いま私の酒壜箱(10本ぐらい収容できる)に日本酒の獺祭(だっさい)の中壜が2本入っている。1本は中身が半分ほどしか入っていない。先日、曾孫のボンちゃんが遊びに来た時に、彼の父親が「おいしい!」と言って半分呑んで行ったのである。この酒は、オバマ前大統領が訪日した時に、安倍首相が銀座の寿司店でもてなし、そのテーブルで酌み交わした銘柄として有名になった。
獺祭とは、獺(なまけもの)の祭りだ。巧い命名だと思う。洒落ていると思う。商品の名づけでは戦前のナンバー1は味の素だそうだ。戦後で優れているのはゴキブリホイホイではないかと私は思っているが、それに、この獺祭を加えたくなる。獺という生物は何かの絵で見た記憶があるが、何か木の枝につかまってダラリと腕と身体をぶら下げているような恰好だった。これは以前にも書いたことだが、茨城の中学時代に冬になると、全校マラソンというくだらない行事があった。学校のある小山を下り、田畑の道と市街地の路、約5キロを走り、学校に戻って来るという行程だった。私はその途中に近道があるのを知っていて、数人の仲間を誘って歩いた。ゴール前はもちろん歩かずに真面目顔を作ったが、この作戦はとっくにバレていた。怒り顔の教師が、「怠け者は罰として、グラウンドをまわって来い!」と怒鳴った。言い分はあった。「この寒中に5キロ走って何からのプラスがあるのだろうか。それが健康に役立つとでも思うなら、そう思う連中だけ走ればいいではないか」が私達の考え方だった。それでも、あの近道を行ったのは楽しかった。「あんまり早く着くとマズいぞ」「そうだ、ゆっくり歩くべ」は楽しかった。あれも獺祭だった。、なまけものの祭りだった。
獺祭とは、獺(なまけもの)の祭りだ。巧い命名だと思う。洒落ていると思う。商品の名づけでは戦前のナンバー1は味の素だそうだ。戦後で優れているのはゴキブリホイホイではないかと私は思っているが、それに、この獺祭を加えたくなる。獺という生物は何かの絵で見た記憶があるが、何か木の枝につかまってダラリと腕と身体をぶら下げているような恰好だった。これは以前にも書いたことだが、茨城の中学時代に冬になると、全校マラソンというくだらない行事があった。学校のある小山を下り、田畑の道と市街地の路、約5キロを走り、学校に戻って来るという行程だった。私はその途中に近道があるのを知っていて、数人の仲間を誘って歩いた。ゴール前はもちろん歩かずに真面目顔を作ったが、この作戦はとっくにバレていた。怒り顔の教師が、「怠け者は罰として、グラウンドをまわって来い!」と怒鳴った。言い分はあった。「この寒中に5キロ走って何からのプラスがあるのだろうか。それが健康に役立つとでも思うなら、そう思う連中だけ走ればいいではないか」が私達の考え方だった。それでも、あの近道を行ったのは楽しかった。「あんまり早く着くとマズいぞ」「そうだ、ゆっくり歩くべ」は楽しかった。あれも獺祭だった。、なまけものの祭りだった。