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イとエ

2012-11-11 09:03:44 | 日記
千葉や茨城では、イとエが全く逆になる~という一文が、或る随筆同人会の合評会で読み上げられ、その場にいた人達の半分ほどが笑いながら頷いた。その笑いにはどこか軽蔑じみたものがあって、私はイヤな気がした。私の父方の祖父は茨城の片田舎の出身であり、私自身も9歳からの6年間を茨城で育っているから、バカにされたと感じたからではない。 たしかに、茨城では駅はイキであり、海老はイビとなる。 しかし、犬はエヌとはならないし、椅子はエスではなく、だからイとエがすべて逆になっているわけではないから、その文はそれだけでも誤っているのだ。 別の例で言うと、いい天気をエエ天気と言うのは関西であって、千葉・茨城ではない。 もちろんチバラギ弁が田舎臭い(野暮ったい)響きであることは確かだが、それは日本国中、似たりよったりではあるまいか。たとえば、津島修治は、自分の出身地の青森の言い方にすると、チュシマスウズとなって、なにがなんだかわからなくなるので、ペンネームを、比較的発音しやすい太宰治にしている。 言葉とは、赤ちゃんのカタコトから外国語に至るまで、つまりはヒトマネであり、私はそれが多少上手いから、喋り方を変えれば、茨城人にも、関西人にも、東京育ちに見せることができるし、そのいずれの言葉も好きだ。 方言の好さとは、味わいである。 ただし、私の娘達のように神奈川(横浜と鎌倉)のみで育つと、家人に少し残る茨城訛りは気になるようだ。  JRAにエチゴイチエという馬がいる。馬主が茨城人で一期一会を誤ったのではなく、たぶん、越後の出身者が都会人を笑ってやろうと思って名付けたのだろう。