A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

昔は同じ新人同士であっても、時間が経てば・・・・・

2012-02-25 | PEPPER ADAMS
Darkar / John Coltrane

学生時代も、会社に入ってからも同期の仲間はある意味同じ釜の飯を食べた仲間同士。特に上下の関係も無くお互い「おい、お前」と呼び合う仲で下積み生活を供に過ごした仲間だ。
ところが時を経て、その中から誰かが出世をしたり、世の中で有名になると、他の連中は会話の中で、「・・とは同期なんだ」とか、「・・・とは良く一緒に遊んだ仲だったんだ」とか。ついつい、有名になった仲間の事がやっかみ半分、自慢半分で話のきっかけになりがちだ。

ペッパーアダムスが、リーダーアルバムを作ったのは、1957年7月、ロスアンジェルスだった。このアダムスは、本来は東海岸の出身。それまでのプレーした相手も東海岸のニューヨークや地元デトロイトでの活動を通じての仲間が多かった。その中にファーストアルバムより前に「録音」として残っているものもある。
前年の11月にスタンケントンのオーケストラを辞めたペッパーは、メルルイス達と一緒にロスアンジェルスで活動を行っていたが、3月22日にメイナードファーガソンのバンドに加わるべく、久々にロスを離れニューヨークに向かった。ツアー途中でバンドに加わったペッパーだったが、4月1日~18日はファーガソンオーケストラのホームグラウンドであるBirdlandでの演奏であった。その仕事が終わった直後の4月20日にこのアルバムは録音された。

一緒にプレーしたのは、あのジョンコルトレーンだったが、コルトレーンは丁度この時18日から連続して“Prestige all stars”の録音をしていた。その3日目にペッパーアダムスが招かれた形だ。2日目の録音はマルウォルドンのアルバムになったが、18日とこの20日の録音は、最初は“Prestige all stars”の録音で、コルトレーンのアルバムではなかった。当時のコルトレーンはマイルスのグループのマラソンセッションに付き合った後、丁度自分のグループを作る過渡期。色々なセッションに登場しているがその一環の録音だ。したがって必ずしもコルトレーンのリーダーアルバムとはいえない。

中身は、コルトレーンにペッパーアダムス、それにもう一人バリトンのセシルペインが加わったアルバムで、コルトレーンだけでなくこの2人も十分にフィーチャーされている、まさにALL STARアルバムだ。
同じバリトンでもセシルペインの少し鼻詰まりの音色ではなく、アダムスのバリトンの切れ味は鋭い。コルトレーンのテナーもアダムスの迫力に負けそうな感じだ。これはアダムスのアルバムといっても不思議はない。
事実、このアルバムは最初は”Prestige All Stars”で出されたようだが、いつの間にかコルトレーンのアルバムとタイトルが変えられてしまったようだ。たしかに「売る」ためにはコルトレーンのアルバムにしたほうがいいだろう。録音当時は新進気鋭の新人たちの演奏であったが、出世頭の初期のアルバムに変身したということだ。

アダムスは、この録音の一年前にもコルトレーンたちとgigを繰り広げていた。若い頃一緒に切磋琢磨した仲間同士だが、コルトレーンが大出世した時、アダムスは「俺も若い頃はコルトレーンと一緒にやっていたんだ」とは言わなかったろう。道が違ってもアダムスも大出世した一人なので。



1. Darker      Charles   7:11
2. Mary’s Blues   Adams   6:49
3. Route 4      Charles  6:56
4. Velvet Scene    Waldron  4:54
5. Witches Pit     Adams   6:42
6. Cat walk      Charles  7:10

John Coltrane (ts)
Cecil Payne (bs)
Pepper Adams (bs)
Mal Waldron (p)
Doug Watkins (b)
Art Taylor (ds)

Supervision Teddy Charles
Recorded by Rudy Van Gelder
      At Van gelder Studio, Hackensack, N.J.
      On April 20, 1957


Dakar
John Coltrane
Prestige
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