A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

バリトンバトルも珍しいが・・・アダムにとってはソリストとしての再出発記念

2012-01-28 | PEPPER ADAMS
Baritone Madness / Pepper Adams & Nick Brignola


ペッパーアダムスがサドメルに加わって12年目の1977年にも彼はまだサドメルのオーケストラでツアーを続けていた。その頃はツアーも長期化し前年の76年には6月から10月まで4ヶ月に渡ってヨーロッパを旅していた。この77年も6月8日にメンバーと一緒にニューヨークを離れ一路イタリアへ旅立った。この年も長いヨーロッパツアーだった。そして8月24日、前日スウェーデンでの演奏を終えた翌日、ソロプレーヤーとして活動していくことを決心し、2人のリーダーに辞表を出してバンドを去った。サドジョーンズがバンドを去る一年前のことだった。

一旦西海岸でクラブ出演仕事をした後、ペッパーは10月8日単身でまたヨーロッパに渡る。長年のツアーで居心地が良かったのかもしれない。そして帰国後一つ仕事をこなして、久々にニューヨークの自宅に戻ってきたのは暮も押し迫った12月19日のことだった。
そして、3日後このアルバムはニューヨークで録音された。
9月にソリスト独立宣言をしてから、多分メインプレーヤーとしてはじめてのスタジオレコーディングだ。まだ自分のグループを編成する余裕もなかったのであろう、同じバリトンのニック・ブリグノラとのバリトン対決であった。セッションは1日限り。凝ったアレンジがあるわけではなく、レコーディング自体がジャムセッションの様相を呈していた。曲もお馴染みのパーカーの曲が多い。

このアルバムを出したBee Hiveというレーベルは50年代ビバップ全盛期にシカゴにあったクラブの名前が由来。Bebopの復活を掲げて設立され、奇しくもこのアルバムが初リリースアルバムだった。ソリストとして独立宣言したペッパーにとってはお誂え向きのレーベルだし、レーベルにとってもペッパーの参加は大歓迎だったろう。共演のメンバーも思う存分ブローするには言うことなしの兵揃い。元々ペッパーは白人ながらデトロイト出身で黒人グループと付き合って来た経緯もあり、ハードバップの再来祈願に自らの再スタートもからめたのかもしれない。

バリトンサックスのバトルというのも、他の楽器に較べるとそうそう機会があるものではないので貴重だ。ゴリゴリ好きのバリトンファンにはたまらない一枚だと思う。さらにペッパーの独立記念となると。この年から亡くなる86年までが、ペッパーがサドメルを卒業して本格的にソリストとして活躍した期間だ。

1. Donna Lee
2. Billie’s Bounce
3. Marmeduke
4. Body and Soul
5. Alone Together

Pepper Adams Baritone Sax
Nick Brignola Baritone Sax
Ted Curson Flugelhorn, Trumpet
Derek Smith Pian
Dave Holland Bass
Roy Haynes Drums

Production Neumann / Hechtman
Recorded on December 22, 1977 at Blue Rock Studio, N.Y.C



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