A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

エリントンが亡くなった年に・・・

2011-09-01 | MY FAVORITE ALBUM
Dedicated to Duke Ellington / The Third


デュークエリントンはピアニスト、バンドリーダーとして有名だ。そして忘れていけないのは作曲者としてのエリントンだ。永遠の良きライバルであるカウントベイシーとの違いはここだ。その数は数千ともいわれているので、曲作りの領域での才能も並外れていたのだろう。自分のオーケストラのメンバーの演奏ぶりをイメージしながら曲作りをしたとか。エリントンオーケストラではソロが曲にピッタリしているのも、そのせいかもしれない。当然、有名なエリントンナンバーはいくつもあり、自分のオーケストラだけではなく、他のプレーヤーにも良く演奏されている。エリントンナンバーを一曲もやらないというジャズミュージシャンはいないであろう。このエリントンが亡くなったのが1974年。自分が会社勤めを始めた年なのでよく覚えている。

タイムファイブのバックを務めた前田憲男。実に器用でオールマイティーなミュージシャンだ。巨泉の11PMでは毎週ジャズコーナーを担当していた。



ドラムの猪俣猛とのコンビも長い。自分が高校を卒業して浪人をしている頃、ジャズの輸入盤を仕入れに通ったひとつが渋谷のYAMAHAだ。時々やるバーゲンを狙って繰り出していたものだ。普通の国内盤しか置いていないレコード店とは違った雰囲気があり、そこに行くのが楽しみでありある種の緊張感もあった。当時、そのYAMAHAの店内でジャズの生演奏をタダで聴ける企画があった。お金がなくてコンサートもなかなか行けなかったので、よく出かけていた。そこに出演していたグループのひとつに前田憲男のトリオがあった。猪俣猛のドラムは、日野元彦や渡辺文雄のドラムと違ってスマートな一面もありお気に入りのグループだった。
2人のコンビは、トリオだけでなく、ウェストライナーズといった菅を含めた大型のコンボや、ザ・サードといったビッグバンドまで、色々なグループでもどちらがリーダーともなくよく一緒にプレーをしていた。それが現在まで続いているのだからすごい。

そのザ・サードがエリントンナンバーに取り組んだのがこのアルバムだ。エリントンが亡くなった年の12月、渋谷公会堂でのライブ録音だ。このアルバムに収められているエリントンナンバーが第一部、エリントンの追悼プログラムだった。
アレンジはリーダーの前田憲男。この頃、電子楽器が流行りだしていたが、前田憲男もこのアルバムでもエレクトリックピアノやオルガンを多用している。まだレギュラーオーケストラが沢山存在していた時代だg、このサードはベテランのスタジオミュージシャン中心のオーケストラ。いわゆるリハーサルオーケストラの代表格であった。

音合わせから、いきなりピアノのイントロが始まりエリントンのテーマソングである、TAKE THE A TRAINがスタートする。次のSOFHISTCATED LADYはこのバンドの特徴であるアルト3本のサックスセクションのソリが楽しめる。どの曲も同じ皆ばかりだが、前田憲男のアレンジが実に変化に富んでいる。最大の聴き所はB面のCARAVAN。元々エキゾチックな雰囲気の曲だが、8ビートでさらに変化を加え多彩なソロが加わり大作に仕上がっている。最後は、ルイベルソンに捧げる猪俣猛のツーベースドラムにスポットを当てたSKIN DEEPまで一気に聴き入ってしまう。

このコンサートも大盛況だったようだが、エリントンの亡くなった1974年、秋吉敏子のビッグバンドも登場し、ビッグバンドがまた元気になった年だった。

オールスタービッグバンド “THE KING” のMood indigo


1. Take the A train
2. Sophisticated lady
3. It don’t mean a thing if it Ain7t got that swing
4. Mood indigo
5. Caravan
6. Skin Deep

猪俣 猛 (ds)
前田 憲男 (p)
荒川 康夫 (b)
中牟礼 貞則 (g)
水谷 公正 (g)
中島 御 (per)
Jake Concepcion (as)
鈴木 重男 (as,ss)
清水 万紀夫 (as,cl)
三森 一郎 (ts,ss)
原田 忠幸 (bs)
鈴木 武久 (tp)
伏見 哲夫 (tp)
福島 照之 (tp)
吉田 憲二 (tp)
キジ 西村 (tb)
中沢 忠孝 (tb)
山下 晴生 (tb)
堂本 重道 (btb)

Recorded live at Shibuya Kohkaido、Dec. 4 1974

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