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ダイヤモンド・オンライン 「バブルと金融政策の関係を整理する(前編)」

 一週間サイクル上、原稿の締め切りは火曜日に集中することが多い。今週は、ダイヤモンド・オンライン、現代ビジネス、週刊ダイヤモンドの締め切りがこの日だった。
 ネットに掲載される全二者は翌日にはアップされるので、水曜日に紹介しなければならないのだが、なかなか追いつかない。

 ダイヤモンド・オンラインでは、バブルと金融政策の関係について書いた。
(http://diamond.jp/articles/-/23570)
地味な話題で、読者の人気はないかも知れないが、大事な話だと思うので、今来週の二週間かけて前編・後編に分けて書く。

 金融の緩和は少なくともバブル形成の必要条件だが、バブルの多くはこれだけで生じるのではない。バブルの発生と成長のためには、「質の悪い信用拡大」が必要であり、これを可能にするのが、何らかの「リスクを誤認させる仕掛け」だ。これは、土地神話やネットの成長ストーリーのようなストーリーである場合もあるし、証券化商品のような金融のイノベーションである場合もあるし、規制緩和など制度の要因が関わることもある。

 1980年代後半に発生した日本のバブルでは、株価について、簿価分離での財テクを可能にした特金・ファントラ、さらに、これらの受託にあって利回りを約束した「握り」の慣行が、本来ならリスクのあるはずの株式運用のリスクを小さく見せて、且つ、市場にリスクマネーを供給して株価を上げる一方、質の悪に信用拡大をもたらした。
 今回の前編では、私が見聞した実体験も交えながら、この辺りの事情について書いた。
 次回の後編では、バブルの可能性と直面した時に、政策はどうしたらいいのか(特に中央銀行が)、について考えてみる予定だ。
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コメント
 
 
 
人間こそダチョウなのです (のらひこ)
2012-08-24 05:39:56
「リスクを誤認させる仕掛け」など、必要はありません。民は説明されてもリスクを見ません。面白かったのは、今年の1月、そろそろ震災一周年を前にして「想定外」ということを撲滅しようと言っているさなか、上空をロシアの人工衛星の落下が伝えられ、処がマスコミも政府もその衛星が原発に落ちる想定をしていないことです。そして、民もそれに多分気づいていて話題にしないことです。騙すほうより騙されるほうが悪いという社会を作るべきでしょう。
 
 
 
イニベーション=投機=リスク誤認 (mahlergstav)
2012-10-06 11:21:16
「リスクを誤認させる仕掛け」というのは、表現が下劣ですね。国民を騙そうというニュアンスです。

リスク誤認とは、物好き、ひねくれもの、すなわち投機家ということでしょう。

物好きや、ひねくれものが、なぜそう言われるかというと、価値がなさそうなものを価値があると判断する。すなわち、リスクを誤認しているように見えるからです。

インベーションは、物好きやひねくれものがいないと絶対に起こりません。「リスク誤認させる仕掛け」とは「物好きやひねくれものが活動しやすい仕掛け」と言い換えれば、イメージも変わると思います。


 
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