A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

今日の敵は明日の友、個人技を競うのにはダブルスでの楽しみも・・・・

2012-02-16 | MY FAVORITE ALBUM
Pairing Off / Phil Woods Septet

ゴルフやテニスは基本的に個人プレー。そして個人の実力の差が結果にそのまま出てくる。プレーヤーがランキングの上位を目指して切磋琢磨することで、よいプレーを生みだす。プロの場合はそれがお金に直接繋がるし、我々はかれらの素晴らしいプレーを見ることができる。
ジャズの場合個人のソロプレーは稀。各人のプレーの相乗効果がグループとしての素晴らしい演奏を生む。その中には綺羅星のように個々の素晴らしいプレーが内包されているもは勿論だが。そして、各プレーヤーの組み合わせの妙による偶然性がジャズの楽しみの一つだ。

特に2人のソロをクローズアップしたものよくバトルといった。しかし、そのバトルとはスポーツとは違い勝ち負けを競うものではない。2人でコラボしながら、そしてお互いを鼓舞し合ってよいプレーを引き出すものである。
スポーツでも、シングルスではなくダブルスの世界ではよく同じような状況になる。ゴルフの場合はいつもは一層個人色が強いが、マッチプレーやダブルスの時は、相手との間で勝ち負けとは別の何か連帯感と競争心が生まれる。これが楽しみに加わる。

フィルウッズは’50年代ジーンクイルとコンビを組んでいた。同じような音色、プレー振りはバトルというよりは、仲の良い双子の兄弟の戯れのようで、2人の良さを倍増させる以上の魅力があった。そのウッズとクイルがさらにゲストを招いて「ダブルス戦」を開催した。
“Four Altos”という、同じアルトサックスをもう2人招いての試合もあったが、今回はケニードーハムとドナルドバードのトランペット2人だ。違う楽器のコンビ同士のバトルというと、Modeのアルバム”A Jazz band Ball”に、バルブトロンボーンとトランペットという組み合わせがあったが、あまり多くはないイベントだ。

先日のThree Baritoneはマリガンに捧げたという意味もあり、アレンジにもそれなりの拘りがあったが、このアルバムはあくまでもソロプレーのお披露目がメイン。いつもの2人の掛け合いにトランペットの2人が上手く織り込まれたといった感じだ。ビッグバンド好きなので、編成が大きくなるとソロとアンサンブルの兼ね合いがどうしても気にはなるが、このアルバムでは特に目立つものは無い。

このアルバムは、いわゆる"Phil & Quill"と銘打ったアルバムよりは前の録音になる。フィル&クイルというコンビは、実はこのような他流試合を経てコンビが醸成されていったのかもしれない。合コンを続けて彼女ができるように。

1. The Stanley Stomper     Woods 14:20
2. Cool Aid           Woods 9:47
3. Pairing Off         Woods 12:15
4. Suddenly It's Spring     Burke, VanHeusen 8:22

Phil Woods (as)
Gene Quill (as)
Donald Byrd (tp)
Kenny Dorham (tp)
Tommy Flanagan (p)
Doug Watkins (b)
Philly Joe Jones (ds)

Bob Weinstock Supervisor
Rudy Van Gelder Engineer

Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ on June 15,1956




Pairing Off
Phil Woods
Ojc
コメント
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