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日本企業が、外国企業に買収されるとどうなるか

 三角合併との関係なども含めて、オーマイニュースの連載(17日火曜日に配信予定の「山崎元の経済用語の新常識」)に書いた話題なので、ご興味のある方は、そちらも参照して頂けると幸いだが、外国企業に日本企業が買収されると何が起こるだろうか。
 
 たとえば、時価総額1兆円の上場事業会社があるとする。発行株数10億株、株価は1000円としよう。この企業が外国企業の買収提案を受けて、買収されると、どうなるか。
 
 経営権を取得しようとするとき、コントロール・プレミアムという上乗せを加えた株価で買収を提案することが多い。幾ら、という理論があるわけではないが、3割くらいが多いという。一株、1300円株価で換算した交換比率で、外国の市場に上場されている株式を対価として渡す、というような、提案があったとしよう。(株式対価の場合は、現金対価の場合よりも、より大きなプレミアムが必要かも知れないが)

 既存の株主は、上場企業同士が株式を持ち合っている採算度外視の株主(本当は、「腐れ株主」と呼んでやりたいが)を除いて、「有り難い!」と思うだろう。株主総会で、これが可決されて、外国企業の在日子会社との合併が決まる。これが、三角合併だ。最終的に、日本企業の株式の全てが、外国企業の株式と交換されて、この株が、もともとの価値の3割増しで換金できたとしよう。

 株主が100%日本国の居住者だとすると、彼らの富は、1兆円から、1兆3千億円に増える。これは、3千億円の一時所得に相当し、マクロ的には、3千億円の減税があったようなものだ。いや、減税の場合は、将来の増税がなにがしか予想されるから、この効果は、景気対策として、減税以上に強力かも知れない。(なるほど、安倍政権が、「イノベーション」と共に「オープン」を掲げ、対内直接投資を数年で2倍にしたいと言うわけだ)

 ここまでのところは、株主が喜んで、景気にもプラスに働く。買収大歓迎と言っていい話だが、なぜか、メディアは、この側面を取り上げようとしない。「日本企業が買収されると、大変だ!」という文脈以外のコンセプトが思いつかないようだ(たぶん、編集長、プロデューサー・レベルで)。

 では、この日本企業は、今や、外国企業の子会社となった。社内では、何が起こるだろうか。

 たぶん、社長は即刻クビになるか、形ばかりの会長に一時棚上げされてからしばらくした後に廃棄される。役員・執行役員もそうだろう。買収した時点では、「現在の組織を尊重する」といったことを買った連中は言うだろうが、半年か1年で「成果」を求められて、大半の役員が脱落するだろう。

 会社の組織形態にもよるが、部長クラスくらいまでは、しばらく残して貰えることが多いだろうが、重要なポストには、本国から来るか、日本で新たに雇われた、本社の息のかかった人物が共同マネジャーとして並立する形になり、やがて、多くの部署で、後者が主導権を取るだろう。

 統治する側からすると、自分の信頼できる人物を重要ポストに置く方が、そこにいる人物を信頼するよりも、普通の行動だし、権限を具体的に行使してみせることが必要だという側面もある。
 
 社長・役員・執行役員・部長といったクラスの経営者及び幹部社員は、そこそこに恵まれた収入と、威張って暮らせて、経費も使える、社会的地位を失うことになるので、買収されることには、徹底的に抵抗したいと思うだろう。当然といえば、当然だが、何だか、寂しい話ではある。買収したい側としては、収入と、社会的な地位をセットにして、しかし、経営には関わらせないといった(たとえば、子会社の副会長のような)、日本的ゴールデン・パラシュートをアレンジして、取締役会の枢要メンバーを蔭で買収することができれば、スムーズかも知れない。この辺りは、インベストメント・バンカーなども含めて、小悪党さん達の腕の見せ所だ。

 課長以下の多数の社員はどうなるだろうか。大まかには、外資に買収されて、得をする人が半分、損をする人が半分、という感じではないか。年功序列のDNAが残っている日本企業の人事制度では、長い時間待ちが必要だった社員が、早く重要なポストに登用され、収入も増えるかも知れないし、逆に、外資流のマネジメントに適応できなくて、リストラされる以前に、尻尾を巻いて自己都合退社というようなケースも多く出るだろう。
 
 ざっくり言って、仕事が出来て(客かノウハウを「自分で」持っていて)、自己アピールが上手い社員は得をするだろうし、ポストほど仕事が出来ない社員には不利だろうし、自己表現が下手で変化に対応する事が不得手な社員は損をするだろうし、ゴマスリの上手い奴はここでも出世するだろう!

 社員にとっての損得・幸不幸は、本社の方針により、業績によっても、様々だろうが、単純に、リストラされたり、労働強化されたり、というわけではなかろう。外資とて、多くの場合は、成長性に期待して事業を買うわけで、直ちに規模を縮小する方向には走るまい。

 ところで、残念ながら不幸な目に遭う旧経営陣、幹部社員、そして不器用な社員たちが去った後は、どうなるのだろうか。トップや枢要なポストには、本国から監督者的なマネジャーが、いわば植民地の統治にやって来るだろうが、大多数のポストは、日本国内で、外部から、改めて雇われることになるだろう。新しい統治者にとっては、どちらも深くは分からない相手なら、元から居た人物よりも、新しく自分が雇った人物の方が、信用できる。古い幹部社員の解雇は、外部に居るやる気のある人々にとって、新たな雇用のチャンスなのだ(ヘッドハンターにとって、手数料稼ぎのチャンスでもある)。

 全体としてみると、買収された直後に、先ず何パーセントかの人員を整理するとしても、後から別の人を雇う公算が大きいし、外資の買収によって、雇用が失われる、ということではなさそうだ。

 こう考えると、社内では明暗が分かれるとしても、日本全体で見ると、外資による日本企業買収は、トータルにはプラスの効果の方が大きい場合が多いのではなかろうか。多数の株主がハッピーになるし、社内では、経営者を除くと、損得半々だろうし、買収のプレミアム分は日本経済にとって、返済不要のホットな有効需要だ。
 
 こんなことを言うと、某夕刊紙(長年の愛読紙だったりもするのだが)的には、「アメリカかぶれの市場原理主義者のたわごと」などと評されるのかも知れないが、外資による日本企業買収を、ひたすらネガティブな面からしか見ないことの方が異常に思える。

 日本企業を買っても、経営はそんなに上手くは行かないだろう、と一方では思うわけだが、それなら、後から、安く売ってくれればいい。市場で付く株価よりも高く日本企業を買ってくれるという人がいるなら、ありがたく買って貰えばいいと思う。
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コメント
 
 
 
世界標準? (傍観者)
2007-04-16 08:33:05
クレンジ・ベネフィットとか
いわゆる「役得」ってのが
なくなるでしょうか?

日本の会社&役所とかいう「組織」に
こういう訳ワカナメもんが多すぎだと思いますわ。


さ~て、いい意味で国際化してもらえると
「ベリー・グッド」やけどのん。

 
 
 
総論賛成各論反対 (Eco)
2007-04-16 09:37:21
こんにちは。

政府の策定する経済政策に関するペーパーや、財界の提言には「対内直接投資の促進」という項目が頻繁に出てきますが、実際に案件が出てくると殆どは反対ですね。当の経営者のみならず政治家まで「あんなハゲタカに・・・」などと言ったりして。

聞こえのいい総論では賛成しても、そういう発言をする時は自分の企業が買収対象になるという各論には頭が回っていないのでしょうね。

日本で対内直接投資が進むのは、まだまだ時間がかかりそうな気がします。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-04-16 10:09:07
>傍観者さま

一面良くもあり、他方大いに厄介なのは、日本の企業経営者のモチベーションがこれまで、お金よりも、地位に留まることとその旨みにあったらしいことです。

ここのところ、そろりそろりと、日本企業の経営者でも、億を超える収入を貰う人々が登場し、徐々に「お金で転ぶ」感じの経営者が増えているようですが、社長の座にあって、周囲にちやほやされていたい、という動機はなかなかなくなりそうにないですね。

また、老経営者のポスト欲を強化させる仕組みとして、勲章という制度は本当に余計だと思います。社員が叙勲されず、経営者が勲章を貰う、というのは、国として、経営者の方が国家のために役に立っていると思っているということなのでしょうか。妙な制度ですし、全く余計だと思います。

>Ecoさま

ご指摘のように、総論賛成各論反対、というのはよくありますね。この種の物事は、総論から決めて、だましだまし進めていくしかなさそうです。

本当は、上場企業であるという段階で、会社は誰に持たれてもいいし、株主の意向で社長を替えられてもいい、という覚悟を持っていなければならないのですが、そうではないのですね。経済武士道(?)的には見苦しいことです。
 
 
 
日本系でもほぼ同じ (xtc4241)
2007-04-16 10:17:20
山崎さん
おはようございます。(今16日10:00頃。早朝に書きそびれ仕事中に書いています)

全くその通りですね。
8年前、3社合併して今の会社ができたのですが、日本企業の場合もほぼ山崎さんのいう通りになってます。
ちょっと違う視点でいうと、親会社はトップだけは優秀そうな人を送り込みますが、それ以外では大体がダメ人材をリストラの代わりに当社に配置するということが続いています。これでは、全体の収益性はなかなか向上しないのが実情ですね。
でも、この会社が安定していなかったら、僕もリストラされていてかもしれません。病気で3年間は使い物にならない時期があったのだから(たっぷり収入は落とされましたが)。
外資系の場合、その手段は割り切っているとされますが、実際どうなんでしょう。どこの国でもできないやつはリストラ(の方向)されやすいし、できるやつはそれなりの発言権をもっているのではないか、と思います。
ただ、残念なことは「ポジティブ・シンキング・バカ」もどき(上司に対してはやたらポジティブなやつ)はどこにもいるもんですね。

今回の山崎さんのブログは、自分の体験を踏まえてみても納得性の高いものでした(まあ、いつもだけど)。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-04-16 10:49:19
xtc4241さま

こんにちは。

まあ、それまでの成り行きや、習慣の違いはあっても、洋の東西を問わず、会社などというものは、それほど立派なものではないので、あまり期待しすぎずに付き合うといいのだと思います。

きっとよくお分かりだと思いますが、仕事に対しては真剣であっていいと思いますが、会社に対して依存しすぎるのは危険です。価値観まで会社に染まってしまい、会社に依存してしまうと、会社自体が変わった時、会社との関係が変わったときに、自我崩壊の危機に瀕するケースがあるようです。
 
 
 
マスコミは (ny)
2007-04-16 19:36:14
基本的には株を買ったことが無い人がほとんどですからね。仕方ないといえばしかた無いのかもしれませんが。

買収をされそうになると企業価値を守るなどと経営者は言いますが、買収者が現れて株価が上がる事もまた企業価値の上昇ですよね。株価がたかければ資金を調達しやすいわけですから。

それと三角合併が解禁されると外資に日本がのっとられるなんて論調がありますけど、株式交換による買収は経営者と合意が無ければ無理なのですから、のっとりという言葉がもうおかしいわけで。。
三角合併で海外の企業に会社を売り渡したら、その経営者は売国奴とか呼ばれるんですかね。

そしたら法律を通した自民党やタカ派のアベ総理なんかは売国奴の代表者になっちゃうとおもうんですけけどね。

海外の企業は儲かりそうだから買うわけだし、儲からなくなりそう、もしくは価格が上がって保有しているよりも今売ったほうが儲かるという状態になったら売るだけですから、利益に敏感な外国人が売買に参加してくれたほうが土地も株も適正に価格形成がされやすいと思っているので、自分としては大歓迎なですけどね。

冷静な議論がもう少しマスコミでも流れて欲しいですね。
 
 
 
寡占化がわかりまへん (作業員)
2007-04-16 20:19:18
>基本的には株を買ったことが無い人がほとんど

ものの本によると、個人の安全保障は、株式市場に手が届くかどうか、で一線を引くことができるそうです。株ができるというのは、リスクを散らすことができるということなんでしょうね。

で、山さんも「業界四位五位じゃしかたない」的発言されていた記憶があるのですが。新自由主義化というと大仰ですが、競争は結局寡占化あるいは独占状態に帰結しますよね。そこで外資の話なのですが、薬品会社なんかが分かりやすいと思いますが。
日本市場で寡占状態の大会社でも、世界的に見るとチョボチョボという企業が、外資参入で買収の対象になるのは、当然だろうと思われます。でですね、国内における独占禁止の考え方とグローバルマーケットにおける独占禁止の考え方に、なにか違いはあるのでしょうか。グローバル化して、どの業種も世界上位三位ぐらいが寡占状態をつくる、そういう目的のために外資を参入させるわけではないのですよね。

ハゲタカというより、ブラックバスとかナイルパーチとか呼んだ方が、なんかしっくりきますけどね、外資は。あと気になるのは。株価で判断すれば、キヤノンの偽装請負も御○所の手柄と考えられるわけですね(株価が堅調な場合)。自分が参加していない市場で、あの○器野郎が評価されるの、むかつくんですが。
 
 
 
駄目な奴はどうしても駄目 (のんきなとうさん)
2007-04-16 21:12:23
 基本的には、駄目な奴はどうしても駄目と言うことはハッキリしているわけでから、外から(国の内外を問わず)揺さぶられて振り落とされるのは悪いことでは無いですけどね。

 ただ此処まで社会全体を揺さぶる大きな動きになると、「短期的な」経済合理性の物差しだけで切り捨てられたりすると社会の維持が少々難しくなりませんかね。国が豊かでチャンスの多い社会ではリターンマッチのチャンスもあるし、多様性のある生き方も存在するわけで、別に経済的な勝ち組だけが人生の勝ち組とは限らない社会がつくれるでしょうが、今の状態が進すめが大多数の人生が負け組に属する訳ですから、それで安定した社会が維持できるかどうか、それで「社会正義」が維持できるかどうか、ここらで一度真剣に考えておかねばならないのではないでしょうか。

 もちろん今の閉塞した状態、官民格差を考えて(国の中での寄生度の面でですよ)これは絶対打破すべきだし、仰るとおりどうしようもない組織は合理的な運営が可能な組織に取って代わられる必要はあると思います。しかし現在のような短期決戦だけが唯一の物差しの「お金」のイデオロギーはよほど気を入れて対処しないと社会を崩壊させませんか。

 グローバル化は結局言語の問題にまで及ぶわけで、英語を日常化語として使えない人間は土着民扱いになるわけだし(外国人の上役にごまするだけだって英語は必須ですよね)、いかに人種差別反対を叫んでも大部分の通常の日本人は戦いの場にはオミットされるわけでしょう。

 で、何クソって国中頑張って国語を英語に切り替える羽目になって・・・・、さて結局は日本語の上に積み重なった文化は消滅するわけですよね。万葉集以来積み重ねた文学も美術も考古学の対象にしかならないわけですかね。

 馬鹿みたいに外資反対なんて騒いでも、昔からの根性で社会が維持できなくなっているのは明らかです。どなたかが仰ってるとおりナンバーワン企業の優良(?)経営者が人事管理にかんする偽装請負に何の問題も観じていない等社会契約への無責任な態度は社会の腐敗でしょう。

 そういう意味からは社会の組みたて方に制度疲労を感じるわけですよね。山崎さんの真剣な毎回の問題提起に感じているわけです
 
 
 
小規模個人投資家として (気ままな猫)
2007-04-17 02:11:14
 買収プレミアムがしっかり乗せられていれば有り難いですが、東京鋼鐵の件のように説明不足、プレミアム不足と思われる例もあるので少し不安です。(外資の買収に限った話ではありませんが)
 
 又、三角合併は外国では盛んに行われているのでしょうか?(特に異なる言語の間で)個人投資家には言語の壁は大きいと思いますし、機関投資家にしても、国内株のカテゴリーで運用していたものが、外国株に変わるわけですから、為替の影響や、運用の範囲のことを考えたらちょっとめんどくさいのではないかと思います。
 そもそも、日本の会社が儲けになると思って買うわけですから、低金利の日本円で資金調達し、買った日本の企業からの儲けで返済していくほうが、為替のリスクを考えたらよいのではないか?と思います。
 
 
 
 
○所企業は買われりゃいいが (作業員)
2007-04-17 15:18:44
>外国資本による強引な日本企業の買収は、起こるならむしろプラスだ

山さんも大崎ちゃんも、外資歓迎なので、まあ、三顧の礼で迎えりゃええのだろうが。具体的に、外資参入は、「女性の地位を向上させるだろうか?」。向上させるのなら、「俺は、オッパイのために死にに行く」と胸をはるオッパイ星人のわしも、火の出る○器で有名なトートーではなく、屁の出ることはあまり恥ずかしくないケトーを三つ指ついて迎えたい。ただ、新自由主義は、「○器工場での過酷な労働かマタグラ産業で一年に三つ年をとるか、の二択を女性に強いる」、と言われている。外資参入が新自由主義化と無縁であることだけを祈る。

買収話で言えば。ホリエは、フジサンケイのオピニオンなどいらんと言い、ついでに皇室についても余計なこと言って物議をかもしたわけだ。トップが変われば、完全に風土が変わる業態もあるだろう。最近の定説によれば、「従業員は買収話に口をはさむ権利はない」らしいので、気に入らなければリーマンは仕事を辞めるしかないのだろう。

あまり関係ないのだろうが、寡占が気になるのは。日本を代表する○器が御○所会長なら、世界を代表する○器はラムズフェルドだと思うからである。タミフル騒動で明らかになったように、ラムちゃんは、軍需利権だけでなく、製薬利権まで持っているじゃないか。守銭奴に権力を与えるのはいいかげんやめないか、と思うのはわしだけかい。ウルフォウィッツになんで、「貧困の撲滅」とかさせるのかなあ、不快だ。
山さんのまわりにも、回転ドアとか言って、官民交流を言う人がいるが、企業ロビーのなれの果て、人間○器が核兵器のボタン握ったりするだけだろう。新自由主義化が、国家の役割を相対化したことなど今のところないのだから、しばらくはあきらめて、この○所国家をいくらかその美しいだな、国に磨く知恵を美醜センサーが付いていない○器安倍一族とは無関係な場所で進めねばなるまいに。
 
 
 
あーそれで・・・ (minaho)
2007-04-17 15:53:41
某大臣は、今国会で何が何でもWCEを通すぞっていう意気込みだったんですが、5月から三角合併ですものね。
どんどん進出してくる外資(とくに本社米国)の企業にとっては、米国本土との勤務体系が合致していた方が・・・ってこともあるかもしれないですね。


それから。
どうも外資系の企業って、土地付き企業を買収してくる傾向があるように感じてるんですが、どうなんでしょう。
業績も問題なんだと思いますが、会社資産としての土地のほうが魅力ありそうです。
うまくやったら大儲けできますし。

私が買えるわけじゃないんだから、持ち主が誰になっても関係ないんだけど。
都心の一等地が、安い値段で次々外国人のものになっていくのって、想像しただけで、あんまりいい気分ではないです。
単に気持ちの問題なんですけど。
 
 
 
マクロでプラス、でしょうか? (ドラユキ)
2007-04-17 23:44:24
マクロ(日本全体)で貨幣経済的にプラスの効果があっても、短期でなく長期または超長期で、経世済民の視点からはマイナス効果の方が大きいケースもあるような気がします。
プラスかマイナスかを分けるポイントは、
1.マネーゲーム性の高い投機的三角合併なのか、
2.事業のシナジー、特にイノベーションを発生させて、大げさに言えば人類全体のQOLにプラスの効果を発揮する合併なのか(単に規模の経済効果を目的にした三角合併では、生産性の向上効果が世界経済にデフレ圧力を加えることになりましょう)
という点かと。

2ならば世界市民として、個人的に許せます。1の場合は、私の政治的信条・哲学に照らして、論理的に許せません。
 
 
 
本題からそれますが (BB)
2007-04-17 23:45:21
 ダメ役は不可避、誰かがやる羽目になると思うのです。エリートばかりそろえた筈でも、必ず何パーセントかがダメ。で、それを切り取ると良くなるか?残った中でダメがまた見つかるのじゃよ。自ら進んで斬られやすいダメになろうと思うやつはいないだろうけれど、同じような確率でそうなってしまう。
 少しのユーモアやコミュニケーションで旨く回りだすのに、サッサと斬ることばかりしてると、そのうち自分が「アイツさえいなければ」と言われるようになる。
 渋い3枚目や悪役がいるからドラマは面白い、美男美女ばかりのトレンディードラマはブランド品の見本市だったじゃないかぁ。
 成績主義か大風呂敷の浪花節かと言われりゃ、ウソでも浪花節に惹かれる。そういうまとめ方をできる人間がいるかどうかがポイントだと思うんだが、まるでクルマのパーツのようにこっちの部署は効率がいいのあっちの会社は技術力があるのとモノサシのあて方が一方的すぎないでしょうか?
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-04-18 01:42:16
>ドラユキさま

コメント、どうもありがとうございます。

M&Aが単なるマネーゲームなのか、イノベーションにつながるような本当の生産力拡大をもたらすものなのかは、たぶん、後になってみなければ分かりません。おそらく、それをやっている当事者にとっても、そうなのではないでしょうか。現実には、たぶん、両方を目指してやることになるのでしょう。

賛否は色々でしょうが、これを止めるとすると、どんな論理と判断に基づくのかは(経済的判断以外に、誰の権利、どんな法律によるのか、という問題もありますね)、ちょっと難しい問題です。

ドラユキさんの分類による1.か2.かということは、行為の事前に分かると(或いは判別する手続きがあると)それなりの具体的な意味を持つと思うのですが、実際には、難しそうです。

ドラユキさんの心情には共感しますが、具体的な判断手続きが伴わないと、1と2の区別は空論になりそうです。

どんなものでしょうか?

>BBさま

経営とか投資とかといっても、しょせん人間のやることで、過剰に単純だったり、合理的なつもりでいて、大いに感情的だったりします。

ユーモアの方が余程高級な精神活動であることは間違いありませんね。

>minahoさま

世界がバブっているので、そうも見えないかも知れませんが、外国人が買うような、日本の不動産や株式は現在そう安くありません。プレミアムをつけて買ってくれるなら、先ずは彼らの気が大きくなっているときに、どんどん高く買って貰って、後からもてあまして安く売って貰えばいいのではないでしょうか。

かつて、バブルの頃、ロックフェラーセンターなどを買ったジャパンマネーが丁度そんな感じで、差し引き、先方に貢いだ形になりました。

>作業員さま

世界レベルの独占・寡占をどう扱うか、というのは、経済制度論としては未体験ゾーンですね。これが進行すると、今までに見たことのないような状況が発生するかも知れませんね。

そういえば、ラムズフェルドの顔は「ガメタ」顔なのでしょうか?

>気ままな猫さま

確かに、プレミアムが問題ではあります。初期の事例で少しガンバッテ貰わないとイケナイかも知れませんね。

>のんきなとうさん様

結局、自由主義的なやり方に弊害(要は人間が間違うものだからですが)はあるとしても、これを何らかの人為的な形で抑えると、かつての自民党の政治のように、ファンフェアな儲けの温床が権力の周りにできてしまいます。

また、何が長期的にいいことなのかは、時間が経ってみないと分からない、ということも重要なポイントです。

今以上には、自由にやらせる方がいいように私は思うのですが、結果はどうか、それは、やってみなければ分かりません(対照実験ができるわけではないので、正確には、やってみた後でも分からないかもしれませんが)。
 
 
 
もう、ダメかも? (傍観者)
2007-04-18 02:48:08
え~と、、、

日本国は
総ざらえしたいみたいやね。

もう考えられない。
何よよねん。

ふざけるなよな。

お~~~い

譲談かいな。

日本の株は安すぎるよ。
M&Aだか知らんけど

ああ、捨てられていくよ。


情けないこったと思う
今日このゴロさ。

本当に耐えられない話ばっかじゃん。
 
 
 
空腹は自由を生み出さない からして (作業員)
2007-04-18 18:18:15
結果として、国民の多くが昨日より一品多い晩飯を笑って食えればいいのでしょうが。なかなかそうはなりそうにないですぞ。大崎ちゃんもよく、シティーを例にあげて、外資を入れてマクロの成長が生まれることはあるんだからビビるなよ、と言うのだけれど。
では、ロンドンの生活はどうなっているかというと、伝えられるとおり、物価は高いし物騒だし、とても暮らし安くはなっとらんでしょう。もっとも、経済停滞していたら、今以上に悲惨だった、とは言えますが。
だからして、外資を入れても治安が極端に悪くなったり、北九州に餓死者ポストが設けられたり、にはならない、という手を先に打つのが知恵だろう。

>かつての自民党の政治

葉千栄の隣に座ってしゃべる須田さんも、守旧派が改革を遅らせるとだめだ、というような事をしゃべっていて、須田おめーもか、と思ったが、須田ちゃんは、公務員改革等と官邸と財務省との死闘についておおむね語っておられたので、まあよしとするか、と思った。
本当は、自民党に新自由主義化などさせてはいかんのだ。特に、すでに歴史的に結論が出ているように、新保守主義のガメタ顔の連中に改革者面させては絶対にいかんの。こやつらは結局ナショナリズムあるいは道徳に訴えるだけで、既存の階級構造を強化するだけなのよ。
ひとつの知恵として、政権をリベラルにしておくこと、があるわけ。新自由主義が、リベラルエリートへの怨嗟から生まれた可能性はあるわけだが、新自由主義後発の日本は、未だ十分な国際競争力もあるわけやし、余裕を持って新自由主義の失敗から学べるわけやから、そこで頭をつかわんといかんよ。だからして、岡崎久彦のような飴ちゃんのケツなめなめインチキエリートの操る腹話術の蝋人形だから切っても血のでない安倍とかではなく、山さんや大崎ちゃんのように、金を扱ってもわりに泥臭い、関西人が嫌いなわりに浪花節な人間をエリートにせんといかん。
人権派なので中国は好きな国とまではいえんが、労働者としては、親米親台派の鼻息にごまかされずに、中国の巨大市場から利益を得る道を探りたいと思う。須田ちゃんがいいことを言っていた。
「トヨタやキヤノンの下請けなんか、永久にトヨタやキヤノンの下請けだ」
戦前の大陸ヤクザよろしく、中小企業の経営者と労働者は、三丁目の夕陽より赤い夕陽の大地を拝みにいけばどうかと思う。
 
 
 
一言だけ (作業員)
2007-04-18 19:19:31
>ラムズフェルドの顔は「ガメタ」顔なのでしょうか?
ラムちゃんは、長い年月をかけてガメタ、感じがありますね、味わい深いです。ネオコンの顔を改めて見てみると、やっぱこいつが一番ガメテます。
リチャード・パール
 
 
 
なるほど~ (minaho)
2007-04-19 20:05:22
>山崎様
不動産は、それほど安くない状況なのですね。
バブルの頃の高騰した地価が記憶に強く残っているので、安いのかと思っていました。
高く買って安く買い戻せるなら、大歓迎です。
 
 
 
暫く夜型生活してました (サイレントじゃないマジョリティー)
2007-04-19 23:35:26
山崎様

こんばんわ、ご無沙汰しておりました。

外資上陸には警戒感を示すのに、自分が外資として上陸する場合は無頓着というのが日本のメディアの此れまでの傾向かなあ、との感想を持ちます。

但し、此れまでのところ印象に残る上陸阻止を全面的に訴える主張とかメディアの記事等を余り見かけた記憶も殆ど無く、阻止の論拠の希薄さの証だと思うのですが、反対論がそれほど多くありましたか?(もしかしたら私個人の無関心?)。

上陸(表現の適否は棚上げ)の実例として興味深く関心を以って見ているものには、日産自動車とルノー、マツダとフォードの関係があります(決済方法は株式交換ではないが)。
現状ではこの2例は夫々少しづつ異なった状況にはありますが、興味の尽きない対象であり長期的に暫く成り行きを見守ると面白いと思います。

新しい技術を研究・開発し其れを実用に耐えるレベルに上手に落とし込む力とか知恵や工夫、これらをもし『もの作り力』と称するなら、この力を持ち続ける限り、外資にとってもその会社には魅力があるし、買収されたとしてもその会社はその存立基盤と独自性を保持しつつ生き残り、時勢環境の変遷に伴い場合に依っては苦境に陥った外資を助けることになるという構図が実際に我々が経験し目撃している事実ではないでしょうか。

企業業績という観点で日産がルノーの決算に多いに貢献したのは事実でしょうし、今後とも乗り越えるべき課題が多いことは間違いない(どの自動車メーカーにも共通)でしょうが、夫々を補完し合う関係が上手く構築されれば良いなあ、少なくとも日本発のメーカーとしてホンダと共にトヨタに充分対抗出来るまでになって欲しいなあと期待します。

ところでこのルノーですが昭和50年代には日野自動車に技術供与し(資本提携は無し)日本の自動車産業の一角に礎を築いた時期もありました。4CVとかいうリアーエンジンの観音開きの4ドアセダンのタクシーに乗った記憶があります。
かたやフォードはもっと早い時期から日本に進出し横浜でノックダウン生産していた場所が紆余曲折を経て現在はマツダの技術開発研究所になっているといった具合です。

これ等二つの『日本ブランド自動車メーカーの将来や如何に』、を考える時に外資による資本進出が害になったとか、阻止すべきであったと言う根拠は何処にも見当たらず、仮に買収の手段が株式交換であったとしても問題視される様な要因は見えず、阻止したいと思う根拠は理解出来ないことです。

ところで日本資本が海外に投下される場合、投資先での反応はどんなものなのでしょうか?、ホンダが英国のローバーとの関係を築いた際に否定的なものよりも肯定的・積極的に捉えるものの方が圧倒的であったと個人的には感じたのですが、本当のところは当時と現在とでどんな具合なのか一度調べてみたいと思います。(MGとかトライアンフとか自動車ファンには燦然と輝く英国ブランドが数多あったのですが、そういえば全部外国資本下での生き残りとなっているのですよね)

山崎さんのお陰(せい)でファンになったシングル・モルトの世界でもたしかボウモアには日本資本が入ったとかお聴きした記憶がありますが、あれはスコットランドではどのように思われているのでしょうかね、此れも興味深いです(一度これも現地調査したいな、是非)。

ところでお金の力に任せて日本の良い物や技術などが強奪されるかのような感覚で一時『禿鷹』と言う呼び方が乱舞してましたが、『お金で強奪』で思い出すのは、私の場合は『俺が死んだらルノアールもゴッホも一緒に荼毘に伏してくれ』といった日本を代表する(?)実業家の某氏のことが浮かぶのですが、あの時は本当の野蛮国として評価が海の向こうのメディアで大きき扱われていたことを鮮明に思い出します、あれは何と言う呼び方をするのが妥当なのでしょうか。

経団連のシンクタンクの新理事長さんが三角合併に関して『日本の良さを活かすグローバリゼーションの受け容れ方』を語っておられた記憶がありますが、実業家某氏も確か経団連でしたか??。

(いや、久方振りの長文、ご容赦下さい。Hbridesでいい気分です。)
 
 
 
間違い訂正します (サイレントじゃないマジョリティー)
2007-04-19 23:40:19
昭和50年代には日野自動車に技術供与し⇒(正しくは)1950年代には。

失礼しました(若干酔ってます)。
 
 
 
Unknown (藤井 まり子)
2007-04-21 12:05:36
山崎さん こんにちは!
いつも主人がお世話になっております。
三角合併解禁については もしかしたら 一部の人々にとっては 劇場を見るようなカタストロフィー的な側面もあり、もしかしたら 当分はお茶の間をにぎわすテーマになるかもしれません。
ただ 私自身は 中長期では日本の経済力が大きく損なわれ、富めるものも貧しきものも健やかなるものも病める者も すべからく日本人同士のセロサムゲーム時代の幕開けになると とてもとても危惧しています。
TBが送れないので、こちらコメント欄に添付させていただきます。
『三角合併解禁は時期尚早(きみ国売りたもうことなかれ)1~2 
http://diary.jp.aol.com/applet/uvsmfn2xc/20070419/archive
『保田氏への質問状(きみ国売りたもうことなかれ)1~2 
http://diary.jp.aol.com/applet/uvsmfn2xc/20070421/archive
 
 
 
Unknown (うにぞう)
2007-04-21 14:48:09
何を是とするかいろんな価値があると思います。
間違いないのは動乱に乗じて器用に振舞える人にはチャンス♪。未来の変動が大きいので多分多くの人のストレスはアップ、ながーい目で見ると、小数のニューリッチと、あれれ、いつの間にか没落の多数に分化していく。少なくとも米国並みにでしょうかねえ
 
 
 
大きな流れなので (moto金田浩)
2007-04-21 23:49:44
いいとか、悪いとか、プラスだとかマイナスだとか
いっても、大きな流れですのでそれに対応して
行くしかないと思います。
完全無欠なものはありません。これによって
働く人の多くは当初はマイナス面が多くなると思い
ますがしかたがないと思います。それらに
ついては政策でカバーして、また働く人が
能力アップして、時間はかかるかもしれませんが
大きな流れに飲み込まれないように努力することで
対応すれば良いのではと考えます。
これまでも明治維新、戦後の変革、ここまでの
時代の変化に、我々はなんのかんのと言いながら
うまく対応してきた実績があります。自信を
持ってやり抜けば自ずから道は開けるでしょう。
 
 
 
三角合併って【売国政策】の仕上げでしょ? (NEO)
2007-04-23 23:13:10
合併された会社内の話はその通りかもしれませんが、
要するに 日本の会社がすべて外国に買われる=日本国内から日本の会社が消滅するってことでしょ?
この意味は、「日本の会社が培ってきた"技術"がすべて流出する」ってことですよね?
大手日本企業が所有する(国内)不動産等もすべて"外国のもの"になるってことですよね?

円が強い時ならまだしも、円は弱いし 国際金融に対する知識も準備もできてない今 規制を緩和するってことは、「国を売る」ってこととどう違うのですか?

いったい日本には何が残るというのでしょうか?

規制緩和などは、円が強く 各企業や国民に一定の認識か高まった時にするものではないのですか?

郵政や高速道路などの生活インフラまで外資の手に落ちたら、それは「日本」と言えるのですか?!!!
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-04-24 01:58:58
NEOさま

こんにちは。幾つか、ものを考える上での前提条件が違うかも知れませんね。

確かに、アメリカ陰謀説的な見方からすると、三角合併で日本企業の資本を安く買って支配する、というストーリーは、三文ノンフィクション的には良くできていると思うのですが、先ず、現在の日本企業の株価は会社にもよりますが、実体に対してそう「安い」訳ではありません。プレミアムを付けて買ってくれるなら、どーぞ、と言いたい企業が目白押しです。

また、エントリーでも書いたように、三角合併は買収決定後の清算をやりやすくするだけで、これで敵対的な買収ででもどんどん買える、というような話ではありません。

百歩譲って「日本人として」という意識に立つとしても(私は日本人にこだわるな、と子供に教えるつもりですが)、外資による日本企業買収を「売国」と見るのは、被害者意識が強すぎるのではないでしょうか。外資に買われても、社会全体として日本の居住者が不幸せになるわけではありません(主に、買われた会社の幹部社員の人生計画が狂うだけです)。

また、外資の、手に落ちるとか、落ちないとかいう以前に、日本という国自体が、われわれの先輩たちの些か無理な戦争の御蔭で、実質的に、アメリカの「実質支配子会社」のようなものであり、現状では、一人前の主権国家意識を持つこと自体が滑稽だと思います。ただ、それで、個々の日本国民が損をしていたり、不幸せだったりするか、というと、そうでもないのが現状であり、ありがたいところです。一人一人が自由に活動できれば、会社など、どこの国の人の資本でもいいのではないでしょうか。

尚、本件には関係ありませんが、今後出てくるかも知れない憲法改正も、親会社たるアメリカが利用しやすくするために、子会社ニッポンの定款を書き替える程度の話でしょう。

日本国民一般にとって、「日本」に拘ることに趣味嗜好以外のメリットはないし、拘っても何かが改善する訳ではないと思います。現政権も含めて、日本の政府は、主にアメリカにしたがってですが、世界から日本の国土と国民の大まかな自主管理を許されて代行しているような存在と考えるべきでしょう。この国は、「売る」以前に、まだ経営権まで含めて「買い戻せていない」のです。(考えてみると、戦後3年以上続いた首相は、吉田、岸、佐藤、中曽根、小泉と、皆、強度の親米派ですね。人事権は親会社にあるようです)もっとも、買い戻したところで、国民にとっては、どうということはありません。

また、「技術」も、それが、日本人に利用されようと、外国人に利用されようと、どっちでもいいのではないでしょうか。ご自分が作ったものならば、気になるかも知れませんが、他人が作ったものなら、余計な心配でしょう。売るか売らないかは、技術の所有者の価格に対する判断次第です。安いと思えば、売らない自由があります。

それに、なにより、日本人が外国企業を買うことだって出来るのですから、外国人に日本企業を買われる可能性があること(まして、何度も言うように、持ち主が「安い」と思えば売らなくていい)について、「ひがむ」必要は無いと思います。
 
 
 
スティールのリバティー (作業員)
2007-04-24 17:02:49
三角合併の前に、元日興のあいつとこいつの、スティールについて、山さんの解説が欲しいところですなあ。村上なきあと、アクティブは俺たちだけだぜ、とか言っているようですが、やりたいほうだい、ではないですか。コロニー日本における「自由」が認められているのはわかりますが、ファンドなるものが、片っ端から経営を揺さぶるのを見るのは、複雑な気持ちになりまんなあ。
加ト吉のおっさんは、魚の行商から身を起こし、アホな架空取引繰り返して、傑作「冷凍讃岐うどん」の技術を斜陽のタバコ屋にとられてしまうようです。こういう乗っ取りは、いたしかたないとは思いますが、やっぱ、ファンドの暴れっぷりには、会社って、何だろうか、と考えさせられます。会社って、何でしょうか?

大崎ちゃんがよく言うように、日本の会社はすでに外国でハゲタカやってるんだから、なにをいまさら、とは確かに思います。ただ、大崎ちゃんの名著「金融構造改革の誤算」から、わずか三年ほどで、劇的な変化が起こっているように思えます。変化が速すぎませんかなあ。わしとしては、憲法九条を証券化する、とか、皇室を証券化する、とかリバタリアンが宣言したらおもろいなあ、と思っています。
 
 
 
Unknown (NEO)
2007-04-24 17:07:50

山崎さま

こんにちは。前提が違うというより、前提に対する判断が違うのでしょうね。

私が 売国政策の「仕上げ」と書いたのは、戦後~現在に至る「仕上げ」です。
確かに 戦後日本は一度も「まともな主権国家」になったことはありません。
憲法・皇室典範は「占領憲法」「占領典範」のままですし、政治もメディアもGHQのコントロ-ル下で
誕生したもの(自民/電通etc..)が巨大化・(複雑)不透明化しただけで、本質的に単なる傀儡国家のままです。

「アメリカ陰謀説的な...」というより、実際に アメリカの「実質支配子会社」だったわけです。

これを踏まえて、「日本なんてそもそもないのだから、売れるものは売ってしまえ」と考えるのは自由です。
しかし、今手放そうとしているのは、そんな傀儡システムの中で「戦後日本人が 唯一自らの手で築き上げてきた遺産」です。
それを目先の利益(プレミアム?)に釣られて売り払ってしまえば、日本人は本当に すべて を失うことになります。

中央銀行である日銀が 政府ではなく 世銀のコントロール下にある以上、経済支配的にも とうに終わってるワケですが、
この一線(無謀な規制緩和)を越えると、日本は 本当に 永久に「一人前の主権国家」になることは不可能になるでしょう。

政治を失おうが、メディアを失おうが、日本社会の実態である会社組織だけは自らの手で支配すべきです。

ただ 一概に「規制緩和(外資導入)」がいけないと言っている訳ではなく、
「(まずは国内での企業統合など..それなりの)準備が出来てから門戸を開くべきだ」と言っているのです。
今のままではアッという間に喰い尽くされて終わりです。

安ければ売らなければいいし、日本人が外国企業を買うことだって出来る..というのは 「システム上」はその通りですが、
現状では、外資からの"誘い"は 「安く」見えないし、「日本人が外国企業を買うことなど難しい」のが問題なのです。

以下の数字をどうご覧になりますか?

【 日米企業の時価総額比較 】 (1ドル110円)

         日本企業時価総額    米国企業時価総額   時価総額の差(倍)

電気機器     A社 2兆4621億円    a社 35兆3760億円    14.4倍
生活用品     B社 1兆4677億円     b社 15兆6200億円   10.6倍
コンピューター  C社 3兆7613億円    c社 31兆7867億円    8.5倍
食品         D社 8029億円      d社 5兆8641億円    7.3倍
製薬         E社 4兆1707億円    e社 29兆9321億円   7.2倍
銀行         F社 6兆2171億円    f社 26兆9357億円   4.3倍
自動車       G社 15兆0176億円    g社 2兆9854億円    0.2倍

(資料:2004年6月日経ビジネス)  ---ちなみに韓国のサムソン社は現在時価総額は約14兆円。

【 日本の優良企業の外人持ち株比率 】  (実は既に外人に買い占められつつある)

三菱UFJ銀行33.7% 三井住友銀行39.4% 新生銀行73.3% キヤノン47.3%
武田薬品43.7% 花王49.5% HOYA54.3% ローム51.6% 富士フイルム51.1%
塩野義製薬41.5% アステラス製薬47.3% TDK44.6% ソニー50.1% ヒロセ電機39.3%
メイテック44.1% コマツ35.6% 東京エレクトロン49.8% SMC49.3% 任天堂41.1%
村田製作所37.8% パイオニア37.8% 小野薬品35.0% エーザイ33.6% 日立製作所39.5%
三菱地所38.3% 三井不動産45.0% 大和證券37.1% 野村證券43.6% セコム43.3%
栗田工業37.3% 第一三共32.3% コニカミノルタ41.4% リコー39.0% 参天製薬36.3%
コナミ30.0% 日東電工55.9% 信越化学36.3% ヤマト運輸31.2% JR東日本30.6%
KDDI31.4% 三井化学29.7% 積水化学33.6% 日産自動車66.7% ホンダ35.5%
スズキ35.7% ヤマハ発動機31.9% 京セラ34.8% 東京ガス32.7% オリンパス34.7%
大日本印刷34.2% NEC29.3%・・・など


「技術」に関して言うと、それを誰が所有して利用しようと それ自体は問題ありません。
ただ、それが外国人の手に渡った為に、日本人が享受出来ないような事態が訪れたり、
日本人の不利益に働くような事態が起きた場合は、やはり 売り渡した日本人が(再び)「マヌケ」と言われるのです。
これは宇宙開発関係とエネルギー問題関係、食料・医療(バイオ)関係、鉄鋼関係で顕著になると予想されます。

私は、外国人に日本企業を買われる可能性があることについて、ひがんでいるのではなく、「憂えて」いるのです。
(ちなみに、私は.. 「半生を外人と共にしてきた日本人」です。)
 
 
 
Unknown (藤井 まり子)
2007-04-24 17:20:06
山崎さん ネット生保立ち上げ日記の岩瀬氏が、大変簡潔な『三角合併解禁に反対する』とのブログをアップしています。ここ一ヶ月以上の私の散漫な意見とほぼ同じ意見です。↓
http://totodaisuke.weblogs.jp/blog/2007/04/post_92d6.html

さらに4月から国際収支統計から見ても、今三角合併解禁すると 日本人の生活水準がやっぱり今の中国並みのステージに後戻りする危険もあるのです。
それについてのブログ↓
『国際収支統計から見た三角合併解禁のリスクPart1~2』
http://diary.jp.aol.com/applet/uvsmfn2xc/20070424/archive

もう一度 山崎さんの明晰な頭脳で もう一度検討しなおしていただけたら とても幸いです。

 
 
 
確かに、なにを今更考 (作業員)
2007-04-24 17:56:26
証券のことは分からんが、政治のことなら、少しは分かる。小泉も安倍も、自称愛国者から、大人気なんでしょう。そりゃ、なにを今更、でっせ。自称愛国者こぞって小泉安倍支持だったわけで、国を売ったのが実はパンチ諸君だった、というオチではないでしょうか。山さんが憲法のことにも触れているので。

安倍はブッシュに、慰安婦問題などでパンチの効いたことなど一切言わず、同盟強化のための改憲の約束だけしてきております。せっかくなので、慰安婦のことを書きますと。
Do you now believe that the Imperial Army forced these women into this situstion? と尋ねられて、We feel responsible for having forced these women to go through that hardship 云々、などと答えています。河野談話を踏襲するだけで万死に値していたオツムの軽い売国漏人形がおもらしして、兆死に値しても、人形はちゃんとオムツもはいてるし、まあ軍拡で戦争ごっこできればいいのでしょうか、支持者諸君は。
 
 
 
日本消失?!! (NEO)
2007-04-24 18:25:55
1994年、中国のかつての李鵬首相がオーストラリアで、ハワード首相に向って「今の日本の繁栄は一時的なものであだ花です。その繁栄を作ってきた日本人がもうすぐこの世からいなくなりますから、20年もしたら国として存在していないのではないでしょうか。中国かあるいは韓国ないしは朝鮮の属国にでもなっているかもしれません」と言い放った件が より一層 現実味を帯びてきた気がします。

http://ja.wikipedia.org/wiki/李鵬
 
 
 
ちなみに、これが正論 (作業員)
2007-04-24 19:28:52
「正規社員という地位が偏重されるがゆえに長い労働時間が事実上強制され、育児や介護など家族的な義務を重視する社員は排除されがちとなる。略
企業、労働者の双方が「終身雇用」という神話から解放される日こそ、本当に日本経済が変身したといえる時だろう。(産経正論より 前世がカエルではなくロバの川本裕子女史記す)」

まあ、山さんと同じ意見なわけで、国家社会主義的伝統右翼なら、この程度の顔の女は相手にせんだろう。正社員偏重が仮にそのとおりだとしても、育児も介護もできずに練炭を抱いて死んでいく非正規奴隷さんたちに、言うことはないのか。正社員の利益をおめーら奴隷に配ってやる、とか。
経団連の御○所どもは、偽装請負を徹底して取り締まる、とか、ハケン雇用申し入れ義務を三年から半年に短縮する、とかいう愛国的政策がなされないように画策し、そのかわりに、三角合併はしぶしぶ受け入れた、りなんかしたんだろ(すでにキ印はケトーの会社だし)。

安倍は、御○所会長を日本を代表する経営者だと言い、その御立派な経営者どもが、別に俺たち買われてもいいよ、と言っているのだからして、わしらにできることなどない。むべなるかな。むべなるかな。しっかし。
水の結晶が言語を理解する時代に、派遣法を理解できない人間○器を賞賛するオツムのオムツ人形を総理に選ぶわしら、自業自得。カルマじゃ。むべなるかな。むべなるかな。
ちなみに、水の結晶にむかって、「ミタライフジオ」とささやくと、結晶が○座の形になるそうです。「○ヤノン」とささやくと、残念ながら観音様は現れず、某奥谷の観音様が拝めるそうです。
 
 
 
すんまへん (作業員)
2007-04-24 22:50:56
ネタではなく、オツムの軽いオムツをはいた蝋人形の空輸はすでに済んでいるのかと思っていました。五分ほど頭をブッシュになでてもらって帰ってきたのかと思ったら、まだブツはこちらにあるそうです。加藤紘一が、滞在が短すぎる、と批判しているのを夢の中で聞いていたので、こぎゃんことになりました。チーム施行のみなさんに、お詫びします。すんまへん。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-04-25 00:46:05
>NEOさま

コメントありがとうございます。

日本の一応大企業と世界レベルの大企業の時価総額の比率が後者の方が数倍から十数倍大きいことは方々で取り上げられていますから、知っています(日本の企業のビジネスと市場の相対的な価値が、かつてよりも低下しているのは、単なる株価の問題だけではなくて、ビジネス上の事実です)。

しかし、利益や資産に対して日本企業の株価が割安だということではないので、外国企業はプレミアムまで付けて日本企業を買っても得にならないというか、資本効率を悪化させていまいます。

時価総額だけ較べて、日本企業が安く、簡単に買われてしまう、というのは、日本企業の価値を買い被りすぎだと思います。

また、日本人が株主/経営者だと技術を国民のために広く使って、外国人が株主/経営者だと、日本人のためにはこれが使われなくなる、という根拠があるのでしょうか。たとえば、キャノンのような会社は、御手洗氏のようなゼニゲバ爺さんが経営するよりも、ウォーレンバフェットのようなアメリカの金持ち経営者が経営する方が、法律も守ってまともに経営してくれそうに思えますが、ちがいますか?

>藤井真理子さま

コメントありがとうございます。ブログ拝見しました。

ネットライフ企画の岩瀬さんは、たまたま最近お会いしてゆっくり話す機会がありましたが、感じのいい青年でした。

さて、三角合併の議論ですが、論点を分解すると二つに分かれます。

(1)「三角合併」という仕組みの効果は大きくて、これを解禁すると、日本企業に対する買収がどんどん起こるのか?

(2)日本企業が外資に買収されると不都合があるのか?

(1)は幾らか技術的な問題ですね。岩瀬さんは、株式での買収は買収側にとってリスクが小さいことを強調されておられて、確かにそれも一面の事実なのですが、株式交換に至るまでには、被買収企業の同意が必要です。これを力づくで得ようとすると、2/3の株を先ず抑える必要があり、このキャッシュは必要ですし、株式対価の場合、受け取る側の評価の問題があって、日本人株主の場合、現金と外国株を同評価というわけにはいかないケースが多いと思います。つまり、株式だけで買収しようとすると「高くつく」可能性が大きい。

また、NEOさん宛のコメントでも触れましたが、そもそも、日本企業の株価が魅力的なのか。たとえば、ソニーはマイクロソフトにとって、鼻くそくらいの時価総額かも知れませんが、使い切れないキャッシュがうなっていて、数年前についに配当を始めたマイクロソフトとしても、買収するという目でソニーを見ると、とても買えないから、今まで買わなかったのではないでしょうか。

ただ、いずれにせよ、(1)については、今後一年くらい経ってみると、どんな様子になるかで、意見が収斂しそうに思えます。

藤井さんのご意見をお聞きしたいのは、むしろ(2)についてです。ズバリお訊きするとして、なぜ企業のオーナーが外国人だと困るのですか? 日本人にもヒドイ経営者はいくらでも居ますし、外国人にもマトモな人がたくさん居ます。

「日本が外国に負ける」とか「日本の競争力」とか(競争力は、主に国にではなく、企業のもの)、「日本が売られる」とかいった、日本一般の利益があるとして「国益」を騙る連中は、結局、国益の名の下に、一部の集団の利益を忍び込ませます。「国益」という言葉を声高に語る人には、気をつけた方がいいことが多いですよ。
 
 
 
Unknown (hiro)
2007-04-25 12:55:27
私も、なぜ日本企業が外資に買われるのが不都合なのか全く理解できません。

売れば対価が入ってくるのだから、それで好きなものを買えばいい。米国債買って、フロリダに移住するのもいいかもしれない。

売る相手が日本人なら平気なのに、相手が外人だと対価なしにタダで取られてしまうかのような反応を示す人がいるのが不思議でしかたありません。

それから、どんどん外資が入ってくれば、某国はそんな日本にミサイル飛ばす勇気は萎えてくる。いわば勝手に弾除けになってくれる訳で、ありがたいと思わないとバチがあたります。
 
 
 
Unknown (貞子ちゃん)
2007-04-25 13:05:18
山崎さん こんばんは!
先日東京の三角合併賛成者のかたと電話でお話したのですが、たぶんお互いが話していることは同じなのだろう』ということです。三角合併には長所もあり短所もある。短所を強調しているのが私のブログです。
『国益の名の下に、一部の集団の利益を忍び込ませます。「国益」という言葉を声高に語る人には、気をつけた方がいいことが多いですよ。』とのこともわたしのよくよく理解しています。
国益を『日本の損得』という分かりやすい言葉で記したのが岩瀬氏のブログです。
日本が損をするかもしれない法律を解禁してよいものか。
確かに ひどい経営者が日本にも多いでしょう。
ただ 日本にもまともな経営者はいます。外国にもひどい経営者はいるし、まもとま経営者もいるでしょう。
私の周りでの外資系企業の傘下に入って、返って元気に働いている人もいれば、外資が嫌になってやめてゆく人もいるます。
『なぜ企業のオーナーが外国人だと困るのですか?』とこですが、それは、やはり企業のオーナーが日本人である愛知県で暮しているからだと思います。企業のステークホルダーが適切にバランスが取れていると、これほどいろいろな人に広く浅く良景気が行くわたるのだなぁ~~~と感心してトヨタの企業城下町を眺めていす。
他の企業で、あえて高い配当率を要求するような外人がオーナーになれば、やはりだたでさえ動労分配率を下げてまで頑張っている企業(たとえばキャノン)などの外国資本の傘下に下れば、偽装などももっと増えてくるのではないでしょうか。
ナショナリズムとは全く関係ないところで、今の日本が損になることは、やはり時期尚早だと思います。
三角合併に反対していません。時期尚早だと判断しています。
参考までに↓
『保田氏への質問状(きみ国売りたもうことなかれ)1~2』
http://diary.jp.aol.com/applet/uvsmfn2xc/20070420/archive

まぁこういったリスクを熟知すれば、三角合併が解禁されたときに  私たち個人投資家は進むべき方向性のようなものは見えては来るのですが・・・。
 
 
 
2006年11月にQUICKに書いたコメントです (栗田昌孝)
2007-04-26 10:01:33
拝啓 山崎様

外資証券勤務の「現役職業軍人」(ニックネーム:人間魚雷)から、尊敬してやまない師匠へ「メッセージ」を送付申し上げます。(2006年11月にQUICK経由で配信したものです)
・・・・(以下本文)

2.マーケット:「三角合併に過敏な日本企業」
 三角合併に対する日本企業の警戒心は非常に強いようである。2006年5月に施行された会社法によって会社のM&Aに関する手続きは簡単になり、実際、王子製紙による北越製紙に対するTOBといった様々な案件が現場で散見されるようになった。内需の飽和が叫ばれて久しいが、今後企業利益のマージナルな成長に関する部分は、外需若しくは国内外のM&Aが鍵であり、三角合併もその一翼を担うものであることに異論はなかろう。
 尚、外資来襲の起爆剤と思われている三角合併であるが、果たしてそうか?外資企業にとって三角合併による国内企業の買収は、外資にとって自社株式の「新たな株主の増加」を自然と伴う。中には、招かれざる株主も含まれているかもしれない。そうした株式交換によって発生した新規株主が今後自分たちのビジネスモデルを理解して、継続保有してくれるかどうか分からないという点で、リスクを伴う。もし新規株主が株をこぞって売却することで株価が下落すれば、既存株主からもクレームがくるであろう。したがって外資も慎重にコトを進めると思われる。
そうした意味で「三角合併=外資来襲」と安易に結びつけるのはいささか短絡的にみえる上に、自分たちの会社が「(外資から見たら)すぐにでも買収したくなるくらい魅力的なのだ」というのを暗にほのめかしているようにも見え、そうした保守的(保身的?)で自意識過剰な日系企業の“お公家さん”的な性癖は、今後迎えるべく経済世界では「はやらない」し、「やっていけない」ので治した方が良い。国内企業の経営者は、これを期に内気な“公家気質”から“職業軍人”へメンタリティーを変革する必要があると思われる。

・・・・・

小職も今年で外資転籍後(言い換えれば、日系企業”亡命後”)10周年を迎えました。三角合併は別に不当に「拉致」されるわけでもないし、買収した側も「リスク」を負うわけですから、ゲームとしては五分五分でしょう。もうすぐ「ゴング」がなるわけですから、日本ではビジネス・エリートより”ビジネス・アスリート”を育成するシステムの確立が急務と思われます。エリートは「エリート意識」という言葉が妙にしっくりくるように“がむしゃらさ”とは無縁な感じですが、アスリートは“アスリート根性”という言葉が示すよう、“ガッツ・ドリブン”な存在です。最終的には「自分由来のアイデアやスキルセット(ごますりもスキルの一種です!)やガッツなどがものをいう世界」の方が、「縁故・学歴・人種が死活領域を握っている世界」よりもフェアな感じがするので、そういう勝負土俵(大相撲のような)を望んでいます。
国内・外資(ちなみに、外資=米国ではないです!中国・韓国・インドも“外資”ですよ!前ばかり見ていると背中から襲われます!)混戦模様の経済大相撲東京場所で“横綱”を目指してはりきる所存です。

平成19年4月
ドイツ証券株式会社
栗田昌孝
 
 
 
日本的(?)自意識過剰 (山崎元)
2007-04-26 11:34:22
栗田昌孝さま

お久しぶりです!

ご指摘のとおり、日本企業の経営者たちの自意識過剰(被害者意識で増幅されていますが)と、日本企業が買われることに対する過剰なナショナリズムに基づく大衆の防衛意識には、少々驚き、あきれます。外国(人)が良く分からなくて怖い、という意識は、確かに、いくらか自然な気持ちだとは思うのですが、これは「恥ずべき」あるいは「抑制すべき」感情でしょう(相手にとっては自分達もガイジンなのですから)。

ニッポンという集団の傘に隠れて、外国人株主/経営者を排斥しようとすることが、いかにアンフェアで恥ずかしいかを、本来、メディアは伝えるべきだと思うのですが、そのメディア自身が、ナショナリスト大衆を主な顧客にしているので、そうはならないのですね。

思うに、たち悪いナショナリズムが病気のように蔓延するのは、メディアのマーケットが国内に偏っていることと(これはどの国も似た状況かも知れませんね)、「ニッポンは」を主語にするとメディアにとって分かりやすいメッセージになりやすく、メディアがこれ以外のコンテクストを持っていないという点に原因があるのでしょう。

また、だいたい、あのいい加減なアメリカ人達でも、あの厳しいアメリカ企業で勤まっているのだから(アメリカの人達、ゴメンナサイ!)、外資がオーナーになったって、「職業軍人」というほど緊張しなくても、大丈夫に決まっています。日本の居住者も、会社や経済の変化に適応して、もっと楽しめばいいのにと思いますね。「ウチの会社が、外資に買われると、刺激的で面白い」と思う若者がたくさん居るくらいでないと(自分の会社のことを「ウチ」なんて言っているよう奴は大体ダメですが)、活気のある発展は望めませんね。

大相撲の例を挙げておられますが、「大相撲では、やっぱり日本人が活躍しないと」と口に出して言うような人間こそ、糞以下の存在であり、日本の恥(同郷人という程度の意味でですが)だと私は思っています。
 
 
 
私はすでに”外資に買収された身”です (栗田昌孝)
2007-04-26 12:33:29
山崎様

プロンプトな返信ありがとうございます!
現在昼休みなので再度コメントを申し上げたく存じ上げます。
三角合併を論じる前に、既に東京では相当数の外資系企業が相当数の日本人を雇用している現実があり、小職もそのひとりです。少なくとも、私(も含め外資系企業勤務者)はある意味で属人的に外資に“買収”されたのと同じなわけです。三角合併も個人レベルで起きていることが、会社レベルで起きるだけなのだな・・という感覚です。単なる、個人→会社という“区間延長”の話という認識ですから「そんなに騒ぐことかな?」と思うのです。
同時に、(自腹で留学してまで)外資系を目指す個人が多い現実を見ても、内国法人が「それほでもない」ことの証左でしょう。
話は変わりますが、外資に買収されることで、「支配される!」すなわち「権限を握られる!」と感じるとなんとなく嫌な気分がしますが、私の場合、10年前、英語もろくに話せない四大卒の凡夫を、勇気をもって“買収”(採用)してくれたのは、某フランス系証券会社でした。
思うのは、買収でも採用でも飽くまで「リスクを取る」のは買収する側であって、そして「リスクを取る」のですから(ゲームのルール上)当然「権限」も買収する側が持つことになります。
もし日本人の「権限」や「尊厳」が重要なら、逆に買収を仕掛ければ良いわけです(日本企業が外資を買収してはいけないという規制は無いはず)。
(但しその場合も既存株主への説明といった手続き論は必要でしょうが。)
でも、そうした実力行使といったことを考えず、半ば“手をこまねいている”だけで「攘夷運動」を推進するような事態は、まるで「転職せず会社に留まっている人が会社の後輩に、外資に転職した同期のうわさを見聞きして、“外資なんて大変なんだから、うちの会社が一番!”と洗脳気味に諭している」ように見えて仕方ありません。
勇ましさの欠如に由来する「うちが一番!」というと内弁慶なナショナリズムは、はっきりいって“猛毒”です。これこそ、武士道、ひいては”国家の品格”を十分に損ないます。
普通に「大志を抱いてビジネスに専念できる(お金儲けが出来る)」場所があればことは足ります。
 
 
 
あきんどの気概 (mistral)
2007-04-26 13:34:39
三角合併に関する憂国な反応を見ていると、
幕末の田舎志士が、相手の素性もよくわからずに騒いでいるようで、滑稽だな、と思うことがあります。
「偉大なるヤマト民族の私」としては、粛々と「オカネの善用」して、賢く立ち回って、「三方よし」とできるのではないかと思うのです。こういう「あきんど」感覚は、ブシドー的には、やはりいただけないのでしょうか。
どうも、三角合併を心配する方々は、勝負する前から「負ける負ける」と騒いでいるようで、自国民をあまり賢くないと思っているのかなあ(なんだか自虐的ですね)と思います。その負け犬根性は、どこで身に着けたのでしょう....。憂国しているヒマがあったら、新会社法、勉強しましょうよ(笑)
「時期尚早」という言葉には、ペリーに「来年返事する」「できれば長崎で会いません?」と時間稼ぎしたエド軍政のお役人を連想しました。現世に存在する途上国の軍事政権の言動を見ていても、軍政の方々って、結構臆病ですよね。

ついでに、外国の方々をしたたかに迎え撃つ姿も想像してみました。外国の方々への参入障壁として、社を挙げて「源氏物語」化してしまうというのはどうでしょうか。
衣擦れの音で重役の意思決定を伺い、夜陰に文をやり、交渉は歌で詠む。商談には方違え、移動はは牛車で!
かつて、零戦も牛車で運搬したこの国です、きっと大丈夫です。
 
 
 
まったく逆の感触もあるんだな (作業員)
2007-04-26 16:48:56
>三角合併に関する憂国な反応

新自由主義化を一語で言えば、フレキシビリチー、になるようだ。短期でサヤ抜くビジネス、労働者を非正規使い捨てするビジネス、まあ、そんな感じだろう。
カンボジアで少女を買う日本のおっさんが、日本国内で外人に株を買われて怒るのは、まったくおかしいと思う。少女はカンボジアで売春するのはやめて、若干しみったれているが日本円を日本で稼いだほうがいい。伊藤元重のゼミナール本にも、「資金移動と労働移動は同じ現象」と書いてある。書いてあるだけで、同じようには起こってないけどね。

さて、わしが繰り返し言っているのは、なんで日本においては、反グローバル運動が起こらないのか、ちゅうこと。三角合併に対して国を憂う運動など、起こってないやろ。自称保守他称ただのインチキ右翼の産経であっても、川本裕子のしょーもない言説たれながしとるがな。反中とか偉そうなこと言ってもだな、原発二十基受注できそうだ、とかになれば、関連企業の提灯もったりするんだろう、マスコミなど。

話がそれたか。文脈としては、反グローバリズム宣言は、十分にありうるし、環境問題等にかこつけての批判もできるだろう。最近思うのだが、我がヤマト民族は、なすがまま民族、になってしまったのではないだろうか。御○所会長が四半期の業績しか目に入らないように、目先労働者として損だと思えば、とりあえず反対すればいい。神様はそういう不合理も含めて、落とすべきところに落としてくれるはずだ。目の前の実利を取るのは、そんなに悪いことではない。戦争しとるわけや、みんな。
 
 
 
5分前の世界 (mistral)
2007-04-26 18:53:38
横レスですみません
>作業員様
いつも作業員さんのコメントを、「山崎さんの投稿の次に」楽しませておりました。
「偽装作業員」ではないかと疑いつつ、
「高麗軍が攻めてきたら、このような方が塔を倒して駆逐してくれるのではないか」と期待しております。

反グローバルについては、実は私も夢想するところです。車も売らないが、小麦も石油も腎臓も買わず、
自給自足で生きていく、自立した美しい国!

ト○タは世界最高の牛車を造り、華麗なる一族はたたら製鉄を営み、人民は若者宿の通過儀礼で一人前となり、水系ごとの集落で相争い、ハレの日に餅を食い、ふるさとの鮎が一番美味いと思う。というような。

ところで、このヤポネシアにおいて、自給自足できる人口というのはどの位なんでしょう?そして、自給自足からあぶれた非農耕民の運命は?
網野史観に従い、海に活路を求め、糸満に代表される海上民族が再び世界を巡るのでしょうか。再び倭寇として上海を掠め、南米で勝ち組と負け組に分かれて相争い、タイ軍政の傭兵で名をなし。
反グローバリズムは一方で、汎グローバリズムを促す...と。

私の出身地では、明治の頃、農家の次男はハワイに移民し、半奴隷のような生活に耐えて、故郷に錦を飾ったといいます。
私に同じことができるかどうかわかりませんが、
偉大な先人の偉業を見習って生きていこうと思ってます。
 
 
 
Unknown (藤井 まり子)
2007-04-26 19:16:06
私個人は ナショナリストではありませんし、アメリカをよく理解している立場です。アメリカほど判りやすい国はないです。
分からないから怖いのではなく、あまりに単純なメカニズム(マネーの量と資本の論理)で動いているからこそ、その単純明快な理論にこそ空恐ろしさを感じています。
結局 一部の賛成論者も反対論者も同じことを言っているのですが・・・最終的な違いは・・・もしかしたら『経済成長優先主義』かの『人道優先主義』の微妙な『ずれ』の違いかもしれないです。
『派手な改革(刺激)論者』か『地道な改善論者』の微妙な違いかも知れません。
ウォーレンバフェッとがキャノンを買って 偽装請負を無くしてくれる事は どちらかというと、期待薄のような気が思います。
 
 
 
法華者石原莞爾いわく (作業員)
2007-04-26 19:25:10
最終戦争の前に、自給自足圏を構想し、満蒙をとれ! ですから、海辺の民その他大勢の胃袋を満足させるためには、侵略か貿易、が必要なんでしょうかねえ。安倍の言う、戦略的互恵ですか。アメリカに対しては、戦略、とは言わないのかな、安倍は。
ちなみに、莞爾は、ふりがなをふると、ニッコリですかな。自由主義者はまあ、最大多数の最大ニッコリを理念上は目指すのでしょうが。株式市場になど、そもそも参加しとらんわけで、わしら。負け組だから笑えない、とならないように、個々人はどないぞこないぞ適当にするしかないですな。にしても、まつろわぬ民の少なきこと、寂しいかぎりでございます。では、失礼。
あ、わしが夢想するのは、国だとか皇だとか拓だとか帝だとかのパンチの効いた大学生たちが、ある日反グローバリズムに目覚め、パンチパーマをロン毛にして、あちらこちらにピアスなんぞもつけて、ゲイパレードのように行進する姿、なのです。北海道でサミットなんぞするときは。そういうちゃらけた国士さんに、是非とも、代用乳ばかり飲んでいるホルスタインの着ぐるみとか着て、「背骨を抜いたら立ってられへん! 狂牛病でも立ってられへん!」と叫びながら踊ってほしいものです。
 
 
 
海辺で暮らしたい (作業員)
2007-04-26 22:27:56
海辺は、正確に「海部」に訂正しときまひょか。ちなみに、海辺は、安岡章太郎の「海辺の光景」では、カイヒンと読ませています。わしは安岡は苦手で、吉行派ですかな、第三の新人の中では。しぶとく復活をとげつつある野坂先生がもちろん一番ですが。

さっきサンデー毎日4.29を読んでいたら、山さんの解説が載っていました。それにしても、売れっ子やなあ、株なら安いうちに買ったのになあ。「経理部をまるごと中国に移された」話、現実やからなあ。大変だ。
わしゃ、冗談八割嘘二割だが、普通のおっさんじゃよ。では、おやすみ。
 
 
 
読売のフヌケのことなど (作業員)
2007-04-27 18:16:08
戦後は極左まで振れたはずの新聞社が、その時々の政権のケツだけなめ続けて、ほぼミスター一人におんぶにだっこでここまでやってきたのだが。いいかげん、その時々の政権の広報紙も飽きないのかと思う。最近では、時流に乗っただけの辛抱たまらん小僧が関西人を代表するような顔で正論ぶちまけているが、アズマエビスの人々は、たのむから勝谷とか辛抱のでけない小僧ごときが関西人の代表とは思わないでほしい。関西人の代表は、誰がなんと言っても、中島らもである。らもちゃんいわく。
「家は焼けても、柱は残る」
これがもっとも美しい日本語であります。辛抱の亜保たれは、なんかいっぱしの国士気取りだが、関西人を自虐的に洗脳したのは、黒田大谷の大阪読売だろうが。君は、読売読んで育ってねーのか。

さて、これも読売だったと思うが間違っていたらすぐに教えてほしい。脳みそが入るはずの部分にカニミソないしクソミソが入っているオツムのオムツをはいた蝋人形と一応籍だけは入れているらしい韓流好きのいわゆるファースト産む機械が、なんだと山谷に出向いただと。ほんでから、福祉施設を訪問して、なになに、あまりの悲惨に、涙を流した、ってか。で、その福祉施設は、われら競艇ファンから笹川曾野一家がまきあげた浄財で運営されていることを、当該財団のホームページで知った、だと。
元ボート仲間の友人にこの記事の話をすると、別に政治にもウヨサヨにも興味ない男だが、「そんな汚い記事は生まれてから見たことがない」、と言うたわい。わしもそう思う。三代に渡って山谷をほったらかしにしてきたのは、安倍一族だろうが。泣くのもいいが、人形がオムツを脱がないからポンコツ扱いされるファースト産む機械の地位などとっとと放棄し、離婚して、自称耶蘇の曾野の下で、パン券配ったり、炊き出ししたりでもせんか。

さて、本論は、偽装請負松下に関する判決が出たので、それについて触れたいのだが、なんと言っても読売の報じ方がフヌケだった。労働者完敗と印象づけたいだけとしか思えない表現だったが、だいたい判決の内容を理解して書いてるのかなあ、この記者は。解説は朝日にまかせる。この判決はある意味妥当で、このケース、雇用申し入れを認めてしまうと、数十万あるいは百万単位の直接雇用が一度に実現してしまう。亀田戦のジャッジが握っているとか言うのなら、二宮清純ちゃんよ、この判決を出したジャッジはクソ経団連の金握っている、とも言ってみろ。結論として言えるのは、「自分の子供を絶対に業務請負会社で働かせてはいけない」ということね、メモ夫人。あとは、民主党中心の政権に変われば、「御手洗ナニガシ!」で有名な福耳枝野が法整備するやろから、選挙は天気と気分次第で野党にでも。タコ経営者どもは読売の勧めるまま、学会でもどこでも入れんしゃい。

本当の本論を忘れるところだった。読売は、ヤマダ電機の偽装請負事件を報じるのをやめたとかやめないとかでもめていたのだが、今回の偽装請負フヌケ報道を見て、やっぱ手打ちにしたのがよくわかった。
で、ヤマダではなくて最近創業者が長い旅に出た量販店に、わしの友人がアイポッドとかいうのか、あれを買いに行って、ネタを拾ってきた。売っているのが、ネームプレートは日本名なのだが、どう考えても日本に来たばかりの近隣アジア人だったそうだ。友人はとりあえず、「次長課長か!」と叫んだそうだが、おそらく派遣のそのアジア人販売員には、通じなかったそうだ。
外資が入ってきたら、やはり派遣社員も格安を使うようになり、アジア人ばかりになるのだろうか。友人と話したのだが、接客スキルってなんだろう? 今までお辞儀の練習させられたり言葉遣いを直されたりミソギ研修受けたりしたのはなんだったのだろう? オチとしては、山谷暮らしの安い客には安いサービス。これがフレキシビリチーなんだな。泣けるぜ、蝋人形夫人さんよ。しかしであるぞ。いいのか、こんなので。
「それ以上きくな。サイトみたらわかる。それ以上きくな」
 
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