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健康な人

2012-06-30 21:20:42 | 日記
60歳を過ぎるころから、先輩は当然として同年代の幼友達、学友、仕事仲間といった人達の死が増え始める。 死因は多種多様だが、中にいは「アイツは遊び過ぎだ」と感じる場合もあって、その遊びとは、酒を指すことが多いが、それに女やギャンブルが加わったりして、要するに不摂生・不健康な生活習慣だ。 私が一昨年の胸部大動脈瘤で死んでいたら、友人達は揃って「若い頃から呑ん平だったからなぁ」と頷き合ったと思うし、家人や娘は「お酒で生きて、お酒で死んだのだから、シアワセだったかもね」と話すに違いない。 動脈瘤とアルコールには直接の関係はないようだが、間接的にはあるのかもしれぬ。ついでに言うと、私はすでに生き過ぎであって、アチラに行けば先着者から「遅かったじゃないか」と言われるはずだ。 自制心(克己心)があって、毎日を健康に生きている人がいる。彼(彼女)の元気は続くだろう、長命だろうと直観できる人がいる。しかし、そういう健康な人が、いきなり倒れて驚かされるという例も少なくない。直接的あるいは間接的に誰彼の死を知るとき、どうしても生き方の健康不健康を思ってしまうが・・・。 地井武男さんが亡くなった。この春までテレビで彼の散歩番組を観ていて、健康な人だと思っていたから驚いた。健康な(節制をこころがけ、克己心のある)人、必ずしも長寿ならず~は神の不平等か。

解放感

2012-06-30 09:53:18 | 日記
昭和20年8月15日正午。私と叔母は、近所の家の庭で玉音放送を聴いた。 我が家のラジオは性能が悪く、雑音に満ちていたからだった。その家の庭には10人以上の大人が集まっていた。 放送が終わっても、大人達は沈黙していた。家に帰って祖父に訊くと(祖父は雑音の中から、なんとか内容を聴き取っていて)「これからは平和になる」「もう空襲はない」と言った。 9歳の私にわかったのは、空襲がなくなるということだけだったが、それだけで、ホンマかいなという喜びがあった。後になって考えてみれば、それはわが生涯の最大の解放感ということになる。 
一昨年夏の大病からの生還(退院)の日。 タクシーが走りだし、葉山の海が見えたときに、解放・自由を思った。迎えに来てくれた娘がペットボトルの飲み物を渡してくれた。オペの後の5日間、水も満足にもらえずにノドがカラカラになっていたときのことを思い出した。家に帰り着いて娘に礼を言うと、「おつかれさま!」の笑い声が返って来た。なるほど、この場合「おつかれさま」は正解だなと思った。今日(6月29日)は孫娘の誕生日である。彼女は今、来春の大学入試に向けて勉強まっしぐらである。いい時季だと思う。 来年の今頃は、解放感に浸っているだろう。志望校への合格には、芝生に仰向けに寝転んで、両手足をおもいきりのばし、大声で叫びたくなるような喜びがある。 解放感と達成感。そのために、今は、(あの土井たか子さんの名言を借りれば)「やるっきゃない!」のだ。 私は「がんばれ!」という言葉はあまり好きでないので、「よく眠れ。合格必勝法は快眠にある」と言っておこう。

割引

2012-06-29 21:32:50 | 日記
朝食はチラシ鮨。昨日、家人の買い物が遅くなってスーパーに着いたのが7時過ぎで、生もの5割引サービスが始まっていて、刺身1パックとチラシ鮨を2人前買ってきた。 刺身(ブリ)をチラシ(マグロ、タコ、たまご、シイタケ、小エビ、アナゴなど)に加えれば、ちょっとした御馳走であり、私は夜は米飯類は食べないから、宵越しの鮨というわけだ。それにしても、7時以降は半額になるというのもすごいというか、ありがたいというか、そのスーパーの近くの住む人はラクだろうなぁと思ってしまう。  現在でも通学定期券(昔は電車だけで、バスにはなかった)や、映画館の入場券に学生割引があるのだろうか。 家人の話では、映画は60歳以上はオール千円だそうで、その他にもアレコレの老人割引があるらしいが、昔はソレはなかった。 サラリーマン時代、直接の上司であるA氏が、別のセクションの部長と「でもY(私のこと)の言うことですから、多少は割り引いていただかないと」と話しているのを偶然に耳にして笑ったことがあるが、サラリーマンたるもの、大ボラとは言わぬまでも、多少は割増して話さないと、仕事がおもしろくならないのではないだろうか。   新宿花園町の閉じを学生服で歩くと、「学生さん、割引するよ。寄っていらっしゃい」と優しい声がかかる。もちろん、むこうも金のない坊や達の冷やかしであることを知っている。情緒があるとは言えぬが、ホロ酔いで歩くのはいい時間だった。  昭和33年3月31日で、赤線青線(と呼ばれた遊び場)の灯が消え、その翌日、売春防止法が施行された。

夫婦喧嘩

2012-06-27 20:57:56 | 日記
俳優の高嶋政伸さんが夫人相手の離婚裁判で、「役者生活のすべてを捨ててでも別れたい」と発言し、それでも夫人は離婚を拒否しているそうで、その深刻さ(ドロ沼化)が窺い知れる。 かつてマイク真木さんが「一緒の空気を吸うのもイヤだ」と言って前田美波里さんと別れたのを思い出す。 夫婦と言うものの分母は他人であるということを、春夏の季節は忘れているが、秋冬ともなればということだろう。高嶋夫妻の諍い(怒鳴り合い)のテープが裁判所に証拠物件として提出されていて、テレビで公開されているが、なかなかの迫力だ。犬も食わぬと言われるものが、テレビ(あるいはスポーツ紙や週刊誌)にとっても、この飢えない御馳走であるだろう。   私と家人はあまり喧嘩をしなかった。 仲がよいとか我慢強いといったことではなく、ただ単に喧嘩が下手だったのだろうと思う。 この世の多くのことごとに必要なのはセンスであると思っている。  亭主が日ごろから口数の多い(ウルサイ)女房に向かって、「ちょっと静かにしろ!24時間でいいから、静かにしろ」と言った。 翌朝、亭主が目覚めるとすっかり明るくなっていて、シマッタと思ったが、すでに遅く、会社の上司への遅刻の言い訳を考えるしかなかった。腹たちまぎれに女房を怒鳴ろうとして、ふと枕もとを見ると、「あなた、そろそろ起きないと遅れますよ」と書いたメモがあった。こういう高尚な夫婦喧嘩のセンスは、私と家人にはなかった。

グレード

2012-06-26 22:07:47 | 日記
JRA(日本中央競馬会)には、グレードワン(GⅠ)と定められた競走が年に23回あって、そのレースの勝者をGⅠ(ジーワン)馬と呼んでいる。 最近は国債の格付け(特に格下げ)の話が多いが、GⅠレースの勝ち馬は、たとえ以後の成績が悪くても、引退するまでGⅠ馬である。  同学年に、ちょっとかわいい女の子がいる。まずは試しにラブレータめいたものを書いてみようか。いや、まてよ、彼女の学力は自分よりはるかに上であり、それ以外にも広い知識がありそうだ。ベースボールマガジン誌ぐらいしか読んでいない自分と較べて、むこうは菊池寛や山本有三、島崎藤村を読んでいるらしい。どう考えても、我がラブレターは中身も読まれることなく丸められて屑籠に捨てられそうだ。 最近、ハードルが高いという形容が流行だが、60年前のニキビ少年にもそれはあった。 GⅠの女性には、ラブレターは書きにくかった。  サラリーマン時代、銀座・赤坂あたりで呑んでいる友人たちにごちそうになることがあった。 「たまには西の方(蒲田・川崎)へ来ないか」と誘っても、誰もうなずかなかった。彼らは明らかに、自分たちの呑んでいる場所がGⅠであり、蒲田・川崎をGⅢぐらいに見ていた。私の考え方は違った。たしかに、銀座のGⅠクラブと蒲田のGⅢキャバレーは、雰囲気も店の造りもホステスの品も差があるかもしれぬが、ムードのことで言えば、GⅢには気楽さがあり、値段も安い。そして、ホステスだ。お高くとまるというか、上品ぶるというか、そんな女性と呑んでも酒は旨くない。酒場の女性で、いちばん価値があるのは、気立てのよさである。気持ちよく愉しく呑めるかどうかは、そういうホステスがいるかいないかで決まるわけで、店の造りなんかより、はるかに上の必要条件だ。 私はGⅢキャバレーのココロヤサシイお姐さん達に、今でも感謝している人間である。