脳梗塞で入院したときは、初めは2人部屋に1人でいた。3日目に上品な感じの老人が隣のベッドに来た。自ら、「78歳です」と話し始めた。おもしろい人だった。いろいろと訊いてみると、病気の総合商社のような人物だった。「糖尿病だけはいけません」と何度も言われた。20年も前のことであって、それ以来、私は何度も入院生活を経験しているが、患者同士で喋ってヒマツブシをできたのはそのときだけだ。
病室のベッドに横になっているとk看護婦さんの歩く姿がよく目に入る。枕の高さがそうなっている。若いナース白いズボンのヒッピの部分が気になる。平面的なヒップだ。ヒップパッドというものを作ったら売れるのではないか。いや、野球選手の穿くスライディングパンツの応用品でもいいのではないかと考えたりする。
入院見舞いに最適なものは、四季を通じてアイスクリームである。これも脳梗塞のときの発見だったと思う。娘がハーゲンダッツを差し入れてくれたのだった。理由はよくわからない。病室にいると甘いもの、冷たいものが欲しくなるのはなぜなのか。もう1つがプリンで、これはプッチンプリンという品が旨い。
娘の山口瞳の本を借りて読む。15分で疲れる。眼が疲れるのではなく、本を持つ腕がシンドくなるのだ。「これ、女の人ですか?」と、作者名のところを見て看護婦さんが訊く。なるほど、瞳は一般的には女性名だろう。数人の看護婦さんに訊かれると、「おもしろいから、ぜひ読んでください」という言葉も出なくなる。
胆石手術以来、入院していない。3か月に1度の保険診断だけで済んでいる。次はコロナだろうか。コロナの死者は95%以上が75歳より上の老人だそうだ。私は75歳を9年も過ぎているから、それは、最後の入院になるのか。
病室のベッドに横になっているとk看護婦さんの歩く姿がよく目に入る。枕の高さがそうなっている。若いナース白いズボンのヒッピの部分が気になる。平面的なヒップだ。ヒップパッドというものを作ったら売れるのではないか。いや、野球選手の穿くスライディングパンツの応用品でもいいのではないかと考えたりする。
入院見舞いに最適なものは、四季を通じてアイスクリームである。これも脳梗塞のときの発見だったと思う。娘がハーゲンダッツを差し入れてくれたのだった。理由はよくわからない。病室にいると甘いもの、冷たいものが欲しくなるのはなぜなのか。もう1つがプリンで、これはプッチンプリンという品が旨い。
娘の山口瞳の本を借りて読む。15分で疲れる。眼が疲れるのではなく、本を持つ腕がシンドくなるのだ。「これ、女の人ですか?」と、作者名のところを見て看護婦さんが訊く。なるほど、瞳は一般的には女性名だろう。数人の看護婦さんに訊かれると、「おもしろいから、ぜひ読んでください」という言葉も出なくなる。
胆石手術以来、入院していない。3か月に1度の保険診断だけで済んでいる。次はコロナだろうか。コロナの死者は95%以上が75歳より上の老人だそうだ。私は75歳を9年も過ぎているから、それは、最後の入院になるのか。