山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

めも■スタッフワーク

2013-11-13 23:35:47 | 遊戯療法~レミングより
稽古場に着くとクドシン(出口君役、舞台監督)が舞台図面と照明図のプリントを全員に配布していた。
小さな劇団故、出演者もスタッフワークを担当している。
全員が舞台全体のことを理解して劇作りに臨むをモットーにしているが、得意不得意の分野はある。
「めんどくさい」は劇団では通用しない。
そもそも演劇自体「めんどくさい」ものであり、「こんなことまでやるのか」を好んでやれるようになるまでには時間はかかる。
つまり、職人気質「ものづくり」のセンスがあると舞台製作の作業も楽しくなる。
そう言っている私自身、マルチタレントではなく、とりわけ美術に弱い。立体的に描くことができない。
人間を描写する際に何かが欠ける。頭と手足はあるが胴体が欠ける。頭足人になってしまう。子供の絵である。
幸い、劇団員の中から美術が得意な者が必ずいる。音楽や小道具、衣裳などについても得意な者がいるから助かる。
最近ではパソコン技術も要求される。
私が学生の頃はレコード盤で音を出していた。それがオープンテープに代わり、カセットに代わる。最近までCD、MDを使っていたが、今はパソコンをアンプやミキサーに繋いで音出しをするようになった。
原稿もパソコンで書くようになった。鉛筆やボールペンの減り方が少なくなった。反面、漢字を忘れる。
気をつけなければならない。機械や先端技術に溺れるとロボット化するではないか。
ロボット演劇?とんでもないことだ!
古い人間と思われるでしょうが、手作りの血や肉がオドル演劇を作ろう!

次回公演「遊戯療法」ご案内

めも■コラージュ

2013-11-12 23:59:52 | 遊戯療法~レミングより
稽古場では部分を切ったり張り付けたりしている。
メモは欠かせない。
切り口が変わると、今まで気付かなかったことが飛び出してくる。
そんな仕掛けがあるから、止まらなくなるのです。

寺山修司 没後30年を期して2013年4月「レミング~世界の涯2013」につづく第2弾としての「遊戯療法」です。
全体を通して「遊戯療法」を浮かび上がらせる実験劇となる。
そして劇はパズルゲームのように迷宮する。

■劇は始まる前に始まっていた。

合言葉は「飛び出すネズミがたった一匹!」

【1】母殺し あるいは手術室

「頭蓋骨に穴をあけろ。」
<マッチの炎に母が浮かぶ。>

【2】少女(花嫁)殺し あるいはICU

夢の中だから殺せる。
夢の中のことを誰が裁けるだろうか。
ぼくは夢の中で自由だと思っていた。
夢は鳥よりも遠くへ飛べる。
世界の涯まで飛べるのだ。

■2-1天文学の不思議

「宇宙に放り出されたかと思っていたら、
 ここは集中治療室だった。」

■2-2床下の散歩者

「散歩はただの生活のマンネリズム。
 健康管理のためです。
 旅は冒険です。だがしかし、不健康」

■2-3女優 影山影子の分裂と増殖

「ヒロインは、いつも物語を欲しがっている。
 ところが物語は、大抵、行き止まりなんだ。」
「あなたの売名のために、
記憶喪失のふりをしつづけるなんて
もう、まっぴら!」
「あんた、誰よ?」
「影山影子」
「影山影子?」
(影山影子たち三人が不気味に笑いだす。
 そして発狂した)
◎「記憶喪失症」の保護
◎死亡届(戸籍法第86条の届)

【3】行き過ぎよ、影

<場面、いきなりICUにてピストルで花嫁に撃たれる出口君>
「いつまで眠っているんだい!」
「だめだ、ぼくは死んでいたんだ」
「夢のテロリスト!
 お墓のまわりの黄色いのは、
 お前が子供の頃、好きだった菜の花だ。
 よく見てごらん。
 あの菜の花は全部母さんの白髪で編んだ造花だよ。
 だから決して枯れることはないんだ」
◎歌 Come down Moses

■ラストのラスト

<出口君のアジテーション>
観客席は閉鎖される。
「なんて明るい闇なんだ!」

■追悼

一番最後でもいいからさ
世界の涯てまで連れてって

次回公演「遊戯療法」ご案内

冷え込んできた!

2013-11-12 11:56:51 | 遊戯療法~レミングより
連日の稽古がつづいている。
昨日、言ったことややっていたことが変わる。
出演者にとっては混乱の極みだ。
変化を楽しむことができれば、俳優業の極意を自分で発揮することもできる。
座長=夢現の提案が多く出るようになった。
座長はキャリア35年!私とはツーカーの関係ではあるが、意見の食い違いは日常茶飯事である。
劇団を立ち上げた若い頃は稽古中に議論することで時間を費やして終わったこともある。
時間がもったいない。早く決めないと前に進まない。一見、不毛な議論のように見えていたのだ。
今は不毛な議論ではないと思うようになった。
稽古が終ってレストランで食事する時に次の稽古で議論を活かすようにしている。
この食事の時間は大切である。誰が何を考えているのかよくわかる。

今回、影山影子(肥後丸.)、その影(サキ)、花嫁(MAMI)の三人の役が重要な位置にある。繊細な場面だ。
女優の設定であるから、大真面目に女優を演じていたのだが、二枚目の看板を壊すことを稽古中に発見した。
今日から客演=玉垣哲郎(劇団みちくさ)天文学者も壊れた。まるで殺人鬼のような冷たい男に見えるようになった。
そもそも、この劇では二枚目・三枚目の役柄の設定自体が間違っていることに気付いた。
舞台では「壊れた人間たち」を総がかりで取り組んだ方が、全体として見えやすくなる。
気を抜くと笑ってしまう。薄っぺらい喜劇になる。これも違う!
悲しすぎて笑うことしかできない舞台へ!
主演/出口君(クドシン)とその母、壁女(夢現)のラスト場面が決定的なものとなる。

秋の深まりを感じる今日、鼻水が止まらなくなりティッシュ一箱を手放せなくなった。
一番の強敵は風邪である。健康一番!・・・肉体大切。演劇は体育か?

次回公演「遊戯療法」ご案内

公演ごあいさつ(案内)

2013-11-11 16:08:17 | 遊戯療法~レミングより
劇団夢桟敷 公演ご案内
寺山修司 没後30年 第2弾
「遊戯療法~レミングより」

拝啓、秋も深まってまいりました。皆さま、ご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素よりご注目頂き厚くお礼申しあげます。
さて、劇団夢桟敷、63回目の公演のご案内をさせていただきます。
今年4月、寺山修司「レミング」を上演しましたが、それに続く《没後30年第2弾》として「遊戯療法」を上演致します。

舞台はアパートなのか病室なのか、はたまた屋根裏か床下か。
殺人事件の真犯人は出口君ではない!
彼は世界の涯てまで外野フライを追い続けていたのだった……。
一体、誰の夢の中か。
誰が患者で誰が医者か。
影山影子(女優)がその影と花嫁に分裂増殖した。
美女は謎めいている。
母は消えてしまった壁に閉じ込められて、その中で墓を作っていた。

合言葉は「飛び出すネズミがたった一匹!」
受付でそう言って下されば、良い席をご案内致します。
まずはご覧いただきたくご案内申し上げます。
満席でご入場できないことも予想されますので、事前に観覧日をご指定いただければ幸いです。

【問】劇団夢桟敷 090-4581-5190(制作)
Mail:yumesajiki@ybb.ne.jp  
件名は<日時指定>でお願いします。

【時】 11月28日(木)①19:30-
11月29日(金)②19:30-
11月30日(土)③14:00-(注)オープニングストリート劇あり
 ※15:40-17:30 演劇ティータイム(無料)
④18:00-
12月 1日(日)⑤14:00-(注)オープニングストリート劇あり

【場】河原町 ギャラリーADO(熊本市中央区河原町問屋街2)
市電 河原町下車 電話096-352-1930

次回公演「遊戯療法」ご案内

母の場

2013-11-09 23:38:25 | 遊戯療法~レミングより
ここ2~3年前から結婚ラッシュが続いていたが、今度はベビー誕生ラッシュである。
劇団の関係者だけでも次から次へとスッポンスッポンである。

今日11月9日(土)、murakami夫妻(元劇団員)が娘4ヶ月を連れて稽古場にやってきた。
目が合うなりニッコリ笑う。かわいいね~。人見知りしない娘さんだ。
誰に抱かれてもニコニコ笑っている。
「おばちゃんだよ~!」(肥後丸.)

そんな中、稽古は「母-息子」の愛憎の場だった。ラスト場面を煮詰めているところだ。
殺す、殺される、血の匂いがする。・・・劇血だ。
激しい場面ではセンチメンタルな音を!役者はその音を背景に叫ぶ。
今日はライブ音楽のタカハシユウジさんも来ているので、ゆっくり打ち合わせをしたがったが、未だ、全体の音楽プランが固まっていない。
あと、ひと押しである。音だし切っ掛けのタイミングがずれると変になる。繊細な局面にきた。

次の舞台では二枚目ー三枚目を登場人物としてきっぱり分けているつもりで進めている。
いつものことだが、稽古では思い通りにはならない。だから稽古をするのだが・・・。
もしかしたら、この二枚目ー三枚目の設定自体が間違っているのではないか!とも思った。
二枚目だった筈の登場人物が、新たなアクションを見せた。壊れた。
だが、これもアリか?イキイキしているではないか。
このアクション、秘密にしておこう。

稽古終わって、murakami夫妻には、「もう来年からブラジル劇、始めるよ」と言ってわかれた。

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出口君の野球メモ

2013-11-08 23:04:59 | 遊戯療法~レミングより
4月公演「レミング」の『6.都市の孤独』では客演:劇団仮面工房さんが総力で作った場面だった。
稽古では、その中の『フリークス3』を取り組んだ。
10月の市街劇「ポータルゲート1m国家」では座長=夢現がクライマックスとして受け持った場面だった。
名前は出口君(クドシン)のこと。
原作では『全国少年野球大会に五反田チームで出場して、4回裏の裏にレフトを守っていたら、フライが飛んできた。それで、出口君はオーライと言いながらバックしていったんですが、フライはどんどん伸びて、出口君もどこまでも追いかけていくことになってしまった。・・・』
アトランティス大陸、ジラルタル海峡の北、ピレネー半島、、アフリカ大陸を囲む大西洋の一部、・・・。
参考にしながら、更に「密室劇」へ応用している。

【暗転】・・・闇の中で!
■2号室からマッチの火。
(出口君が外野フライをとる場面へ)
(注)市街劇「1m国家」より【メモ】
(案)甲子園大会で9回裏、逆転ホームランされたピッチャー出口君がいる。
最後の一球、足に痙攣が走り、甘い球を投げてしまった。
町中の人たちから責められた。
それ以来、少年は「この足が悪いんだ!」と自分の足を責める。
自虐行為に走りだす。
ナイフで自分の足を突き刺すことを繰り返すようになった。
■スポットとしてこの場を作る。
「世界の涯てまで外野フライをとりにいく少年」につづく。
これは劇が始まる前から断片的につづく。

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裏方の仕事

2013-11-07 23:51:56 | 遊戯療法~レミングより
演出をしていると自分の役は後回しとなる。
だから、相手に迷惑がかからないよう絡む場面を少なくしている。
つまり、あってもなくても良いポイント出演。だが、それでもワクワクする。
基本的には裏方の立場にあって「どーん」と構えていれば良い。劇団員たちはそれを望んでいる。
役者魂が騒ぐのだ。

劇団では出演者たちが裏方の仕事も兼ねている。役者も全体のことを考えるようになっている。

忙しいクドシンが照明を持って来て、それらしく稽古場では点検できるようになった。
本格的に設置しようと思えば半日はかかる。簡易であれ、雰囲気だけはつかめる。
今までは照明は図面を用いて公演会場でのぶっつけでやっていた。
稽古場ではプランニングシートの上で照明を想像することしかできなかった。

そろそろ美術にも取り掛からなければならない。忙しい肥後丸.にお願いしようか。
衣裳は忙しいサキとmamiちゃんになり、小道具は忙しい東田まなみである。
今日からチラシや受付清算券の郵送になる。早すぎると忘れられたりする。遅すぎると予定がつきにくいこともある。
微妙な時期は3週間前くらいが妥当だと経験上わかっている。予定が入っていても変更が効く微妙な時期だ。
制作は忙しい座長である。

おっと、忙しい赤井犬彦は何を?忙しい太郎ピーチマンションは?・・・道具や美術関係が得意だった筈。明日、確認することにする。
今回は早めにライブ音楽を忙しいタカハシユウジさんと打ち合わせをしなければならない。ま、10月の市街劇を経験そているから安心しているのだが。

いずれにしても裏方スタッフの作業やプラン会議を稽古とは別に時間を設けなければならない。
生活や仕事に追われながら劇に取り組んでいる忙しい仲間たちだ。
出演と裏方の仕事も兼ねながら公演に向かっている。

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必見!見えない舞台あり

2013-11-06 23:15:45 | 遊戯療法~レミングより
見えない舞台に興味が深まった。
稽古を重ねるたびに「見えないこと」の面白さが膨張する。
見えないことを劇で体験すると想像力は爆発する。
芸術は爆発する。岡本太郎のように・・・。
演劇を芸術と定義することは大風呂敷であるが、見えないことによって新しいものが見えてくるから不思議だ。
ゲージツである。
逆に、現実では「見えないこと」は恐怖。今、その不安は膨張し続ける。
放射性物質、偽装食品、国家機密法など、時代は「見えないモノ」に包まれていく。
劇は虚構を作る。現実と対峙するのだ。
寺山修司は熊本の地で火の鳥のように舞って永遠に生き続けている。

<影山影子の場面>のヌキ稽古をした。
設定では記憶喪失の往年のスターということになっている。
影山影子(肥後丸.)+影子の影(坂本咲希)+花嫁(まみダンサー)が重なると美しい怪物=女優たちになる。
一般には怪物は男のイメージである。ところが女三人集まると美しい怪物になる。
演劇=虚構の組織化とは?舞台では幻想や妄想が形になるから不思議だ。

自己満足では終わらないから人に見せたくなる。
見せることによって「見えないこと」が作られていく。それは見る側も作ることになる。
見る側×見せる側の共同作業の場が小劇場=地下演劇の醍醐味なのだ。

世界のすべての人々へ見てもらいたいと思う。
ところが、スペースには限りがあり1ステージ40人が限界の5ステージだ。そんな密室空間(ギャラリーADO)で上演する。
制作は予約の調整で頭を悩ませている。会場のパンクが予想されている。
予約は今すぐ、お早めにお願いします。当日券では入場できなくなります。
(問)yumesajiki@ybb.ne.jp

次回公演「遊戯療法」ご案内

改めて追悼第2弾へ

2013-11-05 14:00:12 | 遊戯療法~レミングより
昨日の稽古で完全に次回公演No.63「遊戯療法」ギアTOPになった。
加速する。
今年の劇団夢桟敷はキッズミュージカル「とうめい人間」を除いて、寺山修司没後30年の演劇へ突っ走っている。

4月「レミング~世界の涯2013」(熊本市現代美術館アートロフト)
7月-8月 ワークショップ「寺山修司研究会」(黒髪コミュニティー)
10月 市街劇「ポータルゲート1m国家」(熊本市上通りパビリオン)
11月28日~12月1日 「遊戯療法」(河原町ADOギャラリー)へ!

この4つの公演や活動は寺山修司の評価と追悼の意を込めて位置づけている。
この間、行政主導のイベントなどへの出演依頼もあったが全てお断りしていた。
地域で生きている劇団としてはお断りする「政治的利用・意図」のつもりは一切なし。むしろ税金を演劇や文化に投入して頂けるなら積極的に参加する。
時間の問題だった。あれもこれも手を広げると薄くなる。集団で動くことは小回りが利かなくなる。それが大きな理由だった。

スピードがアップすると外の景色が見えなくなることもある。
これは恐ろしいことで、劇が内向してしまう。社会との関係が切れる。
作家として役者として集中することは大切である。これは限られた稽古時間には言える。形にしなければならない。
だが、こころの問題ではない。思っているだけではダメ。動かないと何も見えない。
稽古場では身体が問題になる。
闇?・・・目をひっくり返せば内臓も骨も感じる。身体の中に闇が広がっている。
息や血の流れる音も!
皮膚と皮膚が重なる人間たち。板(舞台)は肌である。

次回公演に向けての構成がまとまりつつある。
終わりのないパズルゲームである。
今年はあと1本!・・・死ぬまであと何本?

三枚目「女優」誕生

2013-11-04 23:38:02 | 遊戯療法~レミングより
「遊戯療法」で登場する看護ふ/(1)赤井犬彦と(2)東田まなみ
この二人は照明スタッフの仕事を兼ねながら舞台出演になる。
つまり診察室は照明を操作する場所として丸見えという訳だ。
わざと見えない場面を作った。
看護ふ(1)(2)の女優は闇の中で危険な関係になる。
それは見えない舞台を見てのお楽しみに!
稽古場では実際、照明を落としてやってみた。いける!どう転んでもいける。

稽古初めに「まなみ~、今回は三枚目でいこう!」と言ってやった。
宝塚女優の夢破れる、とがっかりするのではないかと思っていたが、本人は簡単に受け入れてくれた。
これは意外だった。説得するのに時間がかかるのではないかと思っていたのだが。
方針が決まれば話は早い。
あれもできる、これもできる、である。妄想は膨らみ、稽古場で形にしていける。
赤井犬彦は男であるが女優として扱う。
今度こそは「イケメン俳優でやろう!」と言っておいて一度もやらせなかった。
裏切られることには慣れっこになってしまった男だ。男が女優とは?
自分で好きにやるとバケモノになる。失礼、彼は怪物としての素質を持っている。

三枚目はゲイ達者でなければならない。公演当日ギリギリまでプレッシャーをかけよう。
今、構成を大幅に変更中。
妥協はしない。お客さんのためです。
ちなみに、次回の稽古からは「中途半端はやめて」になる。
合言葉は「世界の涯まで連れてって」である。ギリギリを狙う。

密室劇へ

2013-10-29 23:48:13 | 遊戯療法~レミングより
やっと秋らしくなってきた。
体質が変わったのか、やたらと芋が欲しい毎日。甘いものを身体が欲しがっている。
芋を食べると形の良いうんこが出る。腸の調子が良くなる。
これからは風邪をひかないように細心の注意が必要になった。
対策としてみかんを食べる。マスクをして外出すること。手洗いうがい。一日一万歩で汗をかく。

クドシンとサキが次回公演「遊戯療法」の会場であるギャラリーADOの図面を作って持ってきた。
狭い!これは経験済み、前提でこの狭さを活かす。
次回公演では舞台と客席の配置をこれまでとは変えた。
まるで舞台の中に客席はある。そんな空間になる。
円形劇場ならば客席が舞台を取り囲むが、逆になる。舞台が客席を取り囲む。
5年前の「疫病流行記」(寺山修司)の時も同じような発想で取り組んだ。会場は熊本市上通りの同仁堂スタジオだった。
箱馬と平台で舞台を組み立てて客席を取り囲む。前後がわからなくなる。
まるで、押し入れの中で秘密めいたことをしている錯覚に陥る。
都合の良いことにギャラリーADOにも押し入れがある。 
当初はこれを利用して舞台に使用するつもりだったが、視覚的に見切れてしまうために断念する。
錯覚を生みだせば良いのである。会場全体が押し入れであるような感覚を生み出せば面白い。
集中治療室ー診察室を妄想の中でエロチックな場面として浮かび上がっている。
今回の登場人物は2の線、3の線(二枚目、三枚目)をはっきりと区別する。
滑り出しは笑いを求めない。これは苦しい。逃げたくなるが逃げる通路もない。だから3枚目が必要になる。
ピエロは悲しい。悲しみの中に生理的な笑いを!行き過ぎよ、影。
犬彦、manami(看護婦)がその役割になる。診察室がソープランドのようになってしまう。
密室だからと言ってじめじめすることはない。明るい闇を演出する。
「盲人書簡」(寺山修司)のように意図的に「見えない劇」を作ろう!
「観客席」(寺山修司)のように客席で事件が発生する。
「疫病流行記」(寺山修司)のように閉じ込めいておいて解放する。

今日までの稽古で一旦「遊戯療法」に区切りをつけて明日(水)よりキッズの連続稽古に入る。

【ご案内】

熊本市北区清水公民館講座キッズミュージカル
「とうめい人間」
作:坂本咲希/演出:山南純平
演技指導:坂本真里/音楽:工藤慎平
■11月2日(土)午後2時40分
■清水公民館ホール(熊本電鉄はけのみや駅)
(入場無料)

動画へリンクYouTube10.19市街劇
「ポータルゲート 1M国家」

市街劇から次回公演「遊戯療法」は密室劇に代わります。
合言葉は「集団の力」だ。
次回公演「遊戯療法」ご案内

雨だった一日

2013-10-24 23:42:01 | 遊戯療法~レミングより
昨日決めた筈の舞台図面が大幅に変更した。
座長=夢現が首を傾げている内はまとまらない。この劇団の力関係である。
演出(私)の口数は多いが、座長の一声が効く。最終的には舞台監督クドシンが整理する。2時間で決着した。演出は制限された自由の中で応用する。この方法には慣れている。

新しいダンスの振り付けに入った。
メインはMamiちゃん(ダンサー。薔薇色の花嫁)、肥後丸.(女優、景山影子)、サキ(景山影子の影女)三人で踊る。振付は中村大輔さん(ダンサー)。
「タンゴ」の場面だったところが「頭足人」に変わった。
全員で「犬の水蒸気」を歌うことにした。

何を言っているのだろう?・・・要するに稽古場は男も女もポロリと露出するのである。

それを察知してか予約の問い合わせが多くなってきた。

妄想する舞台は治外法権である。
16時~22時までの打ち合わせと稽古でプチ錯乱している。
心地よい脳疲労で血糖値が下がった。甘いものを食べて夜の活動に入ろう!
老いて盛ん。・・・何がじゃ。妄想する力のこと。
「遊戯療法」の舞台は病院である。


動画へリンクYouTube10.19市街劇
ポータルゲート 1M国家」

市街劇から次回公演「遊戯療法」は密室劇に代わります。
合言葉は「集団の力」だ。
次回公演「遊戯療法」ご案内

マッタあり!書きなおし。

2013-10-23 23:54:35 | 遊戯療法~レミングより
劇団夢桟敷は1979年に立ち上げたのだが、その大きなきっかけとなったのは1978年の唐十郎率いる状況劇場が「ユニコン物語」を熊本の子飼橋下河川敷で上演した時だった。
当時、悶々としていた20代の青年たち10数名が文芸サークルを作って状況劇場受け入れを手伝っていた。「ユニコン物語」と立ち会ってからというもの、演劇への志に火がついてしまった。元々、学生時代に学園祭でお芝居をしていた連中だった。黒テントの赤いキャバレーでは「馬 安倍定」にも受け入れで関わっていた。
受け入れや追っかけでは物足りずに劇団を立ち上げよう!ということになった。意気盛んな時だった。
その内の4名(夢現、上村源太、浦上女史と私)が東京へ出て行ったのが1979年4月。その年に天井桟敷の演劇「レミング」を晴海ふ頭で立ち会う。

その「レミング」を寺山修司没後30年で上演したのが今年の4月。寺山死後、生まれたメンバーたちが大半の集団で上演する。
7月ー8月はワークショップ「寺山修司研究会」を週1回のペースでおこない、1960年代からの日本の演劇史を捉えることになった。
この研究会でお世話になった崇城大学芸術学部の三枝先生(寺山修司学会所属)よりSTREET ART-PLEX KUMAMOTOへの参加を呼びかけられ市街劇を10月19日に決行する。流れ的には「寺山修司」の世界で繋がった。
寺山劇の公演としては次回は第2弾になる。しかし、「レミング」-「研究会」-「市街劇」-「遊戯療法」の4段跳びで、今年の演劇活動はテラヤマ一色となった。

ここにきて「マッタ!」である。
私たちの演劇は作品発表だろうか。つまり、テラヤマを作品(テクスト)として紹介するに止まってよいのだろうかという疑問が膨らむ。
元々、演劇は戯曲の再現ではないと思って取り組んできた。恐れ多いことだが、空論を恐れずに言うと「戯曲以上」のものが舞台に現れなければならない。上演する集団の今を浮かび上がらせたい。
戯曲の命は<いつ><だれが><何を>が時間と空間を超えるものだ。それを確認しようと思った。
この時代、ここの人間たちが次回公演では<何を>形にするかが見え隠れしてきたのである。
寺山修司と天井桟敷の人々が実験してきた演劇を、その延長として公演に臨む。
作らなければならない。壊すべきものは壊さなければならない。
ひとつ、「ことばの時代」「静かな演劇」に私たちは叛乱する。

市街劇ではそれを経験した。
明かすと、台本はなかった。出演者たちはどんなに不安だったろうか。個人差はあるが、その不安が爆発したように思えた。
結果、それが台本通りだったのである。結果、出演者も立ち会ってくれた方々(観客)も共同の創作者となった。
寺山修司の台本はそれが起爆剤としてある。その仕掛けがある。
人間の想像力、演劇は死なない。
只今、構成台本、書きなおし中である。

今日の稽古は午後4時ー6時まで仕掛け会議。6時ー9時半まで稽古。その後、酔ってふらふらするだろう。

市街劇動画ご案内

2013-10-21 23:56:45 | 遊戯療法~レミングより
浅川浩二さんが先日の市街劇をYouTubeでアップしてくれていました。
動画へリンクYouTube10.19市街劇
ポータルゲート 1M国家」


市街劇から次回公演「遊戯療法」は密室劇に代わります。
今日22日(火)の稽古では、新しい発想が生まれた。
合言葉は「集団の力」だ。


次回公演「遊戯療法」ご案内