A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

2人のギターの名手の競演だが、これをバトルといっていいものか・・・?

2012-02-23 | CONCORD
Brazilian Soul / Laurindo Almeida & Charlie Byrd

ギターという楽器は、ジャズは勿論、クラッシクでもロックであろうとどんなジャンルの音楽でも活躍する楽器だ。またギターに似た構造の楽器は世界中どの地域でも存在し、そこの民族音楽には不可欠だ。そして、ソロばかりでなく複数のギターを使う演奏も当たり前に行われている。そのように色々な可能性を秘めた楽器のギターなので、2人のデュオといっても一体どんな演奏を聴かせてくれるのか聴く前から興味が沸く。

このアルバムの主役である2人のギタリストはチャーリーバードとローリンドアルメイダだ。ジャズという視点から見ればボサノバの名手として有名だ。2人供に多くのアルバムでボサノバの好演を聴かせてくれた。
そして、このConcordレーベルでも2人は御馴染みだ。チャーリーバードは自分のアルバムだけでなく、グレイトギターズではギタリスト3人の競演をしていた。一方のアルメイダはLA4でのプレーでジャズからボサノバまでオールラウンドのプレーを聴かせてくれた。自分のアルバム"Chamber Jazz"がこのアルバムへの布石かもしれない。今回は、同じコンコルドでもPicanteレーベル、そしてこの2人の競演となると当然「ボサノバ」というのが定石だが・・・。

このアルバムのタイトルは”Brazilian Soul”。実は、2人が取り組んだのは現在のボサノバではなく、1930年代まで遡って当時の曲の再演だ。アルメイダは1917年のブラジル生まれ、若い頃に実際に身近に触れた音楽だろう。ところが、自分は当時のブラジルの音楽を知るわけでもなく、歴史も知らないのですぐにはピンとこない。
まずは、聞いた感じは強烈なサンバのリズムがある訳でもなく、クラッシクの小品を聴いているような雰囲気だ。2人のギターの絡みも大部分は2人のアレンジが施されていて、いわゆるアドリブの部分はごく僅かということらしい。
バックも、ベースにパーカッションだけであるが、ラテンやボサノバに付き物のいわゆるお囃子ではなく、ギターの刻むリズムをきちんと支えている。

B面になると、ジョビンの曲があったり、2人のオリジナルが加わるが、全体のサウンドが大きく変わるわけではない。大音量なジャズに慣れると小音量な繊細な演奏は物足りなく感じることもある。しかし、2人のバトルではなくコラボレーションを楽しむには、この繊細な絡みが実に気分がいい。そして、アコースティックな響きというものは不思議と音量を上げても煩くない。このアルバムも徐々に音量を上げてみた。すると不思議な躍動感が増す。2人のアレンジされたコラボレーションもバトルモードになってくる。これがブラジルの音楽の原点なのかもしれない。




1. Carioca
2. Naquele tempo
3. Cochichando
4. Luperce
5. Famoso
6. Choro Ⅱ
7. Brazilian soul
8. Stone Flower
9. For Jeff
10. Don’t cry for me Argentina(from “Evita”)

Laurindo Almeida (g)
Charlie Byrd (g)
Milt Holland (per)
Bob Magnusson (b)

Produced by Carl Jefferson
Recording & Remix engineer Phil Edwards
Recorded at Coast Recorders, San Francisco, California, December 1980

Originally Released on Concord Pcante CJ-150

Brazilian Soul
Laurindo Almeida & Charlie Byrd
Concord Records
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