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【ダイヤモンドオンライン】VAIO・富士通・東芝のPC連合は大丈夫か

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「VAIO・富士通・東芝のPC連合は大丈夫か」と題する記事を書きました。

 VAIO・富士通・東芝のパソコン部門が合体して「3社相乗りのPCカンパニー」をつくる構想があるそうです。
 日本の電機各社のパソコン事業は儲かっていないと思われるので、今さらながらではあっても「選択と集中」を考えるなら、スピン・オフしたいと思う事業なのでしょう。

 現在の国内電機メーカーの苦境は、「ビジネス的にはこうなると苦しい」パターンの幾つかを典型的に反映しています。
 1つには、同じ商品を作る競合他社が多過ぎました。結果論でもありますが、各社はこの状況に危機感をもって、少なくともコスト・リーダーとなることが出来て、製品技術でもリードできるような事業に特化することを目指すべきでした。
 2つめに、販売チャネルとして家電量販店や、最近ではネット販売が力を持ったことによって、電機メーカー同士で競争をさせられ、価格を叩かれ、利潤が確保されにくくなりました。こうした市場構造の変化が追い打ちをかけました。
 最後に、製品の「コモディティ化」に対して、あまりにも不用心だったことが挙げられます。今や素人でも組み立てが出来るような製品になったパソコンは、何社ものメーカーが十分な利潤を確保できる製品ではなくなりました。各社は、何はともあれ、他社と違ったもので勝負しなければなりませんでした。

 製品・サービスに差が無くなって、マーケティング・チャネルの分割が維持できなくなると、「利潤」は短期間で消えてしまいます。
 「かつての大手電気メーカー」の現状が伝える教訓は、別のビジネスにあっても(たぶん、経済評論家のビジネスにあってさえ…)他人事ではありません。
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