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少子化の大きな理由

いつもと少し調子の違うことを書いてみます。

自分の身の回りで感じたことは、つまり、自分に利害関係のあることなので、自分の意見として発表するには慎重であるべきだと思うのですが、ちょっと感じたことがあるので書いておきます。

私は、現在、東京都内で、近くに入園可能な保育園があり、且つ、通勤にそこそこに便利な場所にある、ファミリー向けの賃貸物件はないか、と探しています。(今日は、一件、物件を見てきましたが、今一つでした)

妻は現在育児休暇中ですが、仕事を持っており、単に収入面だけでなく、世間とのつながりや自分のやり甲斐の面からも、産休明けには、仕事に復帰したいと考えており、私も「それがいい」と思っています。そうなると、問題は保育園なのですが、これが実に難物なのです。

公立の保育園、及び私立の認可保育園は、東京の場合、区に申請して入園が決まりますが、これが復職ぎりぎりまで、決まりません。待機児童がゼロという区ならいざしらず、なにがしかの競争はあり、また、区内のどこの保育園に割り振られるかも分かりません。場所の便利・不便もありますし、保育園による差もあるので、希望した保育園でなければ困るのですが、これが入園可能なのか不可能なのかが、ぎりぎりまで分からないのです。

認可の申請書類には、勤務の状態(時間や収入など)を書く欄があるようなのですが、そもそも、保育園が決まらないと、これらを書き込むのも難しいと思うのですが、なぜ、区ごときが(敢えて「ごとき」と書きます)、審査をして、保育園の振り分け先を決めなければならないのでしょうか。

無認可の保育園だと個別に入園交渉が可能ですが、数が少なく、質的にもピンからキリまで多様です。

こうした事情なので、近所に良さそうな保育園が複数あって、待機児童の少なそうな区に引っ越して、後は運の良いことを願う積もりなのですが、上手く行くものなのかは、分かりません。

近年、少子化が問題になっていますが、そもそも(1)保育園が少ないこと、(2)保育園に確実に入れるかどうかある程度の時間的余裕をもって分からないこと、(3)保育園と個別に交渉が出来ないこと、などによって、母親が働くことが難しくなる可能性があることは、少子化のかなり大きな問題になっていると思います。

産休のコストや、出産・育児の費用なども問題ですが、そもそも、子供が居ると働けないという可能性が残るようでは、女性が子供を作ろうという気にならないでしょう。

専業主婦の税制優遇など、日本の制度は、女性が働くことを本当は望んでいないのではないかと思えるくらい、働く女性に対して意地悪に出来ています。収入面でも、生き甲斐の面でも、働きたい女性は多くいるはずなので、保育園環境の改善が切に望まれます。

尚、私は、「少子化が問題だ」とは思っていませんが(少子化に対応できない社会は問題ですが)、子供を育てるのに不自由な社会は問題だと思っています。
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コメント
 
 
 
??? (Blessings)
2006-09-11 00:23:04
これは、山崎先生のお話ですか??

久しぶりにお邪魔しましたら、安部氏関連の反響の多さ(最多記録ですね!)といきなり保育園のお話でショックを受けました。



全国で唯一出生率の上昇している福井県では、二世帯(三世帯)同居によってお姑さんたちがベビーシッターをしてくれているのがその理由で、結果的に共働き日本一という現象も現れているようです。(私には相手の家族との同居などは考えられないのですが...)

ただ、都市部でも最近、妻の側のご両親に子供を預けたり、同居したりして仕事を続けるという方法をとっている方も増えてきたそうですね。妻の側というのがキーだそうです。



それよりも、私にとっては、山崎先生の御年齢でまた子育てを始められるというニュースの方が衝撃的でした。

(経済誌で先生の下のお嬢様が最近桜蔭受験を終えられたと仰っておられたので)

転職によって型にはまらない独自の生き方を追求する姿は多くの人々にとってチャレンジとなっていることでしょうが、それにもまして40代後半に子供を持つ(本当ですよね?)先生は、これからの晩婚組(40代の出産人口が2万人を超えたそうです)にとって大きな励ましとなると思います。



「この時代に」子育てをされている先生をとても身近かに感じられましたし、これからもそのような側面からも経験、実感されたことを語っていただけたらと思います。
 
 
 
訂正 (Blessings)
2006-09-11 00:31:59
安部→安倍とは知りませんでした。失礼しました。
 
 
 
少子化は問題です。 (のんきなとうさん)
2006-09-11 00:37:03
少子化は問題です。子供の数は制限しないと近代的なレベルを維持できないのは自明の理で中国も必死の努力でテイクオフをしたのはご存じの通りです。但し逆に程度が過ぎれば日本の現状のようになって社会の維持が出来かねます。

山崎さんのご家庭の通り子供を育てて欲しい奥様方がそれを放棄したくなる環境は絶対になんとかすべきと思います。今の社会の仕組みは有り難いことに結局お金で解決できるようにすればかなりの問題が片付く仕組みになっています。

 小学校や何かの学校関係の設備が余っているわけですから、保育所を設立運営すれ人に超低額で貸し出しすれば場所の問題は簡単でしょう。それ以外の費用は公費負担にすれば問題解決すると思いますが、得てして公費は無駄使いの元になりますから、本当は子供一人あたり18才になるまで年間100万円~120万円税額控除し、その枠の中で各家庭に設計して貰うのが最適と思います。低額所得者にはこのうまみが得られない問題はあると思いますが、あえて誤解を恐れず言わせていただければ、高額所得者に子供を増やす義務と権利を厚くすると言う考え方は社会政策上必要と思います。

消費税もその中に「ある程度」加味すれば(年末に戻し税の形を取るようになるでしょうけど)所得問題のバランスを調整できると思います。

これくらい思い切った方策をとらないと、今のような経費を切り詰めた無認可(?)保育所主体を切り崩せないでしょう。事業として利益が保証されれば資本と人材が流れ込んで来るのは今の日本の現状から明らかですから、政府はお金の心配さえすれば簡単に済む話だと思います。

要するに票になれば政治家は動くしそうでなければ国が滅びても知らん顔でしょう。結局は私たち国民の民度が問われることですよね。こういう場所を使ってもこの問題は啓蒙しまくってください。山崎家の問題でなく日本の問題と思います。
 
 
 
家庭を持つ女性は男以上に大変 (名無し)
2006-09-11 00:38:26
お気持ちお察しいたします。

私も当方は専門職(37歳)、妻もある専門職を目指しておりまして(32歳)、現在子供無しですが、いつ子供を作るのがいいのか悩んでおります。私も東京都内のアパートに住んでおりますが、子供が出来て夫婦で働く為には、1.妻が職に就くためには1歳くらいで預かってくれる保育園か託児所を探す、2,私の実家の両親を田舎から呼んで子供の世話をしてもらう、しかないと思ってしまいます。しかしそこまでの金銭的余裕はありません。

通常は、山崎様の様にその為に住むところを探すのではなくて、現在住んでいる所の近辺で、自分に合った託児所か保育所を選ぶことになるんではないかと思います。というよりも、不確定要素が多いままで、保育園が多いと言うだけで引っ越すのは得策ではない気がするのですが、その辺はどうなのでしょうか?



私の個人的な意見では、企業の側も子持ちの高齢の女性を雇うには正式な、正規の給料を払う形でないと雇えないので敷居が高いからかえって復職の妨げになっているんではないかと思ってしまいます。例えば、女性を雇う場合には(やはり仕事をばりばりこなす男性ほどには期待できないという意味も込めて)雇うときにfullの労力の何割くらいの能力になるかで給料を決められれば(例えばある女性は残業はしないで9-17時で帰らせてもらう変わりにfullの男性社員の7割の給料で採用とか)、雇う側の企業も、雇われる側も採用しやすいんじゃないかと思うんですが(暴動の起きたフランスのようなシステムですが)、如何でしょうか?



私は「キャリアのある男ですらこんなに大変なんだからキャリアを生かしたい女性は本当にもっと大変だろう」とつくづく思ってしまいますので、子持ち女性が多少給料安くても引き受けてくれる仕事がもっと増えれば、忙しい男の仕事の負担も減って、女性も仕事が得られてお互いにいいのにな、というのが持論です。まあ女性蔑視のようにも移るかもしれませんが、やっぱりたいていの場合には男と同じように仕事するのは無理だと思いますよ。



今の政府はせいぜい女性は年収103万円以下のパートで、くらいにしか考えていないんでしょう。そもそも男でもそんなに雇用のない時代ですからね。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-11 01:08:29
>blessingsさま



多少の事情と思うところとがありまして、子供は4人います。一番下は、二ヶ月ほど前に生まれました。私は現在48歳ですから、相当高齢まで働かなければなりませんね。



しかし、今できることとしては、これが一番自分にとって有意義で且つ楽しいことのような気がして、ちょっと遅くなりましたが、昨年、今年と子孫を増やしてみました。



子供が欲しくても、なかなか出来なかったり、保育園も含めた事情で作る決心が付かなかったりと、いろいろな方がいらっしゃるでしょうから、子供が生まれて嬉しいと、あっけらかんと書くのはためらわれるのですが、何といっても、子供は張り合いになるし、何人いてもどの子も可愛いので、生活設計的には少々負担が大きいのですが、増やしてみました。



私が書いた個人向けの本を読むと、いかにも手堅く、冷静に生活を計算しそうな感じがするかもしれませんが、著者の生活振りは、この程度のいい加減なものです(笑って結構ですよ!)。



ご指摘のように、親と同居、あるいは、親が近くに居る、という暮らし方は、共稼ぎ家庭の子育てにはものすごく有利ですね。親との(どちらの親でも)折り合いという問題はありますが、検討に値するライフスタイルだと思います。



しかし、私の場合は、どちらの親も東京から遠く離れた場所に生活の根拠があるので、そういうわけには行きません。まあ、しかし、何とかするつもりです。



ところで、「安部」でなく、「安倍」というのは、私もごく最近知りました。



>のんきなとうさん様



人口が減少すると、高齢世代が、若年世代の労働力をピンハネしにくくなりますし、経済規模が縮小しますから、人口増加時代のような社会運営では上手く行かなくなりますが、一人当たり国民所得が減らなければ、上手くやっていけるはずですし、社会のために人口を増やすというのは、本末転倒かと私は思っています。



もっとも、子供を作りにくい・育てにくい社会は困るわけで、この点の改善が、結果的に少子化対策になるなら、それはいいことでしょう。



>名無し様



確かに、保育園が多い、というだけで引っ越すのは、些か先の読みを欠いていますね(笑)。検討してみます。



男女の働く上での能力差や条件の差は、平均値を観測すると、存在するかも知れないのですが、その差を作る要因に社会的な要因もあるでしょうし、男性の平均よりも優れた女性が相当数居ることも事実ですし、男女で差を付けない、ということが原則としては、社会的なコンセンサスですから、「原則男女平等」は貫くべきだろうと思います。



ただ、ご指摘のように、たとえば時短で働けるようにする、といったことは、企業にとっても得な事だと思うので、大いに工夫すべきだと思います。



問題は、そういった工夫に対して、制度や慣習が協力的でないことでしょう。
 
 
 
女性の雇用 (ny(男))
2006-09-11 04:37:48
山崎様



女性の雇用に関してはいつも疑問に感じている事があります。

山崎さんがご指摘のように、女性が働きにくい環境はいまだに多々あるわけですが、経営者が合理的な持ち主ばかりならもう少し改善されていても良いのではないかと思います。

というのも、まず女性は賃金が相対的に男よりも低いわけですから、同じ能力なら女性の方が安く雇えるので女性を雇うだけでもお得です。

現在のような女性に厳しい労働環境がある限り、女性優遇の人事政策を取れば他社よりも優秀な人材を集めやすくなるのでは、と単純に考えてしまいます。

自分は根っこの部分から投資家気質なので、女性差別のような合理的ではない事を、利益を最大限に追求すべき会社が行っているという現状が理解できません。



唯一考えられるとすれば、女性優遇となるとエコヒイキになってしまうのを会社が嫌がるからなのか、と考えています。

月~金で九時五時、サービス残業も当たり前、このような状況に対応できない人はいらない、というのが多くの会社の本音ではないかと思います。

特に女性にとって仕事との両立で最大の障害になる、妊娠・出産・育児に会社が臨機応変に対応しようとすると、

上記のような固定的な労働環境を変更しなければいけないので、会社は一番嫌がるのかもしれません。(何が嫌なのかまったく分かりませんが)

ただ、このような会社では優秀な人材はドンドンやめてしまい、あとに残るのはこんな条件を我慢しない限り会社に雇ってもらえない無能な人ばかり、と言うことになってしまうのではないかと思います。



女性を大切にしている会社が下着や化粧品と言った女性向け商品を扱う会社や、女性が社長を務める会社ばかりというのも、日本の男性社会のレベルの低さを表していると思います。

確か上場企業でもっとも女性管理職の割合が高い会社はベネッセ(教育関連)で、それでも20%は超えていないという記事を以前に読んで腰を抜かした経験があります。

管理職や役員クラスに女性が増えないとこういう現状は変わらないのかなあ、と暗鬱な気分になります。

政策としては、子持ち女性を新たに雇う会社には何年間か賃金を大幅に助成するなどの措置があればよいのではと思います。(高齢者が創業したり、障害者を雇ったり、新規事業で正社員を雇ったりというモノには既に助成金はありますので)

そうすれば子持ち女性を企業がこぞって雇うという、非常にすばらしい状況が生まれるのではないかと思います。民主党あたりが提案してもよさそうに思うのですが。



保育園の問題は子持家庭が必ず遭遇する厄介な問題のようですね。心中お察し致します。

腹が立つのは、育児休暇が取りやすく復帰もしやすい公務員が一番保育園を利用しやすいという状況がある事です。(復帰先が決まっているので簡単に保育園も決まるのだとか)

一番手っ取り早いのは、山崎さんの経営する会社で奥様を雇うことなのでは、と余計なお世話ながらに思います。



名無しさんの示した「例えばある女性は残業はしないで9-17時で帰らせてもらう変わりにfullの男性社員の7割の給料で採用とか」という条件ではちょっと不平等かと思います。

「残業しない」ではなく「勤務日が週3・4日程度」というのなら問題ない、と言うか逆に良い仕組みかと思いますが。

残業しない社員は戦力として数えない(もしくは残業の量で会社への忠誠度合いを測る)、という従来の考え方の延長では、

働いている子持女性が定時に帰る時に「いつも早く帰ってすみません」と毎日頭を下げながら帰る状況が目に浮かんでしまいます。

男女関係なく、社員一人一人を特別扱いしていいんだ、という空気を作ることが出来ればあらゆる人事優遇政策を会社もとれるでしょうね。



山崎さんが女性も男性もフラットな立場で見ている事をうれしく思います。

やはり投資家気質のある人は合理的な考え方を見につけているものなのですね。



長々と失礼しました。
 
 
 
経営者の合理性 (山崎元)
2006-09-11 10:31:20
nyさま



雇用における「男女平等」へのハードルはなかなか多く、現時点では、困ったことに、女性を雇わない経営者の行動は、ある意味では合理的なのです。



確率の問題として考えると、女性は、結婚・出産で会社を辞める可能性が大きく(少なくとも男性よりは大きく)、また、育児期に入ると定時退社が必要になる場合もあります。



そうなると、この女性社員には、OJTも含めたスキルへの投資を会社は行いにくい、という事情があります。



また、まったく同じ能力なら、長く、安定して働いてくれる人材の方が良い、というのも経済的には至極当たり前で、これは、同じ能力なら若い方を雇うことの合理性とも共通です。



ここで難しいのは、「女性」という情報(シグナル)が、上記のような可能性を示唆してしまうことで、仕事100%モードの女性と、将来的には仕事と家庭と両天秤の女性を、企業側は区別できないことなのです。この場合、前者の女性が割を食っていると見ることも出来ます。



女性が個別に条件を企業と契約できるようにして、条件も個々に決められるようにするといい、という考え方もありますが、この場合、働く女性は当初「仕事100%モード」で契約したいでしょうし、そうすると、子供を産むコストが高くなりますから(場合によっては実質的違約金が発生するかも)、子供を産みたくなくなるでしょうし、出産は当然のことなのだから、後から差別してはいけない、と企業に強制すると、また女性を雇うことの潜在コストが高くなるという循環に陥ります。



とはいえ、個別の事情に合わせた雇用契約はもっと考えられていいでしょう。



ご指摘のように、社員一人一人を個別に扱うことが、日本の企業では大切だと思います。今のところ、部下を画一的にしか扱えない中間管理職(管理職の名に値しませんが)が多いので、上手く運用できないかも知れませんが、人材は、「年次+人事評価+α」といった画一的な形ではなく、もっと個別に丁寧に扱うべきものだと思いますし、やり始めると、それは可能だと思います。
 
 
 
保育園を考える (ろっしぃ)
2006-09-11 16:31:48
 山崎さんが保育園をお探しとの記事、嬉しく拝読しました。私は保育園親関係の市民団体にずっと籍を置いていることもあって、保育園探し、少しはお役に立てるかと思います。

 実は私、山崎さんと96年から97年1月までに某所で同僚だった(真向かいの席に座っていた)ことがある者です。往時の私は、2歳の娘とシンクタンク勤務の妻を抱えて、定時過ぎには公立保育園に迎えに行くような生活をしていたわけですが。

 基本的に、公立保育園は、予算の差が大きいですから、23区と都下あるいは近県では質量共に大きな差があります(23区がはっきり上)。23区内では、一般に西高東低の傾向があります。奥様の勤務形態が判りませんが(以前お聞きしましたっけ??)、フルタイムで長期に勤務されていらっしゃったならば、持ち点数が高く、「概ね」希望に近い園に入ることが出来るはずです。

 区ごとき、とおっしゃる、お怒りのポイントは理解しているつもりですが、保育園が【保育に欠ける子を「措置」する】という福祉施設であるという法体系をひきずっていて、しかも(あるいはその結果)全入にはほど遠い予算しか出ていない以上、その点で地方自治体を責めてもどうしようもないと思います。福祉を施すにあたって、希望者を点数化して割り振るのは、やむをえないことでしょう。

 余談ですが、日経の某頭の悪い記者を筆頭に、公から民への主張のもと、公立園の保育士さんの給料の高さ(特に無認可園に比べて)が槍玉に上げられることが多いですが、私に言わせれば、23区の保育士さんは、地方公務員の中では有数の働き者たちで、手をつける順番としては明らかにずれている(手をつける必要無しとはしませんが)と考えています。民で既に事業があるので、見かけのコストを比較し易いことは確かなのですけど。

 <母親が働くことが難しくなる可能性があることは、少子化のかなり大きな問題になっていると思います>

 これは、おっしゃるとおりだと思います。国や自治体が保育園に対する予算を見るだに、本当に少子化を真剣に考えているとは思えません

 <尚、私は、「少子化が問題だ」とは思っていませんが(少子化に対応できない社会は問題ですが)、子供を育てるのに不自由な社会は問題だと思っています。>

 これも心から同意します。こんなところで意見の合う方だと知り、嬉しくなりました。往時、将棋の話だけでなく、こういう話も出来ればよかったですね。長文かつ半分私信になってしまい、失礼致しました。
 
 
 
!!! (Blessings)
2006-09-11 20:49:50
ここは、まず、'お子様のお誕生おめでとうございます!!!'



確かに「評論家山崎元」のクールさは、今や1才児と0才児のかわいい(もちろん!)ベイビーたちのパパというイメージにとって変わってしまいました。

このギャップに相当ショックを受けましたが(しつこいか?)先生が、この時代を生き抜く術を身につけた計算高い経済学者でないことがわかって嬉しく思います。(子供を持つということは、特に第三子、第四子に至ってはある意味で様々なお考えの末のことと思いますが)



思えば、ブログ上では言いにくいとされた、先生の人間関係における高い「幸福度」の好ましい事情はこのことだったのかなとスッキリした気分です。(早とちりでしたらお赦し下さい)あの時は、よからぬ想像をしてしまいそうになりましたが...。



もちろん、子供をつくるという事に関しては、人間のコントロールの範疇外の事柄が大きいのですが、それでもやはり、高齢出産、高齢育児について心強い味方ができたように感じているのは、私だけではないと思います。



欧米では当たり前のようにティーンエイジャーでもよその子のベビーシッターを頼まれるのに、日本ではそのような習慣が定着しないのは(できないのは)ナゼかとふと思ったりします。かくいう私も、アメリカ人の友人が帰国したり出張したりする度に当たり前のようにキャットシッターを頼まれたりします。



政府のシステムが後手に回っている以上、できれば、そんなに大げさでなくてもコミュニティーの中で助け合うような習慣ができればなどと考えてしまいます。そんなNPOもあったような気がしますが。(ただ、たとえ友人であっても車に乗せてもらったりすることや、事件に巻き込まれるなどのアクシデントなどにどう対処するかと言われると疑問ですが)



気軽にご近所に頼んだりできない人間関係も寂しいといえば寂しいですね。
 
 
 
Unknown (ABC)
2006-09-11 21:22:50
はじめまして



これだけコメントに返答を出す余裕があるのであればメールフォームも設けたらどうでしょうか?



 
 
 
都市型 (masa)
2006-09-11 21:51:59
都市型生活(主に核家族化)をする場合と3世代以上で生活する場合によっても対策の建て方が違ってくると思います。僕の住んでいる地域では3世代が一緒に住んでいるのは普通です。(主に同じ敷地に2軒という形)

親がいるのであれば、都市でも同じマンションに住むなど、もう一度家族の形成を考えていくときに来ているような気がします。
 
 
 
Unknown (せんべい屋の寄宿人)
2006-09-11 21:58:26
私も以前調べたことがあるのですが、東武亀戸線沿線の某駅周辺では保育園、小学校、中学校とそろっていてしかも交通量も少ないところを見つけたことがあります。(しかもその当時2LDKクラスで800万円台でした!)

今住んでいるところ(いろいろと馬鹿にされがちな某県です)に託児施設が2つこの2,3年で新しくできたので、あえて移る必要も無いと結論して今に至っています。
 
 
 
少子化 (インディ)
2006-09-11 22:04:55
はじめまして

さて問題の少子化ですが、保育園の問題も当然あるのですが、近年思う事は今でこそ話題になっていますが格差社会である、と言うより、収入に対してあまりにも衣食住の住宅にかかる負担が大きい、家賃の安い市営住宅などがあるが、クジ引きで当たらなければ入れないなどと問題が多い、現在派遣で仕事をしているのですが、正直言うとボーナスも無いし、かなり残業でもしないと、そこそこの収入にならない、こんな感じで一人で暮らしていくのがやっとなどという人が多くなってきているのが事実、これから消費税が上がったり、保険料が上がったりと暮らしが厳しくなるばかりと思ってしまう、本当の意味での改革とは何なのか?今一度改める必要性があるのではと僕は思う
 
 
 
心からおめでとう御座います。 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-11 22:12:51
山崎様



二ヵ月も遅ればせながら、心からおめでとう御座います。



今日は貴Entryのご趣旨から遠く離れようがどうしようが難しいお話は一切抜きです、天皇家の御慶事と全く同様に私と私の家族としては心からお祝い申し上げます。
 
 
 
引っ越すなら! (Dialectician)
2006-09-11 22:25:41
第四のお子様誕生おめでとう御座います。



四番目とのことで、甲斐性というか前向きな方向性というか、脱帽です。(自分も末っ子の四番目←どうでもいい) 自分も以下、いつもと違う調子で。



最近、皇室の男子誕生云々の報道があまりにシツコイので(男子!男子!と)ほとんど嫌気が差してましたが、どうせ他人なら山崎家のニュースのほうが数十倍素直にお慶び申し上げることができます。



メチャローカルなはなしですが、、、、

引っ越すなら自分チ近辺を推奨(地域自慢)をします=高田馬場周辺というか学習院女子中学周辺というか(ピンポイントでは書きにくいですが)。新宿区は税収が沢山あるせいか金持ちなので(のような気がするので)、住民サービスが濃厚(?)です。

1.戸山公園のようなデカイ公園がある

2.歴代の首相が身体検査にくる国立国際医療センターのような病院が沢山ある。しかも小児科も含め救急医療体制が素晴らしい

3.公営のスポーツ施設もあり過ぎるぐらいある

徒歩距離圏内に立派なプールが三つもある(←公費の壮大な無駄使い)

4.日本最大のハブ(?)新宿駅まで自転車でも7,8分と通勤にも遊びにも便利

5.認可保育園も含めると都心ではかなり多い保育園(数字上ホントにそうかは知りませんが)。馬場駅前の認可保育園は評判もGOO

6.便利な割りには随分と閑静

7.地盤も固い(←なんのこっちゃ?)中沢新一の本アースダイバーの付録の縄文地図でも確認済み!!(別に中沢さんのファンとうのではないけど)

8.近所は国家公務員の官舎だらけで(キャリア含めて←だからどーした!っていうのがありますが)、公立小学校でも相当ハイレベルな競争のムード(教育パパの東大法卒率高し←ちょっと感じ悪いか!)

9.マンモスな早稲田大学があり、街中が若者の熱気・活気で溢れる“進取の精神 学の独立 現世を忘れぬ久遠の理想”みたいな、のり。(←やかましいだけ?)

10.麻布とか白金とかの、気取った奥様がいない(←これはマイナスともいえる)



以上、ご検討ください。



 
 
 
Unknown (hiro)
2006-09-11 22:52:59
国土の均衡ある発展という美名のもとで、都市からの税金を地方にばら撒いたために、都市のインフラが貧弱なままであり、保育施設の不足もそのひとつの例。

「高度経済成長は復活できる」(増田 悦佐著)で読んだような。

「必要な公共工事はやる」そうなので、また無駄な道路ができる一方、都市は割りを食うことになるのでしょうかね。
 
 
 
少子化の理由ではないのでは? (34歳独身男性)
2006-09-11 23:38:09
1.多くの場合保育園に関する事情を知るのは子供を作ってからの事で、保育園に関する事情によって子供を作らないということはないのでは(二人目の子供を作ることを躊躇するかもしれませんが)。

2.私は子供を作ろうと思ったことがありませんが、本当に子供を欲しかったらそのような現実の困難な事情なんかお構いなしに作るかもしれません。子供を作ろうと思わない理由は自分自身の将来への不安80%、子供が育つ社会の将来に対する不安20%といったところです。
 
 
 
本題に戻ります (Blessings (F))
2006-09-12 01:34:06
少子化の理由の一つは、やはり晩婚化だと(自分を見て)思います。



昔は「結婚しない女」などと言い切っていましたが、今となってはそれも説得力にかけるようになってきてしまった昨今です。周囲には、これでもほんの数年前までは医師や大学教授からの申し出がいくつもあったんだ~!(本当です)と虚しく過去の栄光を(心の中で)叫んだりしています。

子供は欲しいけれど、欲しいのは「愛する人の子供」なのです。社会的に地位や経済力のある相手は実は今でも出会えますが、この本音のところで頷けないために一見傲慢のようですが、実は純粋に悩んでいるわけです。



一方、男性の方は、この5年間で様変わりしてしまった雇用形態のために、経済的に家族を養っていける余裕というか自信がなくなってきているのではないかと想像します。(私の知人の会社も新採用でも契約社員しかとらなくなってきたそうです。)

若い者同士なら二人で築き上げていこうという気力も湧きますが、40才前後である日突然否応なくこのシステムに巻き込まれれば、それはもう能力の有無ではない、小泉さんが大好きなアメリカでさえチャンスぐらいは与えてくれる懐の大きさを持っているのにと皮肉りたくなります。



他には、男女とも不妊が増加している(晩婚と多少は関係しているかもしれませんが)、決して欲しくないのではない、むしろあらゆる策を尽くして努力しながらも与えられない夫婦が多くいることも事実です。







 
 
 
テーマとしての、少子化、保育園、・・・ (山崎元)
2006-09-12 03:02:47
皆様



少子化にかこつけた身近な話に、かくも多くの(予想以上に)コメントを頂戴して、恐縮しています。ありがとうございます!



>ろっしい様



お久しぶりです。ご教示ありがとうございます。23区内で、私の嫌いでない場所で家探しをするつもりでいます。私は、どう考えても、「立派なパパ」ではありませんが、まあ、少しずつ改善していこうと思っています。またご指導下さい。



>Blessingsさま



ご近所コミュニティーで、お互いに信頼できる人間関係を作るのは並大抵ではない努力が必要ですね。しかし、本来は理想的な姿でしょう。せっかくですから、気長に努力してみます。



>ABCさま



いらっしゃいませ。不勉強にして、「メールフォーム」なるものを私は知りません。ちょっと調べてみます。アドバイスありがとうございます。



>masaさま



三世代同居やご近所住まいといった、準大家族的な暮らし方は、実は、他人との信頼関係を作るのにコスト(主に時間)が掛かることを考えると、価値がありますね。私の場合は、そうも行きませんが、仰ることはよく分かります。



>せんべい屋の寄宿人さま



何となく、上手く行っていらっしゃるようで、羨ましい。上手く行くときには、簡単に上手く行く、という種類のものなのでしょうね・・・。



>インディさま



ご指摘のように、収入と必要な支出の対比から来る、絶対的な生活の苦しさ、という要因は、少子化に対して大きな影響を持っていると思いますし、かけられる教育費を通じて、世代を通じた経済格差の固定化にも影響していると思います。ある意味では、私の場合のような困り具合は、いざとなれば何とか出来そうだという意味で(どうすればいいのかは難しいところですが)、「たいしたことのない問題」なのでしょうね。



>サイレントじゃないマジョリティー様



ありがとうございます!私の家の場合、某やんごとなきお家と違って、子供の性別によって、同じ出生の評価が違ったりしないので、気が楽です(どうでもいいとはいえ、順に、男女男女です)。それにしても、伝統というのは、ある意味では、残酷なものですね。



>Dialecticianさま



高田馬場周辺は(といっても結構広い範囲ですが)、前の前の前に、西早稲田に住んでいたことがあって、多少土地勘があります。私には、なかなか住みやすい場所でした。今回の家探しでも、有力候補地域の一つです。



>hiroさま



「保育園を作る」では、地域に経済的メリットを与える案件としては小さいのでしょうね。上手にアピールすれば、女性票になると思うのではありますが、政治資金の金主筋にはインパクトが乏しいのでしょう。



>34歳独身男性さま



ご指摘ごもっともです。私としては、保育園をはじめとして、子供を産んだ女性が働きにくいことが、少子化の大きな理由の「一つ」である、と思ったことを書いただけで、これが最大の要因であると主張している訳ではありません。(この問題の結論を出すためには、かなり周到な調査が必要でしょうね)



>Blessings(F)さま



いらっしゃいませ。将来、働いて稼ぐことの状況も含めて、「将来に自信が持てない」ということは、「子供を作っている場合ではない」という気分につながりやすいと思います。



不安を超えて、それでも、子供を育ててみよう、という辺りに、醍醐味があるのかとも思いますが、誰にでも勧められる事ではありませんし、無理に不安を克服しないと子供を作りたくないような世の中ではさすがにいけませんね。「子供は贅沢品」というのでは困ります。



ただ、これだけ急に子供が減ってくると、これから生まれる子供にとっては、世の中は案外有利ではないかという、投資で言う「逆張り」的な気分が湧くことも事実です。まあ、大損して破滅する相場師は、最後は、逆張りで損を取り返しに行くことが致命傷になるわけではありますが・・・。

 
 
 
Unknown (ny)
2006-09-12 05:34:42
山崎様



女性冷遇はある意味合理的、というのは確かにそうですね。

同じ能力なら給料の安い女性のほうが良い、と自分は書きましたが、同じ能力ならやめずに安定してはたらいてくれる方が良い、というのも確かにおっしゃるとおりです。。



ただ、日本では女性が定年退職まで勤め上げる仕組みが出来上がっていませんし、「女性はいつかやめる」「どうせ結婚するまでの腰掛だろう」=「だからホドホドに扱おう」という偏見と言うか思い込みが会社や管理職にある限り、結局女性もそのようにならざるを得ない、という悪循環があるかと思います。(いくらがんばっても報われないのですからある意味当然です)

この責任の多くは男性にあるでしょうから、結果だけを女性に負わせるのは酷かなとおもいます。

自分は20台半ばですが、友人の話を聞いていると同年代ですでに女性に対して上記のようなオッサン的考えをもっている人が多数いることも驚きです。



今後は専業主婦はぜいたく品になる、と言ったのはモリタク先生だったと思いますが、確かにそのとおりだと思います。(子供・専業主婦・住宅ローンがサラリーマンの三大負債だそうです)

そういった流れと女性をホドホドに準戦力のように扱う企業とのズレはより大きくなっていくのでは、と思います。(山崎家のような待機児童もその前兆かと思います)



やはり女性の意を汲みあげるには女性の役員や女性の上司が必要だと思います。

男性上司が女性部下のメンタル面を把握するのは限界があるでしょうし、それこそ長期的視野に立てば部下の妊娠出産による休職まで事業計画とリンクさせなければいけなくなるでしょうから。



また、後から続く女性にとってのロールモデル(お手本)としてお子さんを抱えながら、しっかり昇進し、子育てと仕事を両立している女性上司の姿を部下に見せることも会社として重要なのではないかと思います。



育児休暇なども実態と数字はずいぶん違うようですね。育児休暇をとりたくても「どうせちゃんと取らせて得くれないだろう」「無理にとっても白い目で見られるに違いない」という空気を感じ取って(もしくは前例をみて)、抵抗することなくやめてしまう女性は分母に入っていないそうです。70%とかいう数字がありますが、そういった数も入れて修正すると2.30%がいいところだ、という話を聞いたことがあります。



一時、男性の育児休暇がマスコミに取り上げられていました。男性が育児休暇を取るという発想がそもそも日本にありませんから、取得率は1%以下という低さです。

取れない理由として必ずあがるのが、お客さんや周りの同僚に迷惑がかかる、と言うものです。

しかし、これは会社側の論理ですよね。

普段は歯車のようにあつかいながら、都合の悪い時だけ交換のきかないかけがえのないものだ、というようなことを言うのは怒りを通り越して嫌悪感すら感じます。

社員が辞めたり職場からいなくなるのは、育児休暇に限ったことではないです。

突然仕事を辞めたり、病気で入院したりと言う事も十分ありえます。

育児休暇はある日突然発生するわけではありません。

そのようなモノにすら対応できない(もしくはしたくない)会社が、社員の突然の退職や入院に対応できるのでしょうか。

一人の社員がいなくなった程度で客や同僚に迷惑をかけてしまうというのであれば、リスク管理のレベルが低いと言わざるを得ないのではないでしょうか。



大企業ならふんぞり返っていても人材は集まってきそうですが、人集めが厳しい中小ほど、女性優遇の人事政策が必要かと思います。

ただ、現状はそうなっていませんね。

えらそうに口だけで言うのと現実は違うと言うことなのでしょうけれど、何か釈然としないものは残りますね。。



ここに書き込んでいるみなさんがこの問題に熱心なこともうれしいですね。

言葉だけでなく、職場にそういう人がいたらほんの少しでもいいので気を使ってあげるなど、実行にも移して欲しいです。

再度、長々と失礼しました。次からは短めにします。。。

 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-12 10:47:53
nyさま



コメントありがとうございます。



結局、女性を十分有効に活用できるほど日本企業の経営管理は優れていないのだろうと思わざるを得ませんね(一つには、慣れの問題でしょう)。



女性上司ももっと増えることが必要でしょうし、ワーキング・マザーのロールモデルも何種類か必要でしょう。



ロールモデルについては、立派な女性は、どうしても「私は、子供もキチンと育てているし、仕事もこんなに立派にやっている」という自慢キャラが鼻につく傾向があるので(ことさらに、子供の話をするお母さんワーカーは時々いますね)、もう少し、さらっとした、爽やか&脱力系のワーキング・ウーマンの登場に期待したいと思います。(もちろん「立派系」の存在も大切なのですが)



女性の気持ちはなかなか正確には分かりませんが、あまりに「立派」だったり、「がむしゃら」だったり、「恵まれて」いたりする人の話を聞くと、しらけるのではないかと危惧することがあります。



要は「凄い女性」でなくても、安心して、子供を産み、育てながら、働ける、という感じを醸成することが必要でしょう。
 
 
 
おくればせながら (きくひめ)
2006-09-12 15:39:59
おめでとうございます。そして、おぼえていらっしゃいますか?

98年ごろ、山崎さんの大嫌い?な「年次がすべて」の某社で数ヶ月間ご一緒していたものです。

結婚して退職したものの、現在はご存知かと思いますが離婚して全く別の仕事について子育てをしています。



時折拝見していましたが、まさか山崎さんからお子さんのお話、そして少子化のお話が聞けるとは・・・

ちょっと驚きです。



実は今、子育て支援関係の仕事をしているのですが、(残念ながら東京の事情は存じませんが)確かに保育園の問題は大きいですよね。

ただ、場所も保育園も大事ですが、公立私立認可認可外、どの保育園に入っても担当の先生によって大きなちがいがあり、それこそ入ってみないとわからないですよね。入ってからもまた、小さなお子さんを抱えての仕事はご苦労が多いかと思います。病気だなんだかんだと呼び出しも多いですし・・・。

いざというときに安心して頼れる人を探しておかれるのが、何かと心強いのではないかと思います。



保育園にとらわれて転居されても、そうこうしておられるうちに、あっという間に小学生になり、小学校をどうされるのかによってもまた違ってくるのではないでしょうか。(たしか、お引越しは頻繁にされるのではなかったでしょうか?)

私は新しいマンションが立ち並び、子育て世代がたくさん集い、活気ある街もいいですが、さまざまな世代が混在するふるい街での子育てのほうが、実は援助が受けやすいのかなと思ったりしています。



何の参考にもなりませんね。すみません。。。

個人的には、急いで保育園にお迎えに走る山崎さんをみてみたい気がします。

 
 
 
保育園は勝ち組への援助? (床屋政談)
2006-09-12 18:03:33
実は私も、来年度から入園する子供をもつものです。(カミさんは育休中で4月に職場復帰予定です)



山崎さんに(そして皆さんにも?)お聞きしたいのですが、そもそも現状の保育園自体が

「不公平」な公的補助なのでは?という声についてです。



都内の、(公的)保育園の児童一人あたりには「毎月約20万円」!の税金が使われている、と読んだ記憶があります。たしか、新聞紙上で「保育園が足りない、使い勝手が悪い」という母親たちに、東京都の担当者がキレ気味に発言してたかと…。彼曰く「いっそ親に現金支給したほうが効率がいいかも、それに保育園にあずけていない方との公平性もある」と。



正直言って私はビックリしました。他の方も触れていますが、今時は保育園にあずけられるような正社員共働き夫婦のほうが「裕福」なことは多いかもしれません。そんな人たちに毎月20万×兄弟姉妹分!の税金が…



(勿論、児童全体にかける公の税金投入の

水準自体が低すぎるのかもしれません。20万が正確かどうかも自信がありませんが…)



最近は「下流」世帯の幼児虐待が話題となっていますが、愛する我が子でも、ず~っと泣かれていると心身ともに疲れ果てる経験は私自身あります。かなりの高額でもあずける道を選んでしまうかもしれません。しかし、保育園にあずける親の月額負担は収入別になっているものの、天井がありますし、そもそも少額すぎるようにも思います。



ところが、最近はあずけられるポイントを上げたり、月額負担を下げるため、偽装就職や偽装離婚や偽装母子(父子)家庭のうわさも聞きます(偽装赤字自営業者もあいかわらず…)。



施設側に税金を投入する保育園自体が不要なのかもしれないとも思いますが、いかがでしょうか?
 
 
 
Unknown (boby)
2006-09-12 19:40:18
保育園の問題は立場の違いで考え方が大きく変わる問題ですよね。利用したい側にとっては本当に切実な問題なのに、必要のない人にとっては全く理解できなかったり、税金の無駄使いにも取られかねない問題です。利用したい側に限ってみても仕事や教育に対する意識の温度差で個人差の出てくる、やっかいな問題です。

ただ、待機児童が2万人いたり、保育園の入園の都合で引越しをしたり、入園のタイミングから逆算して第二子以降をを仕込んだり(失礼!)ってのが要求される社会は異常だと思います。

本気で社会が少子化を問題にするならば、皆の興味は年金問題に見るように悲しいかな損得勘定ですから、「独身税、子供なし税を取れー、コンビニ弁当に100%の課税しろー、子供いないやつには年金払うな~」と子供がいなければ損するシステムにしてしまえば良いと無茶なことを思っていたのですが、「少子化は問題じゃないけど子育てが不自由な社会は問題だ」という山崎先生の最後の文章は目からウロコでした。日本ではまだまだ労働ってお金の為だけじゃない部分もありますし、働く能力や気力がある人はその機会が与えられる社会が望ましいと思います。

無認可保育園に嬉々として通う我が家の子供たち(逆張りに大枚はたいてます)が大きくなるころに多様な価値観が今よりも幸せに共存できる社会になればいいなぁと思います。ネズミ講のような年金は破綻してるかもしれないけど、子供たちの負担が減るならそれはそれでもいいかも。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-13 00:32:03
>きくひめ様



いらっしゃいませ!



保育園には、確かに、時々私が迎えに行くこともあるでしょうし、「走る」こともあると思います。その場合は、たぶん、子供達の面倒を見て、お母さんが帰ってきてから、私は、満を持して酒を飲みにいくことになるでしょうね。それも、「仕事の後の、旨い一杯」ではないかと思います。



>床屋政談さま



確かに、子供を持つことが贅沢になりつつある現在、保育園への補助は、所得について逆進的ですね。逆進的なものすべてがいけないとは思いませんが、親か子に、それなりのコストを払わせるのが合理的と思えます。



その意味では、「少子化」が本当に問題なのか、どの程度、どのような問題なのか、ということについて、はっきりさせる必要がありそうですね。



>bobyさま



自分がそういった工夫を十分していないことを棚上げして言うのも何ですが、もっと安く、いい子供を育てるための方法は、親の側でももっともっと工夫の余地がありそうに思えます。



異なる家族の親同士が助け合う方法もありますし、いわゆるゴールデンタイムなどに、親がテレビを観る時間をなくして、子供に時間を使うだけで、親子共に賢くなるような気もします。



いい子供を育てることは、幸い子供に恵まれた人にとって大きな楽しみなのですから、大いに工夫して、存分に子育てを楽しめばいいと思います。(でも、たぶん、親が余計な手を掛けない方が、良い子に育つでしょうが、それも含めて、戦略的に工夫しましょう)
 
 
 
すばらしい議論が行われていて、感動。 (いとすぎ)
2006-09-13 03:00:24
なぜこのコメント欄はこんなに理路整然として、

しかも温かみがあるのでしょうか!

(普通は価値観の対立でヒステリックになる問題なのに)

これは山崎様のお人柄によるものかと。



… 少子化に関しては、それ自体が問題ではなく

スピードの異様な早さと社会保障への壊滅的な

ダメージが問題だと考えています。



私がウェブログで何度も書いていますが、

子供を扶養する世帯の所得税率を引き下げ、

子供を扶養しない世帯の税率を上げて10%以上の

「税率差」を設ければ、出生率は簡単に回復する

と思うのですが、いかがでしょうか。



次の世代を育てるためですから、

きっとこの税負担は支持されると思います。



また、専門家の方でも余り指摘されないのですが、

北欧やフランスの家族関連給付(手当)は

日本と比較すると驚くほど充実しています。



カネの話ばかり書いていますが、すべての問題は

先進国中で最悪水準の「育児・保育関連予算の低さ」

から生じているとしか思えません。



ですから私は、日本社会が「育児に冷たく、他人事

だと思っている」のが元々の原因と睨んでいます。



最初のコメントをなさった方の挙げた福井県では、

「ままのて」という優秀な仕組みがあります。

http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/bebe/news/20060813ddn008020002000c.html



聞くところによるとガチガチの保守的地域ですが、

方向性はすばらしいと思います。



高度消費社会では育児が私事化しており、以前の

ような共同体での支えあいは幻想と化しました。

個人主義、消費社会にふさわしい育児支援は、

社会全体が負担を平準化し、予算を充分に投入する

ものではないかと思います。



保育園の問題に関しては、整理された論がマスコミで

報道される機会が少なく、何がネックで何が必要とさ

れているのか、部外者には分かりにくいのです。



待機児童の問題も、一説によれば「費用の安い一部の

保育園に希望が集中するのがそもそもの原因」だそう

ですが、どうなのでしょうか。

そうなると、制度設計が根本的に間違っている

とも考えられます。





… 長々と申し訳ありません。

 
 
 
保育園利用権市場 (山崎元)
2006-09-13 04:03:59
いとすぎ様



有力な思考の手掛かりを幾つかご提供いただいたと思います。ありがとうございます!



少子化と社会保障の問題に関しては、私の大まかな考えは、第一に、少子化が問題になるとすれば、先ずは社会保障のシステムがおかしいということです。高齢者が若年者の富をピンハネすることで成り立つような年金をはじめとする社会保障システムは、根本的な設計がおかしいと私は思っています。



ただし、たとえば、老人が10人いて、若者が5人しかいない社会を考えると、若者による介護サービスへの価格は上がるでしょうから、全てを100%、たとえば、加入者が完全に積み立てを行うような年金の仕組みで解消する事は出来ないかも知れません。



とはいえ、少子化し、人口減少しても、高齢者の資産が有効に活用されれば、一人当たりの暮らしは豊かに保てるでしょうし、外国を利用して資産を運用したり、外国人から介護サービスを買ったりして、フェアな年金制度と社会は維持可能ではないかと思います。



年金に関しては、少子化が原因で崩壊するのだ、と誤った情報が流布しているような気がします。真実は、制度設計が悪いから(世代間ピンハネをあてにするから)、少子化によって、年金制度が保たなくなるのだと、私は考えています。







子供と税金の問題は難しいですね。そもそも、欲しくても子供が出来ない国民が多くいる中で、子供の居る人は税金が10%以上安い、というシステムは、社会的公平感からいって、導入・維持が難しいと思います。



私は、私の子供が将来の日本人に奉仕するために育つのは嫌だし(もちろん、徴兵なんてもっての外です)、自分の費用で育てるかわりに、国には拘束されない人生を、親子共に送りたいと思います。



(子供が、"権力者にとっての「美しい国」"が好きな大阿呆の国粋青年に育った場合は、まあ、仕方がないので、親子別々の価値観で生きますが)







私が現在の保育園について感じる最大の問題は、利用に関する予測可能性の低さです。多少質が悪くても、近くの保育園が利用できると分かっていれば、母親は、仕事を放棄せずに子供を産めますが(理論上は、父親が仕事を諦めても良いのですが)、これが土壇場まではっきりしないので、困るわけです。



さすがに、保育園利用に関する先物予約とか、保育園利用権売買市場の創設とか、をいきなり唱えると、たとえば、「金持ちしか子供が産めなくなる」という批判を浴びそうですが、保育園の収益性にも市場原理を働かせれば、ある程度、落ち着くところに落ち着くと思います(多分に、机上の経済論ですが)。



先の予定が立たないのは、非常に不便ですし、ストレスフルです。



オヤジでさえ、いらいら・はらはら、するのですから、ママのストレスは大変です。まして、母子家庭の場合は(将来想定される場合も含めて)、大変でしょう。



「保育園利用の先物予約」が出来れば、コストが掛かり、リッチなママ候補しか利用できないかも知れませんが、そうした人で、子供の欲しい人は、ある程度限定されたリスクの下に、子供を持つことが出来ます。もちろん、「おばあちゃん保育」その他との裁定も働くでしょうから、マクロ的に見て、現在よりも悪くなることはないと思います。(恵まれた人は、たくさん税金を払っているのだから、多少の相対的自由はあってもいいと思いますし)
 
 
 
少子化の大きな理由 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-13 20:50:04
山崎様



伝統を残酷なものにして仕舞う人々がどうやら居るのも事実でしょうか。

しかし皇后陛下、皇太子妃殿下がかくも苦悩されるが如き伝統はここ40年ばかりの事です。

万世一系とか何とか言って本心では皇室廃絶を企む者も居そうに思うことがあります。

あっ! 話が違う方向に行って仕舞う前に止めます。



男女男女の4人のお子様をお二人でですから正統多子化派ですが、私のところはチョット多子化派の男男女いずれも2歳違いで末娘は18歳です(あっ、これもピンボケでした)。
 
 
 
脱帽 ! (のんきなとうさん)
2006-09-13 22:30:49
> 社会のために人口を増やすというのは、本末転

> 倒かと私は思っています。

> もっとも、子供を作りにくい・育てにくい社

> 会は困るわけで、この点の改善が、結果的

> に少子化対策になるなら、それはいいことで

> しょう。

言われてみて確かに第二次大戦の頃のお国のために子供・・・と言う悪夢を思い出しました。社会のための子供と言うのはうっかりすると仰るとおり本末転倒になりかねません。

さらによく考えてみても育児実行中の山崎様と子供は二人だけ、さらにその先の孫とは永遠に縁のない様な状態の当方とでは議論になりません。脱帽。宜しくお願い申し上げます。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-14 03:34:08
>サイレントじゃないマジョリティー様



万世一系ということになっているご家族の問題はややこしいですね。私個人としては、国の制度として、「特別な家族」をもうけることは、制度全体の一貫性の観点から、「美しくない」と思っていますが、他方で、下世話な関心に晒されて、自分の仕事も自分で決められない彼らの個人個人には、同情するところ大です。



>のんきなとうさん様



やっぱり子供は、第一義的には本人のため、大二義的には親の楽しみのために存在するのであって、決して、国ごときのために存在するのではないと思います。



また物議を醸すかも知れませんが、家族や友人のために命を懸けてもいいと思いますが(例えば私の子供が)、国のために命を捧げることには、私は決して賛成しません。冷たいかも知れませんが、私は、それでいいと思っていますし、その方がいいとも思っています。



それにしても、例のご家族はお気の毒です・・・。
 
 
 
本当に何度も申し訳ありません… (いとすぎ)
2006-09-14 07:19:23
私にばかりでなく、丁寧な返信には感服の至りです。



▽ 少子化と社会保障の問題



「少子化で年金が崩壊する」という見方は、日本政府

への根深い不信感に基づいていると思います。

そうだとすると意外に深い洞察なのではないかと。



つまり、山崎様の仰る「ピンハネ年金制度」を是正

するだけの実行力がなく、中途半端な対応のままで

ずるずる破綻に向かって進むと予想しているのです。



(言わば戦略不在の「日中戦争」状態です)



例え制度設計が100%間違っていても、年金は受給

世代にとっては「既得権益」ですから、絶対に自ら

手放そうとはしないでしょう。

郵政の何百倍は強力な「抵抗勢力」の出現です。



なお、政府の干渉を嫌がる日本人の大多数も、

いざ困窮したら多分政府に依存してくるでしょう。

(「払いたくないが受け取りたい」主義です)



▽ 子供と税に関する補足



私は日本社会の現状が明らかに「不公平」である

と見ておりますので、税率を変えるのは寧ろ「是正」

ではないかと考えております。



子供を扶養する世帯とそうでない世帯との間で

「可処分所得比率の格差」が広がり過ぎています。



今の日本は社会保障の「ただ乗り」を推奨している

ようなものです。遠からず自分達の首が絞まります。



ブラジルでは貧困層はほとんど税負担しない一方で、

富裕層から高い税を取り立てる制度だそうです。

有名な北欧の重い間接税は所得税より不公平ですが、

それにも関わらず国民は政府を支持しています。

何が「公平」で何が「不公平」かは、その社会の

構成員が判断し決定するものではないかと。



▽ 高齢化社会は「豊か」「フェア」になるか



聞くところによると、日本の高齢者の間の資産格差は

きわめて大きいそうです。露骨な格差社会になる

懸念が強いのではないでしょうか。



頑張って国に奉仕する必要は全くないのですが、

社会が苦境に陥ると真っ先に弱者が犠牲になります。

(敗戦前後の時期がまさにそうです)

弱者を犠牲とする社会であるのなら、

人はそこで決して幸福になれないと思います。



話はそれますが、「国のため」と口先で叫ぶ人々は

結局は国を破壊して国民を不幸のどん底に陥れる、

というのが昭和初期の歴史的教訓でした。

そういう点で山崎様の嫌悪感に同意致します。



▽ 保育園の利用について



私はよく分からないのですが、保育園の需要が突然

2倍とかになるはずがないのに、なぜ行政側は供給

を増やさないのでしょうか。子供の数であれば充分

予測ができると思います。



待機児童がなくならないのは、単なる行政の怠慢か

予算が足りないかのどちらかと考えているのですが、

私の勉強不足なのでしょうか。



… 2度もコメントしてしまいましたので、

スルーして頂いても一向に構いません。

お忙しいでしょうから …



 
 
 
いとすぎ様 ()
2006-09-14 10:52:05
「なぜこのコメント欄はこんなに理路整然として、しかも温かみがあるのでしょうか!」



そうなのです!



ですから、私自身の頭の整理にもなり・・・・



普通こういった掲示板(思想・時事系)は荒れることが多いようですが(仰るとおりの単なる価値観の相違)、ですから読者のこちらとしても単なる感情の整理(単に賛成か不賛成か、好きか嫌いか)に終わることが多いので私としては意識的に無関心でいましたが、こちらのブログの皆様のコメント、及び管理者(山崎さん)のあしらいの素晴らしいこと。

感服しています。



まったく本題とずれていて申し訳ありません。皆様の議論に積極参加するにはもう少し勉強が必要なようです。



 
 
 
好きに働き、好きに生む? (床屋政談)
2006-09-14 17:02:39
すいません。追加で書き込ませてください。



私自身は「A:他人に迷惑をかけなければ基本的にどういう生き方をしようが自由であるべき」だと思っています。しかし、この考え方を「保育園への公的補助」に当てはめると、



まず、「B:働くか働かないかは本人の自由な選択なのだから、専業主婦(主夫)が家庭内で育てようが、勤労する母親(父親)が保育園にあずけようが、幼児一人あたりに補助される税金は同じにすべき」かもしれません。(私はこう思ってます)



他方「C:子供をもつかどうかも、本人の自由な選択でもあるのだから、子供をもつ家庭にだけ税金的に特別扱いされるのは平等でない」ともいえるでしょう。

これについては私は、現状の日本(世界各国?)では、やはり「子供をもつことは共同体にとって善(望ましいこと)、特別扱い」だとされているし「それでよいのでは」と思います。

(保育園に税金を投入するのか、子供を持つ家庭の収入の税を控除するのか、などなど、やり方の違いは多々あるし大事だとも思います。あと、「欲しいけど子供ができない家庭」に関しては不妊治療・研究への補助や、養子制度の充実で対応すべきではないでしょうか。)



またCについては、公教育のように保育をとらえて、子供が健やかに育つことは共同体の他のメンバーにとってもメリットがある、と考え、「特別扱いだけではない」とも言えると思います。



問題は、希望者全員に保育園を用意できない量的不足と、家庭内保育への公的援助の貧弱さ、だと思います。つまり、幼児層への税金投入があまりに少なすぎるのでは、と。



話を多少変えます。どなたかの書き込みにあったように、公的な保育園の保母(保父)さんの働きぶりは、見ていて要望もあるものの、相対的にはかなりのものだと思い、頭が下がります。(実は私自身、来年度に入園希望の下の子以外に、現在も上の子をあずけています。)



そして保育園を見ていて思うのが、「日々の保母(保父)さんの、つまり人間の力に負うところが多い施設だな」ということです。



どういうことかと言いますと、保育園って建物と園庭と調理施設があれば、あとは職員の皆さんの労働と工夫、ソフトの部分が大きくてすごいんですよね。だって散歩とか折り紙とか蛸さんウインナーとかで幼児にとって楽しい時間にして親の迎えを待つわけじゃないですか。



(PCのソフトウエアとかじゃなく)人間のソフトの部分に金をかけるって、なんか良くないですか?



あと、都内だと敷地代もかかるけど、小学校と敷地を共有するとか、行政の工夫で…



土木技術者のロマンには悪いですけど、とんでもない谷に架ける道路とか、馬鹿でかいダムや堤防に億単位で金をかけるより、よっぽどいい気が…



だらだら長くなりましたが、とにかく、行政の工夫の問題もとても大きいと思います。



山崎さんのいう「直前まで分からない!」というのも来年度の入園者決定を(大学受験のように)複数回化、たとえば9月と12月と3月に分けるとか、で緩和されたりしないんですかね?
 
 
 
創意工夫に皆のお金を! (床屋政談)
2006-09-14 17:46:49
さんざん長く書きましたが、お気を悪くした土木関係者の方がいたらと思い…



道路や堤防やダムより…と先ほど書きましたが、私は交通や治水の土木自体が、ナンセンスだなどとは思っていません。



ただ、これまでの「迫力があってカッコイイ」式の「大艦巨砲主義(?」)じゃなくて、「ぱっと見は目立たないけど実はすごい」土木技術、山の動物が行き来できるローコストの道路とか、川や岸辺の生き物が棲みやすい堤防とダムが、求められているんじゃないかと…

(それに堤防に関しては特に、洪水がたまにおこっても、奔流が人間生活を直撃しないような、住宅設置や避難や激流誘導の、役所におけるソフトづくりとか…)



脱線と言い訳すいません。



とにかく、人間が住む世の中は、現状からの人間による創意工夫が豊かにするわけで、公共という仕事でだってそれをやるのこそ「役人」の人も楽しいんじゃないですかね…



実際、保母さんの園児たちの散歩のさせ方とか関心しますよ、見事で。



で、いま思ったんですが、国や地方の行政や立法のなかで、創意工夫って誰が担ってるんですかね。小さなことから大きなことまで、たとえば企画や改善の提案受付をする、良い実例はそれを一般化する、公共全体の創意工夫を促す、そんな部署とか仕組みって…あるんですかね…?







 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-14 22:37:23
床屋政談さま



二つのコメントありがとうございます。どちらのコメントにも私は賛成です。(原則としてのA、B、C何れにも賛成ですし、子供の外部経済効果に対する理解も概ね一緒です)
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-14 22:46:44
いとすぎ様



簡単に箇条書きで返信します。



・「少子化」が本当に「問題」であるかいなか、問題だとすれば、どのような問題であるかについては、よく考えてみる必要があると思っています。そういえば、猪口大臣は「少子化担当」でしたが、どんな考え方でこのポストをお受けになったのでしょうかね。尚、「出産の費用の補助」という彼女の提案は、いろいろな意味でずれていた、と私は思っています。



・税の公平性も大きなテーマですね。社会的に決まるとする見方もあるでしょうし、リバタリアンのように、所有権は自然権だから、社会的ムードで左右されては困る、と考える立場もあると思います。これも、何れ、考えてみたい問題です。



・「国のため」に対する警戒感を共有していただいて、ありがとうございます。



・それにしても、保育園は、もっと使いやすくならないものか・・・。
 
 
 
ちょっと遅い反応ですみません (ドイツ特派員)
2006-09-17 23:01:06
山崎様、



少子化については、先にコメントを書かれた方々に重複するかも知れませんが、少し思っていることを。



1.少子化が問題になる時に、例えば世界の人口爆発との関連はどうなるのでしょうか?確かに中国・インドとは分母が違いすぎるのを承知で言えば、例えば国際会議なんかで、「わりいわりい、日本は人口減ると困るからちょっと頑張るね。あ、でもさ、中国とインドはちゃんと人口増には歯止めを掛けてね」となって良いのか?この点は移民流入との均衡で語られるべき問題かも知れませんが。



2.個人の体験でいえば、保育園・幼稚園の問題も然る事ならが、小学校以降の公教育の貧弱な状況とそれに連なる私教育への負担懸念もかなり大きいのでは、と思います。私及び妻は大学まで公教育のお世話になった身分ですが、だからこそ「もし私立になったらえらい出費だろうなあ」という漠然として不安があるのでは(実際高い)ないでしょうか?



ドイツに居た頃、イギリス人の秘書が、「あんた、三人目はどうなのよ?」と聞いてきたんで、「one is enough, two are maximum, three are too much」と答えたら笑っていました。が、別に持ってしまえば何とかなるものかも知れません。



それにしても世界人口の1/3が中国人とインド人になるわけで、ある意味恐るべし、と思います。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-18 00:28:44
ドイツ特派員さま



1.人口に関しては、正直なところ、かつては「人口爆発」が心配され、今は「少子化問題」が喧しい。前者は地球規模、後者は国力レベルと視点が少し違いますが、問題の変わりようには、驚きます。



私は、少子化問題については、若者からのピンハネに頼る社会の仕組み側の方が問題だと思っています。それなりに快適な社会の規模や人口密度といったものはあるのでしょうが、「一人当たり国民所得」が低下するのでなければ、問題はないように思います。もっとも、若者が減ってくると、将来の若者は相対的な価値が高まりますから、個人レベルでは、子だくさんで「逆張り」するのもありでしょう。



2.公教育のレベルダウンは問題ですね。「元気なだけで、カラッポ」の素材を大量生産する「ゆとり教育」は、経済力の格差を固定する大きな原因になりそうですね。



3.世界人口の1/3が中国とインドになることは、ある意味では恐ろしいかも知れませんが、まあ、いいのではないでしょうか。私は、中国にもインドにも親戚がいないのが少し残念ではあります。



たとえば、一世紀ぐらい先の将来、中国が日本を併合するようなことが起こるかも知れませんが(文化的になかなか難しいとは思いますが)、それはそれで、その時の日本人が望むなら、いいのではないかと思います。
 
 
 
早速の返事でありがとうございます (ドイツ特派員)
2006-09-19 00:15:56
1.確かに若者からのピンはね、古い世代の逃げ切りという年金制度に代表される仕組みというのは問題ですね。元議員の江藤隆美だったか、議員年金の削除でみっともない姿を出していましたが、少なくとも自分は老害にならないようにしたいものです。



2.公教育について、「元気なだけ」すら危ない昨今です。とにかく、格差の相続を無くすために何が必要か、考えなくてはと思います。



あと、中国とインドについては、正直深い思想は無く書きました。ただ、中国と日本との合併(程度がいいかな?と期待しますが)は、文化的には確かに難しいでしょう。寧ろ日本はアジアでありながら欧州的なところもあるように思いますので(ちょっと梅棹忠夫氏の受け売りです)。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-19 00:21:49
ドイツ特派員さま



1)年金は問題山積だと思います。どこかの世代に大きなしわ寄せが来そうです。



2)「格差の相続」というのは、まとまっていて、よい表現ですね。



3)もちろん、不可能ですが、何世紀単位での将来の歴史を見てみたいですね。主たる関心事ではありませんが、日本がどうなっているかも、注目できるトピックの一つです。
 
 
 
山崎様、コメントありがとうございます。 (いとすぎ)
2006-09-21 02:07:01
丁寧な返信の数々にすたすら頭が下がります。



最近このような報道がありまして、参考まで。



オーストラリアの「ベビーボーナス」政策の効果

http://news.goo.ne.jp/news/jiji/kokusai/20060916/060916072548.y9qlm36w.html



追記ですが、このように貴ブログが盛況だと

アダルト系など妙なトラックバックが増えます。

TB機能をオフにしてはいかがでしょうか。



 
 
 
申し訳ありません、修正致します。 (いとすぎ)
2006-09-21 02:12:19
「ひたすら頭が下がります」の誤りです。

お恥ずかしい。



年金のしわ寄せは私の世代に来ると予測しています。

年金制度の根本的な改革がなされず無駄に時が過ぎ、

「日本の相対的価値」が下がらないことを祈ります。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-21 03:43:58
いとすぎ様



日本人は、たぶん相対的には、将来のことを考える心配性だと思います。特に、働いている(或いは、働ける)女性層は、そうではないでしょうか。一時の出産ボーナスよりも、たとえば(夢物語ですが)、保育園の完全入園を保証するといった、将来のリスク軽減を求めているのではないでしょうか。



尚、日本の公的年金は、インフレ率が0.9%以上になると、急速に(実質年率0.9%で)減価していきます。これが、小泉首相が国会で説明できなかった「マクロスライド」ですが、効き方が、遅すぎると思いますし、しかも、効果が分かりにくくて、不親切な仕組みです。(官僚が知恵を絞った、ごまかしの仕組みですね)







TBには少々悩んでいます。私は乳首が嫌いなわけではありませんが、この種のTBは少なくとも、このブログの議論には関係ありません。アダルト系のTBは、たぶん自動的に直ぐに付いてくるのですが、そうでないTBを拒否することは本意ではありません。現状では、こまめにアダルト系のTBを管理者権限で削除するのがいいのかと思っていますが、ともすれば、面倒くさいのが現実です。



別のブログでは、TBはOKでも、コメントは無い、というケースも多く見かけます。どうするのがいいのかは試行錯誤中です。



たとえば、「炎上」した場合にはどうするか、というようなことも考えておかなければなりませんね。
 
 
 
デイサービスの場合 (けろよん)
2006-10-10 21:43:44
死んだばあさんの話で恐縮です。

週5回、朝夕の車での出迎えの

デイサービスを受けた場合

9時から4時ごろで月180000円くらい

介護保険1割負担で18000円。

介護保険がなかったら、専業主婦が

パートに行くより家で面倒見たほうが

経済的でしょう。



保育園の場合も同程度の税負担があるのでは

つまり、保育園に子供を預けてパートより

家で子育てをしてくれた方が、行政の負担は

小さいという事ではないでしょうか。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-10-11 13:20:50
けろよん様



年金問題などを考えても、行政は、専業主婦の家計を「標準」と考えて制度を設計している感がありますね。しかし、もっと、女性が働きやすいように制度を作る方が、フェアだし、圧倒的に得だと私は思っています。
 
 
 
異常だが合理的なのかな (作業員)
2006-10-11 14:21:04
週プレの森永さんのコラムがソースなんで、ほんとかどうかしらんですが。正規労働している人のうち、月給が四十万超えている人は、十八万人以下、一パーいないそうじゃないですか。

異常でしょう、こういうの。山崎さんは嫌うでしょうが、アファーマティブな政策が主張されて当然な気もします。が。

セレブの女性(とそれに憧れる女性)って、基本的にブラサガリな女が多いわけで、どの国も変わらないとは思うものの、それって売春婦体質でないか、とつぶやきたくなります。制度を平等にしても体質が変わるかどうかは、わかりませんなあ。
 
 
 
すいません (作業員)
2006-10-11 14:25:00
月給が四十万超えている女性の話。なり。ごめんなさい。謹慎します。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-10-12 18:24:58
作業員さま



「ブラサガリな女」というのも容易にイメージできますが、組織内でごまをすっている「ブラサガリな男」も相当の数がいますね。どっちが多いか、定義と計測は興味の湧く問題ですが、存在としては、「どっちも、どっちで、芸のうち」だと思います。
 
 
 
おかえりなさいませ (作業員)
2006-10-12 18:52:30
芸者には二通り。体を売るのは三流ですから、芸は売っても絶対に体を売るな、と娘には教えないといけません。それが十代のウリを止める方法です。(違うかもしれん。一番悪いのは朝青龍のタニマチのタコ社長ですが)
 
 
 
ちと甘くない? (作業員)
2006-10-13 17:27:28
>子どもをつくる予定はありますかという質問に対しては、嘘をついても責められない。出産コストを、社会・会社・本人がどのように分担するのがいいか、整理されていないのが現状であり、立場の弱い求職者に一方的に「正直」を要求するのは酷だ。(一部いじった)



リバータリアン的にいえば、「五体満足のくせに社会的弱者面すんな」なわけで、戦前のように参政権が認められていないわけではないのだから、制度など戦って勝ち取れこの三段腹、と言った方がお灸になるのではないか。

最近大沢真知子という人の書いたものを読んだが、だいたい論点は整理されていて、あとは制度だけに思うのだがなあ。右翼の街宣車を見習って大声張り上げねばなにもかわらんぞ、この三段腹。
 
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