自然を尋ねる人

自然の素晴らしさ、豊かさ、人と自然の係わり合いを求めて!自然から私たちにくれる贈り物を見つけるために今日も歩く。

日本の民話から

2009-09-20 21:28:30 | Weblog
 観光協会の会長さんから「日本の民話」26冊が1セットの民話集本を戴いた。
その本を読みながら現地を探し、検証していく。
私が住む旧深安郡御野村の話から始まり、今後時々各地の民話をUPしていく。

 「権現山と八丈岩の争い」
 御野村は南に権現山、北に八丈岩がある。
山と山の距離は約4kmでその真ん中を高屋川が流れる平野が開けている。


権現山

八丈岩

御領駅


むかしむかし、南の権現山は岩ばかりの禿げ山だった。
北の八丈岩は野棘ばかりが生い茂る見にくい山だった。
 原本に忠実にみればこうなるが
地元に現存する話と大きくそれてしまうので許していただきたい。
(原本は山と山が些細なことから石と茨を投げ合ったとある)

権現山には青鬼が住んでおり、八丈岩には赤鬼が住んでいた。
その鬼たちが山の高さで言い合いを始め、ついに言葉では決着がつかないから
青鬼がまず石を相手に投げる行動に出た。赤鬼も大小の石が体にあたり我慢が出来なくなって、野棘を投げる反撃に出た。
この出来事は
御領駅に掲げる看板に書いてある。



よく読むと野茨ではなく、栗になっている。

時代が変わると中身が変わるのは仕方がないか。
それならと、昨日19日に行われた御野小学校の体育大会からこの話を再現してみよう。
赤組と青組に分かれて騎馬戦が始まった。



まず青組がエールを送る。青組のエールは迫力がある。
ここでも青組が仕掛けた。



赤鬼はいやな顔をしながらも、応酬することを考えている。



応援合戦を経て、騎馬戦の個別戦から団体戦に進んでいく。
一進一退が続いていたが決着がついた。
赤の勝。



止せばよいのにOBのお姉ちゃん
青鬼に向かって
「お前負けたんだってね」
最近の女の娘は強い!

元の話に戻り最終章

お互いの鬼は岩や野棘を投げ合い、権現山の青鬼は山にあるすべての岩を投げ、最後の岩を持ち上げたが腰をひねり岩を落としたので岩はころころ転がり平野の真ん中まで転がって止まった。

お互い投げつけるものがなくなったので、戦いは自然消滅した。
結果は権現山は野棘だけの見にくい姿に、八丈岩は岩ばかりのごつごつした山に変わった。
喧嘩の発端になった山の高さは岩を投げつけられた八丈岩が岩の高さだけ高くなった。
ところで転がった大岩は田んぼの畦にあり、村人がこの岩に触ろうものなら、たちまちのうちに大雨が降り、山が崩れて土砂が田圃を潰すのでしめ縄をはり祀っておるそうな。
間違って村人が触ることが多いから、砂が流れ出て、今でもお米がうまくないと言う人が多いそうな!