mulligan The Concert Jazz Band ‘63


ボブブルックマイヤーが長年付き合っていたのはスタンゲッツだろう、では一番濃く付き合った相手はというと、それはジェリーマリガンかもしれない。マリガンとブルックマイヤーのピアノレスカルテットは時代を象徴するグループの一つだった。そして、マリガンは60年の3月に前の年から準備を進めていたConcert Jazz Bandを立ち上げた。セプテットなどはあったが、通常のビッグバンド編成に近い大きな編成のレギュラーバンドを組んだのはこれが最初であったろう。ニューヨークで旗揚げしたバンドは、その名の通りレコーディングのためだけの編成ではなくクラブへ出演もし、その年のニューポートジャズフェスティバルにも参加して、各地でまさにその名の通り“コンサート”を行った。

もちろんブルックマイヤーもこのメンバーの一員として最初から参加していたが、ブルックマイヤーはこのバンドでもう一つ重要な役割を果たした。アレンジャーとしてのブルックマイヤーだ。ジェリーマリガンも作編曲は得意。したがって彼ら2人の参加したグループは小編成であっても、きっちり計算された曲仕立てがいつもなされていた。
今回は大きな編成だったので、それぞれのアレンジャーとしての腕の見せ所も今まで以上に広がった。そしてこのコンサートバンドは最初から2人のアレンジだけでなく、最初メンバーとて参加していたビルホルマンや、ジョニーマンデル、ジョージラッセルなどのアレンジなども使っていたが、いわゆるベイシースタイルのビッグバンドとは一味も二味も違うサウンドであった。

それから、約2年経った1962年の12月にこのアルバムは録音された。2年弱の活動であったが、流石にツアーを渡り歩くだけでは経済的にも厳しくコンサートバンドとしての活動は62年には縮小してしまっていた。この録音の前もマリガンはポールデスモンドやブルックマイヤーとのコンビでコンボの演奏は各地で行っていたが、このコンサートバンドの面々が集るのは久々であった。

バンドの主要メンバーであるクラークテリーやジーンクイルは参加しているが、ドラムのメルルイスはこの録音には参加していない。そして、このアルバムにアレンジャーとして新たに加わったのがゲイリーマクファーランドである。62年はアレンジャーとして多くのアルバムにも参加し、大きく飛躍をした年だ。マリガン、ブルックマイヤーのアレンジに加えて、このマクファーランドのアレンジもこのバンドのコンセプトにはピッタリだし、よりモダンになっている。

ブルックマイヤーは、自分の曲でトローンボーンではなく、ピアノを弾いている。エバンスとピアノの共演アルバムを作っている位なので、ブルックマイヤーのピアノのプレーは決して余興ではなく彼の音楽の表現の手段のひとつであろう、このアルバムのピアノのプレーもシンプルだが実に印象的だ。

そして、このオーケストラもこれからという時に、第一期のマリガンのビッグバンドはこの録音を最後にしばらく活動を休止してしまう。ブルックマイヤーが自分のアレンジを持って盟友メルルイスと供にサドメルのオーケストラに参加したのはそれから3年の後。このマリガンのビッグバンドで色々試した事を、再びチャレンジする場をサドメルのオーケストラに求めたのだと思う。

1. Little Rock Getaway
2. Ballad
3. Big City Life
4. Big City Blues
5. My Kinda Love
6. Pretty Little Gypsy
7. Bridgehampton South
8. Bridgehampton Strut


Gerry Mulligan    (bs,cl,p)
Clark Terry      (tp,fhl)
Nick Travis      (tp)
Doc Severinsen   (tp)
Don Ferrara     (tp)
Bob Brookmeyer  (vtb,p)
Willie Dennis     (tb)
Tony Studd      (btb)
Gene Quill      (as,cl)
Eddie Caine     (as,fl)
Jim Reider      (ts)
Gene Allen      (bs)
Jim Hall        (g)
Bill Crow       (b)
Gus Johnson     (ds)

Arranged by Bob Brookmeyer,Gary McFarland,
Produced by Jim Davis
Engineer Ray Hall

Recorded on Dec.18-21.1962, in Webster Hall, New York City
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同じ楽器の競演をよくバトルというが・・・

2012-02-08 | CONCORD
Scott's Buddy / Scott Hamilton & Buddy Tate





60年代のスイングジャーナルを見ていたら、当時はよくドラム合戦とかドラムバトルとかが行われていた。有名ドラマーを複数舞台にのせて技を競うショー的な要素もある企画だ。いつもは裏方のドラムがこの時ばかりは主役になる。視覚的にもドラムソロは絵にはなるが、大体は終わってみればただそれだけ・・?という感じであった。

その延長上で、同じ楽器同士のバトルもよく企画される。レギュラーグループでは、アルトのフィルウッズ&ジーンクイル、テナーのズートシムス&アルコーンなどが有名だ。同じタイプであり音色の2人の演奏であり単独のプレーよりも、アンサンブルや掛け合いが加わる分だけスリルがある。この前の、ペッパーアダムスのバリトンの競演もその類だ。
こおアルバムの主役、バディーテイトが参加した、スイング派のテナー4人がご機嫌なバトルを繰り広げるアルバムもあった。

このアルバムもそのような意味ではテナーバトル、とはいうものの2人は親子ほどの年の差がある。事実、ハミルトンはテナーを始めた頃、最初に手本として学んだのがこのバディーテイトだった。実際に、ハミルトンの出身地ボストンにテイトが来た時には、何度か聴きに行ったこともあったそうだ。ということは、この2人の場合はバトルといっても師弟対決といったところ。普通であれば弟子が師匠を越えられるかが興味の対象になるが・・。

ハミルトンは、その後コールマンホーキンズやレスターヤングなど多くのスイング派のプレーを取り入れて、自分のスタイルを築きつつあった。したがって、2人が競演するからといって完全なテイトのコピーというわけは無い。しかし、2人がお互いを意識するところは自然と出てくる。息遣いなどはいつものハミルトンとは多少違うようにも聞こえる。実は、この2人の共演はConcordでは2枚目。レコーディング以外にもセッションの機会は何度も持っている2人の間柄だった。

バディーテイトは、カウントベイシーバンドの出身で、オリジナルカンサスシティーバンドの一員。当然のように、バンド全体の雰囲気もベイシースタイルになってくる。特に、ピアノのナットピアースはベイシーの影武者も務められる程ベイシースタイルのピアノを得意としている。ところが、ピアスもベイシーそっくりというのは"Swingin' Away"だけ。ギターのコリンズも確実なリズムを刻むところなどはフレディーグリーンを思い起こさせるが、しっかりソロもしている。バンド全体の響きもカンサスシティーサウンドをベースにはしているが、メンバーの持ち味をそれぞれ出し合ったオリジナルサウンドだ。
ハミルトンもテイトの間も師弟関係はすでに卒業し、立派にテイトと渡り合える関係に育っていた。ベテランにとって、後継者が立派に育ってきているのを見届けるのは楽しいものだ。そのような後輩を見ると、後進に後を譲って引退というよりは、ますます元気になるのは何の世界でも同じこと。テイトもこのレコーディングから20年以上活躍したが、2007年アリゾナに引退した途端に他界してしまった。

1. There Will Never Be Another You      Gordon, Warren
2. Everything Happens to Me         Adair, Dennis
3. Scott's Buddy               Pierce
4. Swingin' Away               Tate
5. Close Your Eyes              Petkere
6. I Want a Little Girl           Mencher, Moll
7. Scott's Soup               Tate
8. Doggin' Around              Battle,Evans

Scott Hamilton Tenor sax
Buddy Tate   Tenor sax
Nat Pierce   Piano
Cal Collins   Guitar
Bob Maize    Bass
Jake Hanna   Drums

Produced by Cark Jefferson
Engineer Phill Edwards

Recorded on August 1980 at Coast Recorders, San Francisco, California

Originally Released on Concord CJ-148
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いつもは悩まされる北風も、たまにはいいことが・・・・

2012-02-06 | SHOT OF THE DAY
冬のゴルフは唯でさえ寒いのに北風が吹くと寒さが身に染みる。関東平野の北側はいわゆる赤城下ろし、上州名物の空っ風が有名だ。埼玉北部の熊谷でもこの風に見舞われることがあるが、この風の日のプレーは覚悟が必要だ。

ホームコースは、設計者の好みらしいが唯でさえフェアウェイが狭い。強い風にボールを持っていかれるとすぐに林の中に。アウトもインも上がりホールはこの北風に向かってアゲンスト、どちらのホールもパーオンが厳しくなる。池が2つ絡む難しいミドルホールもアゲンスト・・・などなど。どうもこの北風が吹くと難しくなるホールが多い。
ところが反対に15番のロングはフォローのご利益を得られる。

その日はインからのスタートだったが、最初から風の諦めがあったせいか反対に力みがとれてショットがよく当たった。力まないショットは風の影響を受け難い。午前中はフェアウェイが凍っているせいでランもよく出る。連続パーのスタートは久々、その後も大きなミスも無く15番に。
ここは飛ばしたいという潜在意識があったのか、その日初めてのミスショットは力んで左に引っ掛けて池に吸い込まれる。練習ラウンドということもあり、ティーグラウンドからもう一度打つと、これは会心の当たり。何故かミスの後はいいショットが出る確率が高い。

バックティーから500Yだが自分の腕では、普段は2オンをすることはまずない。その打ち直しのボールは残220Yのところに。その日のピンポジは一番の奥だったのでピンまでは230Y以上。フェアウェイ右側のボールからはグリーンを狙うには右の林の木が少しせり出していて、軽いフェードで攻めたいところだが。グリーン手前にいけばと打ったボールが上手く風に乗ってイメージどおりに軽いフェードがかかる。そして、グリーン手前でバウンドしたのが見えたので、ひょっとしてエッジまで・・・

グリーンに行くと、奥のピンの横にボールが一つ。下が固かったせいもあったのか、見事に2オン。2m位が入らず結局は2パット。打ち直しボールであったのでスコアはボギーであったが大満足。易しそうでいつも苦手にしているこのホールを2打でのせたのは1ペナがあったにしても気分がいい。気分屋の自分としては、これで調子に乗れた。左からのアゲンストが強い、次の難しいミドルは上手く池を避けてパー、次のショートもパー・・。

終わってみれば、今年の課題の「トリ無しゴルフ」をやっとクリアできた。
それも15番の2オンのお陰かも。
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クラシックだけでなく、ジャズだって“Gala Concert”・・・

2012-02-05 | MY FAVORITE ALBUM
Jazz Gala Concert / Jazz Gala Big Band by Peter Herbolzheimer

‘76年の年が明けて秋吉敏子が自らのビッグバンドの面々を引き連れて日本でお披露目のコンサートを各地で開いているちょうどどの時、「あるコンサート」がドイツの主要都市を周っていた。
ガラコンサートというのはクラシックではよく開かれている特別公演だ。そのコンサートは”Jazz Gala Concert”と銘打った、ガラコンサートのジャズ版だった。ニューポートやモンタレーのように有名コンボや歌手、あるいはオーケストラを集めてのコンサートというのは昔からよく開催されていた。JATPやConcordのように特定のグループのお披露目の場というコンサートというものもある。自己のグループ、特別編成のグループ、また昔の仲間との再会セッション、そして、コンサートを盛り上げるように出演者が入り乱れてのジャムセッションも企画の一つだし、聴く方にとっても楽しみのひとつだ。では、このGala Concertは何が特別なのか・・・・・。

仕掛け人は地元ZDFテレビのプロデューサーのReinhard Knieper、ハンブルクのブッキングエージェンシーのKersten Jahnke、そして企画を受けたのは作編曲家のバンドリーダーのPeter Herbolzheimer。そして、彼やゲストのアレンジを演じるオールスタービッグバンドだ。
地元の有名ミュージシャンに加えて、アートファーマーや、スライドハンプトン、ジョニーグリフィンなどもセクションメンバーに加わる。さらに、スタンゲッツ、ジェリーマリガン、ナットアダレイなどのゲストソロプレーヤーが揃う。
要は、このコンサートのための特別編成のビッグバンドがコンサートを通じてホスト役を務めるという嗜好だ。

メンバー紹介を兼ねて、軽くHerbolzheimerのブルースからスタートして、ジョニーグリフィンのテナーソロをフィーチャーして一曲目を終える。次は、マリガンの登場だがここはマリガンのアレンジを使ったバックで、もう一曲マリガンが続くがここではアートファーマートとの再会を果たした。ツゥーツシールマンのプレーはヨーロッパでは有名なクインシーのアレンジで。そしてA面の最後はドラムで参加しているグラディーテイトが得意の喉を披露する。
B面に移るとここからは、Herbolzheimerのアレンジの曲が続く。ゲッツのコリアの曲の
プレーも熱っぽい。地元のミュージシャンをソロに起用したオリジナルでは彼の本領発揮だ。モダンなヨーロッパサウンドだ。そして最後のWork Songでは意表を付くアレンジで幕を閉じる。

いつもの顔見世興行的なコンサート違って、色々なプレーヤーが参加しているが、やはり一本プロデュースの軸が通っている事と、それを実現するためのビッグバンドの存在が大きい。こんなスペシャルコンサートを一度ライブで聴いてみたいものだ。
このようなコンサートを実現できるのも放送局(メディア)の力の存在が大きかったが、今の時代どこでもメディアが弱体化しているが、果たしてどこかで同じようかコンサートが実現されているのか気に懸かる。


1. Blues in My Shoes
2. Song for Strayhorn
3. Festive Minor
4. Brown Ballad
5. Moondance
6. Times Lie
7. Gentle Mood
8. The Up and Down Man
9. Jive Samba
10. Work Song

Rick Kiefer trumpet
Ron Simmonds trumpet
Derek Watkins trumpet
Ack van Rooyen trumpet
Art Farmer trumpet
Herb Geller woodwind
Ferdinand Povel woodwind
Johnny Griffin woodwind
Wilton Gaynair woodwind
James Towsey woodwind
Jiggs Whigham trombone
Otto Bredl trombone
Slide Hampton trombone
Albert Mangelsdorff trombone
Peter Herbolzheimer trombone
Volker Kriegel guitar
Wolfgang Dauner keyboards
Niels-Henning Orstedt Pedersen bass
Grady tate drums,vocal
Nippy Noya percussion
Alex Riel drums,percussion

Guests
Nat Adderley Cornet
Stan Gets Tenor Sax
Gerry Mulligan baritone sax
Jean "Toots" Thielemans harmonica

Engineer Jurgen Arrnold. Uwe Peters
Recorded on Jan.18 1976, in Hannove
     on Jan.23 1976, in Wiesbaden

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人の出会いは大事だが、それを自分の人生に生かせるのはその内何回か・・・・

2012-02-04 | CONCORD
Never Make Your Move Too Soon / Ernestine Anderson

出会いが無ければ人付き合いは始まらない。そして付き合いが始まってもある種の信頼関係を持って、お互いを理解しながら付き合えるにはその内のまた何パーセントしかない。それは仕事であれ、プライベートであれ、すべての人付き合いに言えることではないだろうか。相手の思っていることを理解して、お互い阿吽の呼吸で事が運べるようになれば最高な付き合いだ。特に、「一緒に行動すること」で、それが実現できれば。

アネスティン・アンダーソンが第一線に復帰できたのはレイブラウンのお陰。アメリカを長く離れイギリスから戻った彼女がカナダで歌っているのをたまたまレイブラウンが聴いたのが復帰のきっかけだそうだ。唯それだけであれば、一緒にセッションくらいは行われたかもしれないが。レイブラウンはその時コンコルドレーベルの音楽監督、コンコルドジャズフェスティバルへの参加、そしてアルバム制作までがトントン拍子で進んだからこそ、彼女の復帰が実現したともいえる。その点では、彼女にとっては、レイブラウンは彼女の第2の人生の恩人である。

レイブラウンとコンコルドでのアルバム制作も,'76年の"Hello Like Before"からこれが5枚目になる。アルバムを作るにあたって、彼女が歌いたい曲のリストとアレンジをレイブラウンに渡す、すると一瞥しただけで、レイブラウンはすぐにアレンジに手を加え、周りのスタッフと段取りに入った。”Old Folds”と”Poor Butterfly”が、特に彼女のお気に入りだったそうだが、他の曲もすべて彼女のイメージしたとおりに仕上がっていった。ピアノのモンティーとのコンビネーションも手馴れたものだし、ドラムのフランク・ガットも彼女とは初顔合わせだが、モンティーのトリオでは一緒にプレーしていたようなので、レイブラウンとしても段取りに苦労することは無かっただろう。
スタンダードだけでなく、タイトル曲はクルセーダズのドラマースティックフーパーの作曲。グルービーなノリもさすが堂に入っている。こんな彼女が長年埋もれていたとは。

この時、彼女はすでに50歳を過ぎていた。それから30年以上が経ったが、今でも彼女は元気に活躍しているようだ。普通であれば、50歳を過ぎての復帰といっても昔を思い出しながら懐メロを歌ってお茶を濁すのが世の常だが、彼女の場合は遅咲きの第2の人生のスタートだった訳だ。
最近は、60歳を過ぎた由紀さおりの「世界的な復活」が有名だ。彼女の場合も、PINK MARTINIとの出会いがきっかけだったようだが、彼女もアネスティンを見習って30年後まで元気に歌い続けてほしいものだ。



1. Never Make Your Move Too Soon   Hooper, Hooper, Jennings 3:31
2. What a Diff'rence a Day Made    Adams, Grever 4:47
3. As Long as I Live         Arlen, Koehler 4:40
4. Old Folks             Hill, Robison 7:17
5. Just One More Chance        Coslow, Johnston 5:30
6. My Shining Hour          Arlen, Mercer 3:34
7. Why Did I Choose You?       Leonard, Martin 4:22
8. Poor Butterfly           Golden, Hubbell 5:35

Ernestine Anderson  Vocals
Monty Alexander   Piano
Ray Brown      Bass
Frank Gant      Drums

Produced by Carl Jefferson
Recorded on Aug. 1980 in San Francisco

Originally Released on Concord CJ-147(所有盤はCD)

Never Make Your Move Too Soon
Ernestine Anderson
Concord Records
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トラブルショットのリカバリーと高速の事故渋滞回避・・・・どこか共通点が

2012-02-03 | GOLF LIFE
普段は一時間前にコースに着くようには家を出るが、最近が寒さが厳しいせいか寝床から抜け出すのが遅くなりがちだ。その日の目的地は美浦ゴルフ倶楽部。以前はよく行ったコースだが久々の訪問で楽しみにしていた。遅いスタートだったので、夜が明けてからの起床でも十分間に合うはずだったのだが・・・・。
家からだと外環道を通って常磐道がルートだが、外環を走っている時に、常磐の柏で事故渋滞の案内が。三郷~柏90分のサインが出ていた。これに巻き込まれたらスタートにはとても間に合わない。スタート時間も遅かったので、はたしてラウンドできるかどうか・・・?

三郷西で下道に出たが、降りた所はたいした渋滞も無く、上手く流れていると思ったのもつかの間、橋を渡る一本道で渋滞に嵌る。丁度通勤ラッシュの時間帯でもあり川を渡る道路はどうしてもこのような時は大渋滞になってしまう。このままでは柏ICどころか流山ICに着くのも何時になってしまうやら・・。
戻った方がよいかどうか判断に迷っていたが、三郷の料金所にスマートインターができたのを思い出した。比較的近くたったので、とりあえずそこから高速に乗り直すことにしたらこれが大正解。丁度。事故の後処理も終わった所だったので、そこからは渋滞もなくスタートにはギリギリ間に合って一安心。渋滞は始まりなのか収束になのかの情報があると助かるのだが。

他のメンバーもそれぞれ色々ルートを試行錯誤してきたようだが、結果は全員スタート時間には間に合った。事故回避は焦れば焦るほどミスを呼ぶし、色々苦労しても「結果よければすべてよし」はゴルフと同じ。ミスがミスを呼ぶ過ちさえしなければ大体収まるところには収まるものだ。

さて、この美浦ゴルフ倶倶楽部。男女のプロのトーナメントも何度か開催されたが、チャンピオンコースというよりは面白いコース。上手く回れたときは面白いコースだが、噛み合わせが悪くなるとミスがミスを呼ぶホールがある。そしてこのコースの特徴は、クラブハウス前の特等席に広い練習場があること。普通であれば、設計かは大体スタートホールか、最終ホールを綺麗に収める場所なのだが。練習場はコースの片隅に隠れるように作られている所が多いが、この美浦とか石岡のような立派な練習場がハウスに近いところにちゃんと作られているところが本来の「コース設計」なのでは思うが、狭い日本ではなかなかそのようなコースも少ない。

その日は、終日陽が射すことも無く、底冷えのする一日であったが、風が無かったのがせめてもの幸い。寒さもあまり気にならずにラウンドできた。
冬場の練習ラウンド、各ホールを思い出しながら「トリ無し」ゴルフを心がけたが、3番でいきなりロストボールで早くもトリプルボギー。後で隣のホールでこのボールを見つけたが時すでに遅し。
後半はスタートホールでカップが難しい場所にあったもののいきなり4パットでこのハーフもトリプル先行。これで開き直ったのか11番からは絶好調でトリプルどころかダボの気配もなし。
そして17番の第2打。ディーショットも飛んでいたので7番の距離。ただし若干打ち上げで池が僅かに掛かるのが力みを誘う。池ポチャは免れてエッジ近くまできたものの、ここからバンカー越えのアプローチをミス。一回で収めればいいものを、ミスの連鎖で大叩き。「アプローチのミスの連続」これが最近の課題だ。渋滞回避はうまくいったが、ゴルフのトラブル回避はつまらないミスの連続。

相変わらず90を切れないゴルフが続くが、後半のハーフは内容的に上向き。
春までにゆっくり調整だ。

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エリントンナンバーはどのオーケストラでも一度は取り組むが・・・・

2012-02-02 | MY FAVORITE ALBUM
Take The “A” Train / Toshiyuki Miyama & The New Herd

1974年という年は自分の記憶にはっきりと残っている年だ。というのも自分が会社勤めを始めた年。前年末に始まったオイルショックで高度成長をひたすら走り続けた日本が、ニクソンショックに続いて大きな影響を受けた年だ。物不足、そして景気の後退によって翌年の新人採用を控える会社が続出し一年違いで就職できたことにほっとしていた。今回の震災の影響といい、長い人生の中では、いい事が起るのも悪いことが起るのも時の運。個人の努力だけではどうしようも無い事は天命かも。

この年は、巨人の長嶋の引退や田中総理の引退が続いたが、ジャズ界の巨人デュークエリントンが5月に亡くなった。ジャズオーケストラの雄としてだけでなく、多くの名曲を残したこともあり、翌年にかけて多くの追悼コンサートが行われた。
日本でも猪俣猛のザ・サードが12月に追悼コンサートを行ったが、宮間利之とニューハードも翌年行われたコンサートでエリントンナンバーを取り上げた。ニューハードは、当時モンタレーやニューポートのジャズフェスティバルにも参加し、日本を代表するオーケストラで一番元気があったかもしれない。5月に行われたコンサートは、実は当時の日本を代表するジャズレーベル「スリーブラインドマイス」の5日間連続のコンサート。その最終日にニューハードは登場した。

「エリントンに捧げる」と銘を打っているが、A面の3曲がエリントンナンバー。B面は山木のオリジナルとフレディーハーバードの曲。B面は少し雰囲気も違うが、このエリントンナンバーの3曲はニューハードの面々の入魂の演奏が聴ける。エリントンナンバーをビッグバンドでやる時は、どこまでオリジナルの演奏を意識するかがいつもアレンジャーの課題になるが、ここでの答えは、最初の2曲はソロを中心に。そして、テーマソングともいえるA列車は、オリジナルのアレンジから離れて51年当時のエリントンオーケストラの専属歌手だったベティ・ロッシェのヴォーカルソロを素材にしたとのこと。アレンジャー山木のアイディア賞だ。ソロでフィーチャーされているトランペットの岸義和は今でも現役でよくライブに見かけるが、大きくフィーチャーされ大活躍のハイソ出身の新人トロンボーン、塩村修は今では何をしているだろうか?。




この‘75年、ニューハードはニューポートに出演し、秋にはサドメル、そして翌年の秋吉敏子のオーケストラへと続く。大先輩のエリントンは亡くなったが、後を引きついたビッグバンドリーダー達はそれぞれ大活躍の年だった。

来週は、2月10日新宿のSomedayで、マイクプライスのオーケストラが新しいエリントンナンバーにチャレンジするようだ。出かけてみよう。

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皆様こんにちは! 


マイク・プライス・ジャズオ-ケストラは
新宿サムデイで 2月10日 (金)に演奏します! 

レパ-トリ-の数々より、今回は最近入手したエリントンの美しい楽曲をフィ-チャ-します。
又、私の楽曲・アレンジ曲も演奏します。

皆さんの心に残るビッグバンドジャズとなりますように。

是非聴きにいらしてください。

どうぞよろしくお願いします。

マイク・プライス


日時  2月10日(金)
    19:45~、21:15~
場所  サムデイ (新宿)
    Tel 03-3359-6777
    新宿1-34-8 新宿御苑前ビルB1(やよい軒の地下)
    地図 http://someday.net/shinjyuku.html
Music Charge 3,990円

メンバ- 
大山日出男(as, clar)土井徳浩、(as, clar)
岡崎正典(ts)吉本章紘(ts)
宮本大路(bs)

佐久間勲(tp)横山均 (tp)
高橋一光(tp) マイク・ザッチャーナック(tp)

西山健治(tb)内田光昭 (tb) 駒野逸美(tb)
堂本雅樹(btb) 稲垣 貴庸(d)
守屋純子 (p)佐瀬正(b)
マイク・プライス(trumpet & conductor)

Mike Price 舞空

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1. Mood Indigo
2. In a Sentimental Mood
3. Take The A Train
4. Country Blues
5. Gibraltar

Toshiyuki Miyama (Con)
Kazumi Takeda (tp)
Fumio Shirayama (tp)
Yoshikazu Kishi (tp)
Shigeru Kamimori (tp)
Teruhiko Kataoka (tb)
Masamichi Uetaka (tb)
Osamu Shiomura (tb)
Shoji Itho (btb)
Koji Suzuki (as,fl,cl)
Mamoru Mori (ts,ss.fl)
Atuo Shirai (as,cl)
Seiji Inoue (ts,cl)
Ken-ichi Tada (bs,cl,piccolo)
Kiyoshi Takano (p)
Yasushi Fukushima (b)
Isao Yomoda (ds)
Kozaburo Yamaki (g,arr.)

Produced by Takeshi Fujii
Recording engineer Yoshihiko Kannari

Recorded live on “An Evening Dedicated to the Late Duke Ellington”
May 27, 1975, at Nihon Toshi Center Hall, Tokyo







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ロソリーノのリーダーアルバムといえば・・・

2012-02-01 | MY FAVORITE ALBUM
Frank Rosolino Quintet

‘75年、ドイツでコンテカンドリとの熱いセッションを繰り広げていたフランクロッソリーノだが、1926年生まれなので50歳直前。一番脂ののっていた時だった。プロになったきっかけは軍隊生活の時のプレーだそうだが、その実力は子供の時から確実に築かされていったようだ。音楽を楽しむ一家に生まれたロソリーノは、最初はアコディオンで音楽に親しみ、6年生の時にトロンボーンを扱うようになった。兄のバイオリンのエチュードの練習に合わせてトロンボーンを学び、その結果が彼の正確で早い演奏を可能にしたようだ。速い曲だと多少もたつき感が出るのはやむを得ないトロンボーンであるが、ロッソリーノのプレーを聴いていると、ソロでも他の楽器とのアンサンブルでも何の躊躇も無く吹き続けていく。聴くほうも実に気持ち良い気分で演奏に引き込まれていく。

ロッソリーノは、デトロイト生まれ。有名なジョーンズ三兄弟達ともプレーをした事があるようだが、早い時期に西海岸に移る。ケントンオーケストラなどを経て、有名なハワードラムゼイのライトハウスの常連であった。50年代後半には西海岸を代表するトロンボーン奏者になっていた。

セッションへの参加は当時から沢山あるが、リーダーアルバムはそれほど多く残していないロッソリーノだが、1957年に突如立ち上がったModoレーベルにも一枚のアルバムを残している。このレーベルは新人も多かったが、ロッソリーノはすでに中堅の実力者であった。クインテットで一緒にコンビを組んだのはリッチーカムカ。そしてピアノは後にチャーリーのクリスマスで有名なヴィンス・ガラルディー。ドラムにはMODOのハウスドラマーともいえるメルルイス。

全体のトーンはウェストコーストサウンドだが、いわゆるクールジャズではないより力強さを感じるのがModoのアルバム共通の特徴だ。ここでの2人のプレーも然りである。ロッソリーノのプレーは軽々吹いているのであまり感じないが、ペッパーアダムス同様デトロイト出身の血が流れているのか熱いプレーで期待に応えている。
Modoに外れなし。このロッソリーノの一枚も好きなアルバムだ。

1. Cherry                 Corgan, Daniels, Gilbert, Gillespie… 4:58
2. Let's Make It             Rosolino 3:02
3. How Long Has This Been GoingOn?    Gershwin, Gershwin 3:40
4. They Say                Heyman, Mann, Weiss 4:31
5. Fine Shape               Rosolino 4:21
6. Fall Out                Copeland, Holman 3:59
7. Thou Swell               Hart, Rodgers 3:21
8. Tuffy                 Rosolino 4:08

Richie Kamuca TenorSax
Frank Rosolino Trombone
Vince Guaraldi Piano
Monty Budwig Bass
Mel Lewis Drums

Produced by Red Clyde
Engineer  Bones Howe

Recorded at Radio Recoedees, Hollywood. CA, June,1957


Frank Rosolino
Frank Rosolino
Vsop Records
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